2016/09/09

ローマ料理とサービスの真髄『OSTERIA DELL'ANGELO オステリア・デル・アンジェロ』

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ローマはバチカン市国よりそう離れていないところにある『オステリア・デル・
アンジェロ』。スローフードオステリアガイドに25年以上掲載されているという
筋金入りの人気店。
メニューはコテコテのローマ郷土料理が一通り。さらに店内にある大きな暖炉で
ガツンと炭で焼いてくれる肉もこれまたおいしい。
でもなんといってもこの店の名物は経営者のアンジェロさん。
元イタリアナショナルチームで活躍したラガーマンで、その名の通りしっかり
耳がつぶれてる。趣味は釣。ヨットを持っているので休日には海へ繰り出し
大きな魚をつってくる。松方弘樹+釣り上げたマグロの写真みたいなショットを

いつもうれしそうにスマホで見せてくれるアンジェロさん。男のロマンやね。
そこそこ歳とってると思うけど、ピンと姿勢がよくて、昔はブイブイいわしてたん
だろうなーと思わせるニクイこの笑顔。厚い胸板にぴったりしたシャツが映えますわ。
よく見ると、わ!左目の下に涙の形の刺青。うれし涙かな。

で、このオッサンがまたいいサービスをしてくれるのです。

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こちらは白あずきを肉を煮込んだトマトソースで煮込んだもの。
テーブルワインとともにまずはブルスケッタやおつまみがどんどん出てきます。

Pasta

これおいしかったなー。トンナネッリという角ばった卵入りの生麺。これに
ムール貝とペコリーノチーズがたっぷり。
結構しっかりした噛みごたえで、芯まで貝の出汁が染み込んで食べ飽きない。
貝とチーズの意外な組み合せもいけるね。

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鶏もも肉の炭火焼き。塩とレモンだけで。
外側はパリッと、でも肉はジューシー。
あの暖炉のなせる業。
シンプルイズベスト。

前菜+パスタ+セコンド+テーブルワインで25ユーロフィックス価格(炭焼きは別料金。でも若干の差)という、今どきのローマでは耳を疑うプライス設定。しかも素材がよくおいしい。

大満足!なのはいいけど、今夜のディナー消化するにはラガーマン並みの胃がほしいナー。(涙)

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OSTERIA DELL' ANGELO

Via G. Bettolo, 24-32, Roma

Tel 06 372 9470

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2016/07/11

グラード湾に浮かぶ魚料理の店『TRATTORIA AI CHIODI トラットリア アイ・キオーディ』

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ちょっと前のことになってしまいましたが、あまりにも面白い”食&出会い”
体験だったグラードでの話題。
グラードとはほとんど知られていませんが、イタリアの北東フリウリ・ヴェネツィア
ジューリア州の小さな湾を含む地域。
この湾には、島とも呼べない、地図にも載らない小さな小さな孤島がたくさん
浮かんでいます。昔は猟師さんが住んでいたそうですが、今は市が管理して
います。
この島々の1つがISOLA DI ANFORAアンフォラ島。
ここに”BORETO ALLA GRASIANA ボレート・アッラ・グラシアーナ”という
かなり変わった魚の郷土料理を食べさせるトラットリアがあるのです。

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グラードの港から水上タクシーで30分でアンフォラ島に到着。

ありました=!『TRATTORIA AI CHIODI』!

ほんとうにこんなところにそんなレストランがあるのか?!と半信半疑に
なっていたのが、この島へのエントランスを見たとたんテンションアップ!

厨房はオープンになっていてテーブルは野外のみ。
そのすぐ横は海。
よく見ると地元の船乗りのおじさんや、猟師さんっぽい若者が、ビールグラス片手
にイカのフライや魚介のパスタをほおばっている光景が!
イタリアに浮かぶ小さな島というと、高級リゾート地になっていてお金持ち
バカンス客向けのレストランばかりというパターンが多いのですが、ここは
客層もなんだか違うぞー!

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この湾岸で獲れる魚介を地元のお母さんたちがさばいて、厨房で揚げたり
いためたり。それをすぐにテーブルに運んできてくれます。
それを生ビールか白ワインで。こりゃ魚好きにはたまらない!

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さて、はるばるこの島に来たのは実は目的がありました。
それは、この地方の郷土料理 ”BORETO ボレート” を食べること。
この島に来る前にフリウリ州ゴリツィアにあるワイナリー訪問で
東京の出張料理人の岸本恵理子さんとの出会いがありました。
恵理子さんは3年前にこのお店に来てこの魚料理に魅せられ、レシピを習得
なんと東京に帰ってからも”BORETOの会”を開催されているのです!
その恵理子さんの提案で急遽この島に来て、BORETOを食べることになった
わけです。

では、そのBORETOの作り方をご紹介しましょう。

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まずはこの鉄鍋(この取っ手のある鉄鍋が伝統的な形)にニンニクを入れ
もくもくと煙りが出るほどいためます。油はほんのちょっーと。
いつまで炒めてるの!!!と言いたくなるほど真っ黒に焦げるまで放って
おきます。

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ここへ頭からぶつ切りにしたいろいろな魚を放り込みます。
ここに文字通り大量の黒コショウを入れます。
半端な量じゃなく、手にいっぱい握ったのを2回分入れてました。
塩は普通の量。

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さらに、なんと魚がひたひたになるくらいのワインビネガーを入れます。

これで30分ほど煮込みます。絶対にヘラで混ぜてはいけません。
魚が崩れてしまうので動かさずこのまま放っておきます。
しかもずっと強火!えーーー!

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魚から出る出汁がお酢に溶け込んで白いスープのようになってきました。
ここでまた面白い独特のパフォーマンスが!
この取っ手を持って左右に鍋をフリフリするのです。
ヘラを使わずにこうやって混ぜるのですね。

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できましたー!!!
これ、どんな味だと思います?
作り方を見ていると、かなり味の濃い料理だろうなーと想像していたのが
なんともまろやかで、ツンツンしたお酢の感じもなく。お、おいしい!!!

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黒オリーブなんか入れてたっけ?と思ったら大間違い。これがこげこげの
ニンニクだったんですね。
でもニンニクも黒コショウもお酢も、全部が柔和されて魚の味を全く殺して
いないのには驚き。

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そして魚と一緒に焼いた白ポレンタを食べます。これも含めBORETOなのです。
この白ポレンタ、焼きおにぎりとそっくりの味で、なんだか和食を食べているような
感覚でした。
さて、それにしてもなぜこのような作り方、つまりお酢やコショウを大量に入れて
煮込むのか?イタリア各地にある魚料理に比べても、これはかなり変わった料理です。
料理の由来をオーナーに聞いてみました。

- 昔はあまり新鮮な状態で魚が手に入らなかったこと。
- この地域ではオリーブオイルが生産できず、貴重品だったため油を使わない
料理が考えられた。
- 昔は今のように前菜、パスタ、セコンドという食事ではなく、ワンプレートだけだった
ので1皿で味の濃い、お腹の膨れるものを食べていた。

ということでした。なるほどー。やはりそういう食事情の背景があったのです。

イタリアに20年いても知らない料理がまだまだある!と思わされるのはこういうときですね。

で、こんなたくさん食べられるのー?!という量でしたが、一緒に行ったみんなで
最後のソースを白ポレンタでスカルペッタするまで食べました。
BORETOの独特の味わいは、何か脳裏にしっかりと焼きついて忘れられない
おいしさでした。

そして何より忘れられなかったのが、この料理に3年ぶりに再会した恵理子さんのこと。
BORETOが出来上がった瞬間、子供みたいに飛び上がって喜んでいた恵理子さん。
魚だけで食べたとき、ポレンタと一緒に食べたときの違いを比べ、真っ黒
にこげたニンニクまで、全てを真剣に味わって感動していた恵理子さん。
作るプロは食べるのもプロですね。
いろんなものをほおばっている恵理子さんを見ているこっちもシアワセいっぱい
になりました。

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BORETO以外にも、いろいろな魚料理があり、お腹がはちきれるまで制覇しました!
全てがおいしく、そこにいた皆の食べているときのテンションの上がりようが
また面白かった!

こんな遠方から来た人に感動を与えられる郷土料理を頑固に出し続けるお店
無名の地の地元料理に惚れこんで、日本でも伝えようとする情熱料理人。
食べることに対するみんなの欲と真剣さ。

お腹もいっぱい、感動もいっぱいでこの島を後にしました。

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TRATTORIA AI CHIODI  トラットリア・アイ・キオーディ

Isola di Anfora, Grado, Gorizia

TEL. +39-335-7522209

毎年4月から10月中旬のみ営業

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2016/07/04

新奇コンセプト満載の店『RETROBOTTEGA レトロボッテーガ』

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昨年12月、ローマの中心地にオープンした『レトロボッテーガ』。
最近のマイブーム、久しぶりの大ヒット、完全にはまってます。

ローマの2ッ星イノヴェーティヴイタリアン『イル・パリアッチョ』の厨房で長年
同僚だったロ・イウディチェ氏とミオッキ氏が2人で独立、ハイレベルな料理が
居酒屋感覚で食べられるというなんとも画期的なお店。

「ファーストフードから3ツ星まで、カウンターで食べるスタイルが主流の日本の
飲食店は、客と客、客と料理人の会話が生まれ、ヨーロッパの区切られたテーブル
席の空間とは違い、インフォーマルな空気感がある。それが自分たちのコンセプト
にぴったり合ったんです。」というロ・イウディチェ氏。
1ヶ月かけてまわった日本の飲食店を参考にし、店内はL字型のカウンター
を中心にした内装に仕上げています。
カウンターの向こうには、パスタを打ったり、お皿に盛り付けをする料理人たちの
手仕事が見えます。

ワインや水などのドリンクは客が自分で店内の冷蔵庫から取り出すようになって
いて、ワインも自分であけます。コーヒーもマシンが置いてあり、飲みたい人は
ご勝手に。
人件費の高いイタリア、彼らはホールスタッフをほとんどおかず、できるだけ
セルフサービスにしているのですが、このスタイルもまた客ウケしているのです。
そしてワイングラスはよく見るとプラスチック。

厨房の中を眺めていておもしろいのが、それぞれパートが違うスタッフ達が
「もうすぐパスタが茹で上がるぞー」とか「ソースはできたか?」などお互い声がけ
することなく、確認しあうことなく、1テーブルからの複数の注文をピッタリと同時に
仕上げていること。
相手の様子を見て把握しているのか、これはすごいワザ。チームワークの極み!
またどんなに満席になろうが、厨房の誰一人慌てることなく、淡々と手だけを
動かしていること。とにかくすぐ口が出るこの国民性からして、なんどもクールで
平和な空気が流れているのです。
イウディチェ氏が29歳、その他スタッフもみんな若いのに騒がしくない!
すごいプロフェッショナルな仕事ぶりなのです。

お任せコースもありますが、黒板に書いてある日替わりメニューの中から
アラカルトで注文。

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まずはアミューズから。
石の上にちょこんと。

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アンティパスト、バッカラとネギ、ジャガイモのピュレ。
素材の使い方といい盛り付けといい、星付レストランのキャリアが
出てますね。
低温調理+グリルにしたネギの甘味と、決して塩辛すぎないバッカラ
自家製マヨネーズ、全てのハーモニーにうっとり。

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こちらもアンティパストでウサギのサラダ。
ウサギは苦手な私もこれは食べられました。
赤いソースはパプリカ。
そういえば冷たいウサギ料理って始めて。熱いウサギ料理よりも
上品な味わいで驚き。

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胸腺肉のフライ。これもアンティパストから。
白いのはブルーチーズのクリーム。

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アルソというプーリア州の小麦のパスタ。このパスタ、弾力があって
病みつきになる食感。ちょっと蕎麦に似ています。
ムール貝とボッタルガ添え。

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ポルチーニ茸と、つぶ貝のカヴァテッリ。
山と海の香り両方が楽しめる一品。
このパスタももっちりしていておもしろい食感。

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そして今日のヒットはこれ。
スパゲッティー アーリオ、オーリオ、ペペロンチーノ。
パスタの茹で具合といい味わいといい、一口食べて唸りました。
おいしすぎ!

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おまけ。
タコとトマト、ボッタルガのおつまみ。
メニューにはなかったのですが、ワインに合わせて即興で作ってくれました。
さすがの一言。

どのお料理もしっかりお皿を温めているところ、ピッカピカになるまできれいに拭き
一点の曇りもない状態で盛り付けているところ、などなど星付レストラン的な
完璧な仕事ぶり。

いつ行っても満席ですが、予約は受け付けていません。
テーブル席もありますが、断然カウンターが楽しいのでちょっと時間帯をずらして
行くのが常連ワザ。
12時から深夜までノンストップ営業で、夕方などでも食事ができます。
月曜定休。

新奇コンセプトもおもしろいけど、何より料理がとにかくおいしい店。
オ・ス・ス・メ!!!

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RETROBOTTEGA  レトロボッテガ

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2016/05/16

『料理通信6月号』

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現在発売中の『料理通信』6月号のワールドトピックスにローマ情報を
寄稿しています。
ぜひご覧ください!

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料理通信 The Cuisine Magazine

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2016/05/15

簡素で美しい老舗『TRATTORIA SETTIMIO AL PELLEGRINO トラットリア セッティミオ・アル・ペッレグリーノ』

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久々の『セッティミオ・アル・ペッレグリーノ』。
完全予約制で、さらにドアに鍵がかかっているこのレストラン、ナボーナ広場
近くにありまがらも一見さんお断り的な雰囲気ムンムン。
玄関のインターホンを押すと、ご主人のマリオさんがお出迎えして
くれます。そしてお店に入ると、あたかもマリオさんの自宅に招待されたような

錯覚に陥ります。

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以前にもこのブログに登場したこのお店、1932年に創業。

マリオさんとテレーザさん、ご夫婦で切り盛りしています。

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ワインボトルとカラフにあわせてあつらえられた大理石の棚。

ピカピカに磨かれているアンティークの木製家具。

みっちり目の詰まった重みのあるコットンのナフキン。
ちょっとゆがんでいるけど磨き上げられたカトラリー。

このお店にある何もかものものが、昔から大切に使われているのが
わかります。
モダンハイテック、NYスタイルのインテリアの新店もいいけれど
プラスチックか布かわからない薄っぺらいナフキン、ゴム製の
ランチョンマットでなく、重みのある真っ白なコットンのナフキンで
食事ができるこのお店に、ただならぬ贅沢さを感じるのです。

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メニューはいたって素朴でシンプル。
さて、私のお気に入りは断然パスティーナ・イン・ブロード。

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パスティーナという小さな粒状のパスタが入ったスープ。
一見お粗末に見えるこの料理、結構しっかりした味わいで
いい出汁でてるんですよ。
ちょっと鍋の最後にするおじやみたいな感じで、イタリア料理では
珍しく疲労した胃にもやさしい一品なのです。

いわゆる家庭料理で、トラットリアではほとんど出しているところはありません。

そういう料理を出すところがまたこのお店らしさ。

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トマトソースのスパゲッティー。これがまたなんのひねりもなくておいしい!
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セコンドには名物のポルペッタ。
混ぜ物が少ない感じでお肉のうまみしっかり。シンプルイズベスト。

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旬の時期も終わりにさしかかってきた、アグレッティで〆。
オリーブオイルとレモンで。

パンがなければ食べられないような、脂っこく塩辛い味付けのローマ料理
のお店も多いですが、ここは本当に素朴でやさしいマンマの味そのもの。
お会計も素朴。

創業1932年の『セッティミオ・アル・ペッレグリーノ』にて、逆に新鮮さを感じた
ディナーでした。

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SETTIMIO AL PELLEGRINO 
セッティミオ・アル・ペッレグリーノ

Via del Pellegrino 117,  Roma

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2016/05/09

究極のモッツアレラ・ディ・ブーファラ『TENUTA VANNULO テヌータ・ヴァンヌーロ』

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みなさまこんにちは。
長らくお休みしておりました。
一時期あまりに仕事がハードになり、ブログ作成にPCに向かえず
掲載したいことが山積みになったまま、あっという間に日が経って
しまいました。
その間にも2009年から続けているこのブログへの愛着と、いろいろ
な意味で自分の中で大切な記録であることから、早くまた再開したい
とずっと思っていました。
約1年もお休みしていましたが、その間にもここに訪問くださったみなさん
本当にありがとうございました。
またこれからも懲りずにこのブログにどうぞお越しくださいませ。

新着記事は、水牛のモッツァレラ工場の話題。
ローマから車でナポリ、サレルノを超え、南に下ること3時間。
農業とモッツァレラ工場以外何もないという感じのこの殺風景な地域に
突然現われるのが『テヌータ・ヴァンヌーロ』。
同地区に多数あるモッツァレラ・ディ・ブーファラの生産工場とは全く
一線を画す工場なのです。

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ここで飼われている600頭の水牛のための餌(麦やとうもろこし)は
全て自社で有機栽培されています。
よりおいしい牛乳を生産するため、農薬、添加物一切なしのBIO食材
だけを食べさせているというわけ。さらには病気になった牛は漢方で
治療、薬はやりません。

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家畜上の真ん中にはなにやら回転している黄色い物体が。
これは水牛のためのシャワー。ここから常時水が出ていて、黄色い
ブラシがくるくるまわっています。牛たちはここで自分の体をブラシに気持ち
よさそうにすりよせていました。
固いコンリートの上ではなく、ゴム製のマットの上で寝させている
のも、牛にストレスを与えないため。
毎日の清掃も徹底して行なわれているために、家畜工場の鼻をつくような
匂いもありません。

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ミルクを搾るシステムは北欧製の最新のマシーンが導入されています。
”気が向いたとき”だけ、乳搾り室に入っていく牛さんたち。
一般的な工場のように、強制は一切されず、1日中ミルクを搾らない牛も
います。搾ってから3時間以内にまたこの部屋に入ろうとするとする牛も
いますが、バーが自動的に下り乳搾り室に入れなくしています。
牛につけられているチップを通し、ミルクを搾った時間が工場のコンピュータ
に報告、1頭1頭コントロールされているのです。

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年老いてミルクが出なくなった牛もそのままここで生き延び、最後には
この心地よい棲家でひっそりと死んでいきます。
決して精肉にすることはないそう。

同工場内には牛皮製バッグの工房も。
ここで職人がコツコツと一点ものの鞄を作っています。牛革はトスカーナ
から仕入れているもので、ここの水牛の皮ではありません。
牛革の自然の色をのこしたシブいバックがたくさんありました。

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これだけすごい水牛工場を見て、味見しないわけにはいきません。
『テヌータ・ヴァンヌーロ』の中には、ここのモッツァレラが食べられる
お洒落なレストランそしてカフェがあります。

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水牛のミルクでつくった、ジェラートやヨーグルトが味わえるカフェへ。

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プレーンヨーグルトとブリオッシュを注文。
ストレスフリーの水牛のミルクの味は、フレッシュでなんとも濃厚。
コクが違う!
あそこまでする価値がこのヨーグルトを食べて納得。

ちなみに『テヌータ・ヴァンヌーロ』の製品はこの工場内のみの限定販売。
小売店やレストランへの卸しは一切ないのです。

閑散としたこの地方にいきなり高級ホテルのような外観の『テヌータ・ヴァンヌーロ』。
北欧の最新機器を導入した工場、レストラン&カフェ、農業工具博物館、すごいもの
を建てたもんです。
どこよりも美味しいモッツアレラチーズを作るというオーナーの信念ですね。

笑ってる?というようなやさしい目つきの水牛が印象的でした。

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TENUTA VANNULO テヌータ・ヴァンヌーロ

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2015/06/29

ミラノブレラ地区『SUSHI B』

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今ミラノで一番新しい鼓動を感じるレストランがここ『Sushi B』。
昨年7月にオープンしたお店で、寿司屋でもなく和食亭でもない。
真新しいカテゴリーの空間なのです。

日本人建築家によるインテリアデザインで、照明もこだわっています。
スタイリッシュでグリーンいっぱいのみずみずしい店内では、ミラネーゼ
たちが早くも日本酒のカクテルでアペリティフをしていました。

バーテンがカクテルをふるまう解放感あふれるテラス席とうってかわって
室内は日本人寿司職人が目の前で握ってくれる銀座の高級寿司屋のような

カウンターもありいろいろなシーンが楽しめるようになっています。

某サッカーチームの会長も常連だそうな。

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ここのシェフは長い間マルケ州のミシュラン二つ星レストランのモレーノ・
チェドローニの右腕をしていた新森(ニイモリ)氏。和食出身でなくイタリアン

のシェフによるお料理の始まりにワクワク。

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まずはアミューズから。
こちらはカニとパプリカの春巻き。
寿司屋と思って来た人には驚きのスタートです。

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前菜は、ホタテとシチリアの赤海老、リンゴットキャビア添え
柚子とオレンジ風味の泡。上にのっている黒いチップスの
ようなものはプレスしたキャビア。
魚達の新鮮な食感と甘味、素材の爽やかなハーモニー
にうっとり。

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マグロのづけを巻いた裏巻き。周りにはカリカリの天かすがのって
います。マグロのおいしさ、ごはんのおいしさ満喫。

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デザートは、ラズベリーのマカロンに梅酒のゼリー、柚子のシャーベット。

軽くいただいいたディナーでしたが、なんともイタリアンと和が軽やかに
マリアージュされ、新世界が目の前に広がるような体験でした。
東京で和食出身の料理人による高級イタリアンというのはいただきましたが
イタリアン出身のシェフによる和食というのは初めて。
メニューをめくると、なんだか不思議な名前のメニューがたくさん。
それぞれの料理にワインがあうのか日本酒があうのか、一皿一皿
ためしてみたいなー!

この先どんどんと新しいシェフによる今まで存在しなかったカテゴリーの料理

がイタリアにも誕生していくのかもしれません。そんなうれしい予感をもたらしてくれた『SUSHI B』の料理。寿司でもない、和食でもない、イノヴェーションでもない。
このスタイルを”新森料理”と名付けました。

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SUSHI B

Via Fiorei Chiari 1/A Milano

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2015/06/19

ピットエリアとディッシュアップ

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F1フォーミュラ1には何の興味もないけれど、唯一好きなシーンがあります。
それは”ピットイン”の瞬間。
本コースからピットエリアに入るF1マシンに一秒一刻を争って、タイヤなど
のパーツ交換や給油をレーシングチームが行なうあのシーンです。
一秒も無駄な時間を使えないこと、火災発生などの危険もあることから
ひとりひとりが異常な集中力で作業を行なっているのがTVからも伝わって
きて、こっちも体が硬くなるほど緊張してしまいます。

この瞬間に誰かがチームワークを乱したり、混乱してしまうと給油用の
ホースをつけたままマシンが発車したり、それこそマシンから火を噴いたり
大惨事が起こるので、命がけの作業! 一連のビデオ早送り
みたいな作業が終わって、マシンが無事発進した瞬間、心の中で拍手!

丸の内『Sensi by Heinz Beck 』の厨房でも全く同じシーンがあるのです。
調理場からあがってきた料理を、ディッシュアップと呼ばれる作業台でお皿に
盛りつけるスタッフたち。イタリア人スタッフと日本人スタッフが一丸となって
料理が冷めないように一秒一刻を争って盛り付けられます。
ここでもまたビデオの早送りのようなスピード。全員がそれぞれの担当をもの
すごい集中力を持ってこなしています。その厨房スタッフの向いにはカメリエーレ
たちが一刻も早くお客様のもとへサーブできるよう一皿一皿を凝視しながら待機
しています。
お皿がディッシュアップコーナーからホールに運ばれていく姿を見て、本コース
に発進していくフェラーリを送り出すような気持ちになっている自分。。。

チームワークと集中力、またトラブルが起こっても即座に冷静に判断できる精神。
もちろん毎日のこのハードワークをこなせる体力。
これらを持ち合わせた上で、新メニューを開発するクリエーティブでアーティス
ティックな能力、お客様とコミュニケーションできる社交性も求められる料理人
という仕事。
いやーレストランの世界って裏方を知れば知るほど本当にすごい!











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2015/06/15

東京丸の内『HEINZ BECK ハインツベック』

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なかなかオンタイムで更新ができず、こちらは2週間前の話題。

ハインツベックシェフと真夏日を記録した東京へ。

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新しいメニューの最終調整がハインツシェフとアントニオシェフ。
東京の食材はイタリアと異なるので、2人が納得できるまで何度も細かい
微調整が行なわれます。「100%でないものはたとえ99%でも0と同じ。」
という姿勢を絶対に崩さない、職人仕事です。
新メニューの誕生の瞬間のヒートアップしたエネルギーが周りにいる者
にも伝わってきます。

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これは新メニューからの1品。
”わさびのリゾット みりんと醤油でマリネしたマグロ”

米+マグロ+醤油+わさび。
そうなんです、この食材の組み合わせってまさに江戸前寿司。
その食材たちがハインツシェフの腕によってモダンイタリアンに変貌。
リゾットとマグロをスプーンですくい、一口食べてみると。。。
ウワー!和食材を使っているのに日本料理ではない味わい!
ライトでモダンなイタリアン。わさびがほのかに効いたクリーミーな
リゾットのおいしいこと。マリネされ脂ののったマグロがまた合います。

過去に何百回となく食べたことのある食材なのに、始めての味。

ハインツベックの料理は自分の脳に既にインプットされていた味わい

の固定観念をことごとく覆される楽しさがあります。今までどれだけ

自分が先入観を持って料理を食べていたかということをいつも体感

させられるのです。

厨房でのあの真摯な姿とは裏腹に、こんな驚きと遊び心いっぱいの
楽しい料理を作り出すハインツシェフ。
おいしさの罠がいっぱい潜んでいるレストラン「ハインツベック」の新メニュー。

ぜひお試しあれ。

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HEINZ BECK ハインツ・ベック

東京都千代田区丸の内1-1-3
日本生命 丸の内ガーデンタワーM2F

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2015/06/06

パニーノになったジュエリーたち 

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ミラノのブレラ地区にあるジュエリー店のデコレーション。

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2015/06/02

ミラノ和食レストラン『IYO イヨ』

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ミラノに来る愉しみのひとつ、 和食レストラン『IYOイヨ』のお寿司。
昨年イタリアではじめて和食のお店としてミシュラン1ツ星を獲得。
キッチュでゴージャスな店内には、ミラノのセレブリティがシャンパン
片手にお寿司をほおばっています。美味しくて、お洒落で、太らない。

こんな3拍子揃った料理に彼らが目をつかないわけがありません。

今イタリアでかなり和食の店が増えていますがその中でもここは高級店。

今、ミラノのグルメに好きなお店を聞くと、ここのお店の名前をあげる人
はほんとに多い。

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ここのお料理に共通しているのは華やかさと、素材の迫力。
モダン寿司ですが、決して奇をてらったフュージョンというわけではなく
筋の通ったおいしさがあるのです。
ミラノはイタリアでも一番いい魚が集まるといわれますが、それを
確かに納得させてくれたのもこのお店。
ちょっと今までこのレベルの魚、しかも生の魚はイタリアでは食べた
ことがないかも、というほど。
また和食の店とは思えないほどのワインリスト。イタリアワインはもちろん
シャンパンも豊富に揃ってます。
こういったレベルのお店のワインリストにもっともっと日本酒が入っていくと

地元ミラネーゼにも親しまれていくんだろうなー。

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『IYOイヨ』の総料理長はイタリアに25年前から在住する市川氏。
今年のイタリア国際料理シンポジウム「IDENTITA' GOLOSEイデンティタ
ゴローゼ」にもゲスト出演され、今や料理界ではひっぱりだこのシェフです。

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イタリアワインに詳しく、何よりもイタリアが大好きで、イタリアが性に合っていて
イタリアにいるのが楽しい!という市川氏。「もしかしたら、そういう楽しい気持ち

が自分の料理にもまた出ているのかもしれません。」なるほどー!

イタリアに長年いる日本人でもイタリア人と結婚したからとか、仕事で派遣された

からという理由で住んでいる人もたくさんいるので、25年もいる市川氏の

「楽しいからここにいる」という言葉がとっても新鮮でした。

でもホントその通り、プリプリのお魚たち、はじけるような勢いのあるお寿司たちの
オンパレードなのです。
これを食べに行くだけでもミラノに行く価値アリなのです。

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2015/05/29

『EATALY MILANO SMERALDO イータリー ミラノ ズメラルド店』

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ミラノガリバルディ駅からそう遠くない地区、コルソコモからもご近所
の『イータリーミラノズメラルド店』。
ここの楽しさに夜遅くまで大ハッスルしてしまいました。
世界最大の面積を誇るイータリーはローマですが、断然こっちの
ミラノ店のほうがスキ!

3階建ての店舗の中階にはライブホールがあります。
ここでずーっとライブをしていてこれがまたよいのです。

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深夜24時まで営業していて、夜23時にレタスを買う銀行マン風お洒落
ミラネーゼや、一人で食事をしている若い女性といった、イタリアでは
現実のものとは思えない目を疑う衝撃的光景があちこちに!

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イータリーで感心するのは、店員がしっかり教育されているところ。
野菜コーナーでも細かく説明してくれます。この”学ぶ”楽しさもウリ
にしたのはすごいところ。

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どのイートインコーナーも満員。過去のイタリアの歴史にこんな流行った
飲食チェーン店はかつてあったでしょうか?
値段もお手ごろな高質食材が買えて、食べられて、店員さんの説明で
おいしい食材のうんちくも語れるようになるのだから、これはよい。

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一人で食事ができて、深夜でも野菜が買えるという事実。
イータリーミラノでうれしいカルチャーショック。
毎日でも通いたい場所。

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EATALY MILANO

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2015/05/25

『ミラノ世界万博 EXPO MILANO 2015』

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5月1日にとうとう開幕したミラノ世界万博2015。
工事の遅れや、反対派による暴動などいろいろな懸念があったものの
訪れてみると、そんな心配もすっかり忘れるほど各国平和ムードで盛り
上がっていました。
ミラノ万博のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。
110ヘクタールの会場に、53カ国のパディリオンがあります。
5月1日から10月31日まで184日間開催されています。

ますは会場の中心地に建てられたミラノ万博のシンボル、”生命の樹”の
写真から。これは夜はライトアップされるのですが、正直これを見て、大阪
万博の”太陽の塔”を造った岡本太郎さんの偉大さをしみじみと感じてし
まいました。実際に見たわけでもないですが40年前の”太陽の塔”のほう
がよりモダンで新しいシンボル的なインパクトを放っていました。

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この巨大な会場には2つの出入り口が両端にあります。
タクシーで乗り付けた場合と、地下鉄で来た場合の出入り口に分かれます。
タクシーの場合はかなり空いていました。後日地下鉄の出入り口からも
出入りしましたが、混んでいる上に駅から会場まで結構歩きます。

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万博会場が見えてきました。

タクシーの出入り口から近くにある日本館へ直行!ありました!
日本館は”めり込み”という技術によるはめ込んで組んだだけの木材で
造られています。

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実は日本館は53あるパディリオンの中でもトップ3に入る人気という
全国紙の記事が語っているほどで、訪問される人には朝の開幕と
同時にまずは日本館に直行されることをおススメします。
これが40分以上の行列なのです。
(今は状況が変わっているかもしれませんが。)

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エントランスにはスポンサー企業の看板がありました。

ここからが日本館の展示会場になります。

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2階建ての日本館には9つの展示ルームがあるのですが、展示会場ごとに
それぞれの観覧時間が決められていて、ある程度の人数ごとにまとめて
団体行動をするようなシステムになっているので、結構時間がかかります。
待ち時間を合わせると結構な時間を要します。また途中で抜けることは
できません。なので、そのところをわかって入館しないと後で困ることになって
しまいます。

これは全部の展示を訪問者にしっかり見てもらおうという趣旨なのかもしれ
ませんが、外国人の訪問者の中にはこのシステムに結構困惑している人た
ちがいました。

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9つの展示ルームを出ると、今度はフードコートのようなホールがあり
4つのお店と、懐石料亭「美濃吉」があります。

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-天ぷらとおそば「サガミ」
-カレー「ココイチ」
-和牛 すき焼き&ステーキ「柿安」
-ハンバーガー「モスバーガー」

どこもかなり流行っていました。日本人スタッフもキビキビしながらも
堅苦しさはなく、笑顔で対応していてここはなかなかよかったです。
このように注文とお支払いはマシンで行い番号をもらいます。

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ああ懐かしい!モスバーガー!高校生のときよく行ってたんですよ。
外国の来場者も若い人にやはりモスバーガーは人気がありました。

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悩んだあげく、天ぷらそばを注文。期待以上においしかった!
麺のコシ、茹で具合、天ぷらの軽やかさ、満足。
このお料理をいただいて、日本からスタッフが来て裏手ではいろいろと
大変な業務があることと想像しながらも、その努力が功を奏しているよう
に感じられました。

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そして脇に隠れるようにひっそりとあったのが京懐石の「美濃吉」。
カウンターの席数も少なく完全予約制。
メニューとお値段がありましたが、ミラノで京懐石がこの値段で食べられる
のであれば決して高くはないと思いました。

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日本館を出て、各国のパディリオンへ。
1日で53のパディリオン全部をもちろん観ることは不可能で、ざっとよかった
国だけ写真アップします。

まずはアメリカ。壁側には縦型の畑が。

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カタール。この民族衣装の人たちが並ぶと圧巻ですね。イタリアでも日本でも
見かけないので新鮮でした。

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バチカン市国。世界一小さな国ですがひとつの国家なのでパディリオンも存在
するわけですね。

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クエート。パディリオンの前には砂がひいてあり砂漠を再現。

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クアドール。遠くから見るとわからないのですが、実はこの色とりどり
の壁は伝統工芸のビーズでできています。

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純白の建物は韓国。ここも人気館の1つ。展示内容も国際的で
おもしろかったです。館内には韓国料理のレストランも。

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フランス。お洒落でかわいらしい館内で、展示内容もおもしろかった。
名物のブーランジェリーでバケットやクロワッサンの販売も。

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ヴェトナム。建物はものすごくステキだったのですが、中は少量の展示
しかなくがっかり。

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ここも食の宝庫。スペインです。館内では生ハムやリオハワイン、オリーブ
オイルなどを分りやすく紹介。やはりフェラン・アドリア氏は国民的なスター
なんですね。

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名物のオリーブオイやワイン、チーズ、食品などの小売販売コーナーも。
これは楽しい企画。

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スペインの名物タパスが味わえるテラスレストランもひときわステキでした。

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ミラノ万博の主役、イタリア館へ。
これは”森”をイメージした曲線の建築で、3階建てになっています。

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ここもまたすごい行列。
平日はイタリア中の学校から修学旅行で訪れるので、学生の行列で
1時間待ちでした。

入るとすぐにイタリアにある22の州の各州から1人ずつ、自分の土地に
ついて、人生について、将来について語っている声が聞こえてきます。
州によっては無名の大学生などランダムなのですが、フリウリ・ヴェネツィア
州はカリスマ的ワインの造り手である大好きなヨスコ・グラブナーさん。
ちなみにアブルッツォ州は3ツ星シェフのニコ・ロミートさんでした。

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その次の展示はテーマが”イタリアの風景”。
全面総鏡になっており、これがまさに万華鏡の中にすっぽりと入り
込んだような錯覚に陥る迫力で、素晴らしいアートでした。
みんなテンションあがりまくり。

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その次はイタリアを代表する内装の美しい宮殿やヴィッラをテーマとした展示。

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イヤーお見事でした。
これは見がいがありました。

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ほかにもたくさんの展示がありましたが。このミラールームが一番
すごかった、素晴らしかった!と感動していたら一緒にいたある人の
「それにしても、なぜテーマが”食”なのに”建築物や風景”が展示
されているのだろう?」と素朴な疑問。たしかにイタリアだけが
食以外のものも紹介しています。不思議に思って、その場にいた
館内ガイドさんに聞いてみたところ「それは、イタリアの文化は”食”
だけではないからです。風景や建築物にも私たちは世界に誇る文化
を持っているからです。」という答え。
あらまーッ!?さすがイタリア!他の国だって同じことなのに、この万博は
食がテーマということで世界で統一しているのに、この自分勝手な行動=!
やっぱりイタリアだなーとつくづく想わされたこのパディリオン。

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さて、イタリア館の周りにもいろいろなイタリアの団体のパディリオン
があり、中でもおもしろかったのがここワイン館 TASTE OF ITALY
この2階には全国22州の1400種類のワインが州ごとに並べられており
試飲できるようになっています。

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こうして各州ごとに分かれているのでかなり広いのです。
それぞれのコーナーにちゃんとソムリエがいて説明をしてくれます。
もちろん料金制。一気に全国のワインをこうして並べて見たことは
ありませんでしたが、改めてワインとはイタリアが誇る最高の食品
なのだということを体感しました。

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全てこの真空状態の冷蔵庫に入れられており、設備投資がどれくらい
になっているのかわかりませんが、さすがイタリアで最も高い輸出利益
を上げている食品、ワインのなせる業です。

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もう1つ印象的だったパディリオンは「未来形COOP」。

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どこの国でも同じですが、スーパーでもどんどんコンピューター化が
進んでいて、なんだか自分も宇宙人になったような気にさせられた生協でした。

まだまだ見所はいろいろありましたが、ざっとおもしろかったところはこんな
感じ。
それにしてもホントによく歩きました。
ミラノでかなり気温があがった時期だったので、ものすごく体力を要しました。
7月末とか8月の猛暑の時期に行くとかなりキツイと思われます。
またイタリア人の修学旅行生が多い平日より日曜日のほうがまわりやすかった
です。食事をするところはいくらでもあり、ランチを持参して公園のようなところで
食べている人も。

世界の食文化を見て周り、改めてイタリアの食文化のすごさを思い知った
イベントでした。なんというかもう何もかもの種類の多さが圧倒的ですねイタリアは。
各州にそこの土地にしかない自慢の野菜、加工品、酒、そして料理があります。
そのバリエーションを守り続けてきたイタリア人の愛国心にもまた圧倒される
ものがありました。

世界の胃袋に圧倒させられたこの万博、イヤーおもしろかった!

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EXPO MILANO 2015
日本館

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2015/05/18

ミラノのオアシス『CAFE TRUSSARDI カフェ・トルッサルディ』

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ミラノは高級ブティックが立ち並ぶモンテナポレオーネ通りの老舗カフェ
『COVAコヴァ』のウインドウ。
5月1日に幕開けしたミラノ世界万博でミラノの街はエクスポ一色!
と、言いたいところなのですがまだ時期的に早いのかあまり盛り上がって
いない様子。
駅にも街の通りにもEXPOの旗などがたくさん飾られているわけでもなく、また
世界中から訪れた観光客が溢れているわけでもなく。。。

そんなミラノですが、やはり現地のミラネーゼが集うお洒落スポットは相変
わらず賑わっており、その1つ『TRUSSARDI CAFE' トラサルディ・カフェ』で
まずはランチ。

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いかにもミラノ的なインテリアのカフェ。近所にはたくさんの銀行が
密集しているので、銀行員達がランチに来るのですが、これがまた皆
なんで?!って聞きたくなるほどおシャレなんですよ。
さらにはすごい貫禄のある全身アルマーニの太っちょおバサンや、犬を
散歩させているのにシックなスーツ姿のおじさん、みんな何をしている人
たちなのかわかりませんが、このミラノの最も中心地の何キロ㎡以外の
イタリアでは絶対に存在しない人たちがここには集まっています。
日本の男性雑誌のミラノ特集なんかを見ている限りには、イタリア全国
のイタリア人がお洒落に思えますが、ちがうんですよー。
またこの街ではモデルと思われるすごいスタイル抜群の若い男女も見ら
れますが、中年の男女のほうが断然カッコよいのです。
日本もそうなるといいなー。

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そんなミラノの見事な装いの熟年層をガラス越しに眺め
ながら食事ができるのもこのお店の醍醐味。

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24ヶ月熟成の高級生ハムクラテッロから。
このカフェにはランチようのサラダやトマトソースのパスタなど
わりとシンプルなメニューがあるのがうれしい。

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チキンサラダ。ハムのように薄くカッとされた鶏の胸肉にアンチョビとフレッシ

ュなチーズがのっています。量は多かったのですが、とてもさっぱりとして

ぺロリといただけました。

通り行く人を見ているだけで楽しいこのお店。
緑の多いインテリアもステキでミラノではお気に入りの一軒。

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CAFE' TRUSSARDI

Piazza della Scala 5  Milano
Tel 02 8068 8295

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2015/04/28

ある日曜日の午後

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あまりガラのよろしくない地域を歩いていたときのこと。
ふと通りがかったBARにて、幸せオーラに包まれていた人を発見。
愛犬と本とコーヒーで過ごす日曜日。なんのことはない光景ですが
なんだかとっても満たされた空気が流れているのでした。
それにしてもこの二人、似ているなあ。




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2015/04/26

ローマ『PIPERO AL REX ピーぺロ・アル・レックス』

ミラノ在住の日本人シェフと、ミシュラン1ツ星の『ピーぺロ・アル・レックス』へ。
ローマテルミニ駅から近い4ツ星ホテルレックスの中にあるレストランです。
ローマでは珍しく7テーブルしかないという、ほんとにこじんまりとしたお店です。

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アペリティフは『FUTURA14』というイタリアの有名TV司会者ブルーノ・べスパ氏
が経営するプーリア州のワイナリーの発泡酒「NOITRE」。
プーリアの在来品種ネグロアマーロ100%、30ヶ月ボトルでねかせたもの。
巨大なワイングラスの形をしているカラフがステキ。

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店内の照明がかなり暗いので写真がイマイチきれいに撮れなかったこと
を前置きします。
アミューズはパタネグラのラードとモストコットで始まり。

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豚のチップス、ヨーグルトとオリーブオイルのマヨネーズ。

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フェラテッレにのせた鶏のレバーとラッツィオ州のモスカートのゼリー
フェラテッレというのはアブルッツォ州の郷土菓子で、ワッフルに似ています。

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レモンのフォカッチャ、ミルクとハチミツ入り、ひまわりの種とゴマいり全粒粉
のパンなど。ちょっとパンケーキのようなふかふかの食感。

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春のサラダ
一番下がイカ、その上にグリンピースや香草など春の野菜が添えてあります。

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これはメニューが記憶にないのですが、お菓子のような前菜。
鰹節の味がしました。

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こちらはサバを使った一品。
おもしろかったのは、ほとんどのイタリア人は魚の皮を食べないのですが
皮だけをかりっと焼いて身の上に乗せてあり、皮を主役にした魚料理

は始めて。イタリアでは魚の皮は無視されていることが多いのです。
(皮がおいしいのに!)

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卵の燻製とジャガイモ
白い円盤が半熟状態の卵。
その下はクリームスープのようななめらかな食感。

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ウサギの内臓料理

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ここでやっとパスタ料理。ラヴィオリ。

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仔羊の一品。
お急須から注がれたのはソースでした。

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プレデザートはかわいらしい一口サイズのティラミス。

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ソーテルンとともに。

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シェフは30歳を超えたばかりのルチャーノ・モロシーノ氏。
和食に興味があり、写真には撮れなかったのですが米のチップスに味噌
のソースをのせたものあり、鰹節のような燻製の味わいあり、と和のアクセント
がところどころに織り交ぜられていました。
こういった和の食材に興味を持つ星付レストランのイタリア人シェフは今
とても多いのです。
こういった彼らなりの表現を味わうのはおもしろいですが、伝統和食の基本
を習得しているイタリア人シェフは少ないのが現状。フランスではもうすでに
何年も前から行なわれている伝統和食の伝道を今後イタリアで行なえれば
将来もっとおもしろいイタリアンイノヴェーションが誕生するのかもしれ
ません。

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PIPERO AL REX 
Via Trino 149 Roma
Tel 06.4824828

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2015/04/19

ネコビストロ『ROMEOW CAT BISTROT ロメオウ・ キャット・ビストロ』

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昨年末ローマにオープンしたネコビストロ第一号店『ロメオウ』。
オーナーのヴァレンティーナさんは日本のネコカフェからアイデアを得て
このお店をオープンしたそう。でもこのお店を訪れてみると日本のネコ
カフェとは全くコンセプトであることがわかります。

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まずはこのお店はれっきとしたレストランであるということ。旬の野菜や
果実をふんだんにつかったヴィーガン料理を提供しています。
さらにはヴィーガンスイーツの本を出版したパティシェのロミーナさんが
毎日作るアーモンドミルクやココナッツミルクを使ったスイーツや季節の
果実を使ったスムージー、グルテンフリーの焼き菓子もあり、充実した
メニューが展開されています。
自然派ワインやクラフトビールもあり、このナチュラル志向のビストロの中に
6匹の行儀正しいニャンコズが暮らしているのです。

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このニャンコたちは元野良猫。
それがヴァレンティーナさんに拾われて、この2回建てのお店の中で
のびのびと自由気ままにくらしています。
決してテーブルに上ってくるわけでもなく、客にちょっかい出すわけでも
なく、逆に人間がネコの邪魔をしているような構図。

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昨年末にオープンしたこのお店、予想以上の大変な人気店になって
いるのです。土曜日のランチに訪れたのですが外には行列が。
自分も誰にも負けない自称ネコオタクと認識していたのですが、なんのその
もっとヤバイネコマニアたちが集結していたんですよ!おじさんとか若い男の人
カップルで必死にニャンコズの写真を店内で追いかけながら撮ったりしている
人たちがわんさか!
なんだなんだここはネコの撮影会か!?と叫びたくなるような光景。
オーナー曰く、ネコの美術館化しているとのことでした。

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それにしても。
飼っていたネコ、生まれたネコを捨てる人はいっぱいいるのにネコビストロ
にはネコを美術品のようにあがめる人たちが。「これって変な社会現象だと
思いません?」とヴァレンティーナさん。ここぞとナイスショットをキャッチしよう
としてお客同士でぶつかったりしている人も。ハハハ。

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といっても実は私もその一人なんですけど。何か?

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それにしてもネコはなぜか箱が好きですねえ。
世界共通ですね。
箱を置いておくと必ず入っていきますね。

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あのですね、そんなにつめつめに入らなくても。

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ランチは全粒粉のスパゲティ、ブロッコレッティとニンジン、黒オリーブ添え。
8ユーロなり。
かなりパン粉がかかっていてこれを混ぜながら頂きます。

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パスタが香ばしく、またアルデンテ具合も完璧でぺロリと平らげました。

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目の中に入れても痛くない愛くるしいネコたちを眺めながら、おいしい
パスタにきりりと冷えたスプマンテ。しみじみシアワセ。
時がたつのも忘れるこの空間。もう他に何もいりません。
マイブーム全開の店。

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ROMEOW CAT BISTROT
Via Francesco Negri 15 Roma
Tel 06 57289203

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2015/04/11

カクテル&DJ SET 『STADLIN スタドリン』

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数ヶ月前にオスティエンセ地区にオープンしたグルーヴィなバー『スタドリン』へ。

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このバーは『ULTRA SUONI RECORDS VINILI SHIOP』というレコード盤
専門店に隣接しています。
ローマにも未だ根強いこのアナログレコードファンが存在しているんです。

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ファンには垂涎もののLP盤があるらしい。が、よくわからないので
さっさと通り抜け目的の酒場へGO!

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ワーステキ!!!レコードよりもお酒のボトルのほうがい・い・ね!
コンクリートとレンガでできた壁には前衛的なアートが飾られ、ほどよく
アンティークの家具もミックスしたクールなインテリア。
ローマじゃなくって、ベルリンにいるような!

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お店の男の子も女の子も黒ずくめファッションでクールな感じ。

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『スタドリン』ではカクテルやクラフトビール、ウイスキーなど幅広い
ドリンクメニューがありますが、バーテンダーにスペシャルカクテルを注文。

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アペリティフにはベジタリアンメニューを中心とした軽食がふるまわれます。
ブラックライスのサラダやオムレツ、ジャガイモのオーブン焼き、紫キャベツ
のマリネなどがありました。

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アペリティフタイムを過ぎるとだんだんライティングがダウンしDJ
が登場。雰囲気、客層共に久しぶりに新しい空気を感じたハイセンスな店。
すっかり北欧にいるみたいな気分になって、いつもと違うローマ
ナイトを満喫。

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STADLIN スタドリン

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2015/04/08

古代ローマ洞窟跡のトラットリア『FLAVIO AL VELAVEVODETTO フラヴィオ・アル・ヴェラヴェヴォデット』

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ローマの下町テスタッチョ地区は観光地ではないけれど、地元の人の生活
を物語る遺跡がたくさんあります。
その1つが「MONTE DEI COCCHI モンテ・ディ・コッチ」テラコッタの山。
ローマを流れるテベレ川がありますが、ここテスタッチョ地区が輸入港として
荷降ろしがされていました。
当時、スペインやアフリカからローマ帝国に塩や小麦、オリーブオイルなど
がアンフォラと呼ばれるレンガ材の壺に入れられここに運ばれていたのです。
テスタッチョに運ばれたあと、この容器は割られ山積みにされていました。
その破壊された2千5百万のアンフォラのがれきの山が「モンテ・ディ・コッチ」
というわけ。よく見ると、破片になったがれきの中に壺の口が見えます。

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昔はこのがれきの山を掘って、馬小屋や食物倉庫として使っていたのですが
今は飲食店やディスコになっています。
その1つがトラットリア『フラヴィオ・ヴェラヴェヴォデット』。
この週末の復活祭のランチに行ってきました。

このトラットリアでは、ローマ郷土料理が昔ながらのスタイルのまま提供されています。
最近では”ライトなローマ料理”を出すところも増えていますが、ここはなんのアレ
ンジもない、コテコテの伝統料理が味わえます。
胃の調子がよければ、ですけど。(これ大事!)

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トラットリアにしてはなかなかよいワインのランナップ。

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復活祭はキリスト教の三大祭りの一つとも言える、大イベント。
イエスキリストが復活した日なので、再生を象徴した【たまご】を食べる
習慣があります。アンティパストは注文しなくとも、ゆで卵が入った
”コロンバ”といわれるパンケーキとサラミで。

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このお店の名物の1つ、ローマの手打ちパスタ”トンナレッリ”。牛を煮込んだ
トマトソースで絡めてあり、上にはペコリーのチーズ。この麺がすごいコシ!
このコシのよさにどんどん食べてしまうのですが、なんせこの量!
このこってりとしたおいしさ。ローマ料理が労働者の料理といわれる

のがわかります。

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こちらはアーティチョークとグアンチャーレのフェットチーネ。
ペコリーのチーズがオリーブオイルに溶け込み、麺に絡んでねっとり
クリーミー。これも満足感大。

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そしてこちらも復活祭に食べる料理で子羊のローストです。
想像していたよりもクセがなく、肉はホロホロに柔らかく最高!
やっぱりこういう焼き方が一番おいしいですね。
骨の付近のお肉もきれいにこそげていただきました。

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そして絶対にはずせない名物がこれ、肉のポルペッテ。
以前にこのお店を取り上げたときにも紹介しましたが、これは今めったに
お目にかかれないローマの家庭料理なのです。
すごく手が込んでいるのでトラットリアでもメニューに載せているところは
ほとんどない貴重な料理。
感心するのは、この具のしっとり度。茹でた肉にパン粉やチーズ、野菜を
加えて団子にしているのですが、決してパサパサになることなくやわらかく
ねっとりしっとりとした食感を残しています。
なんか白ごはんともいけそうな、おかずなのです。

どのテーブルも10人以上の家族や親戚と思われるグループでワイワイと
おしゃべりしながら、大盛りのパスタや子羊のローストをみんなモリモリと
豪快にかぶりついていました。
典型的なイタリアの復活祭のランチを終え、苦しいおなかを撫でながら帰宅。
しばらくはお味噌汁とおかゆかな。

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FLAVIO AL VELAVEVODETTO

Via di Monte Testaccio 87
Tel 065744194

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2015/03/29

ローマ『METAMORFOSI RESTAURANT メタモルフォシ レストラン』

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みなさんミシュランガイド東京における星の数をご存知でしょうか。
2015年版は3ツ星が12軒、2ツ星は53軒

みなさんミシュランガイドのローマにおける星の数をご存知でしょうか。
なんと3ツ星がたった1軒、2ツ星は2軒です。

イタリア全国総合しても、3ツ星は8軒、2ツ星は39軒のみ。

東京1都市だけでイタリア全国の数を上回っているのです。

東京は世界有数の美食都市というのは認めるのですが、この数字の差
どう見ても同じ土俵で戦っていると思えないのは私だけでしょうか?!
という話をすると、イタリア人のグルマンたちは「そりゃイタリアに対する
フランス人のひがみだよー」みたいなことを必ず言うのですが、それに
しても納得いかないこのレストランガイド。

ミシュランといえば、ローマの1ツ星レストラン17軒の中で一番評判が高いのが
「メタモルフォシ」。オーナーシェフのロイ・カーチェレスはコロンビア出身。
16歳のときにバスケットの選手になりたくてイタリアに渡ったというちょっと
変わった経歴の持ち主。ローマの1ツ星「イル・ぺリカーノ」、ボローニャの
「ロカンダ・ソラローラ」、ローマ1ツ星「ピーぺロ」を経て共同経営者たちと

オープンしたのがこのレストラン。
住宅街にひっそりと佇むこじんまりとしたお店で、2012年に1ツ星を獲得しました。

数週間前に訪れたのですが、これが最高によかった=!!!
サプライズいっぱいのメニューに、パッションのこもったサービスをしてくれる
若いメートルたち。ローマのグルマンたちがこぞって褒めていたのは噂だけじゃ
なかった!

3つあるコースメニューのうち、シェフお任せコース110ユーロをセレクトしました。

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まずは冷製スープから。魚介のやさしい風味にセロリ、香草
イカ墨パウダーなどが。この1皿目から味わいのバランスの絶妙さ
繊細さにうっとり。

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ほんわり暖かく香ばしい匂い漂う自家製パンに、話題の”ブッローリオ”。
オリーブオイルのバターです。なんじゃそりゃ?!と思ったら、オリーブ
オイルをクリーム状にしているのですが、カカオバターも入っています。
テンション高まる始まりです。

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帆立のセヴィチェ メロンとグリーントマト添え。
セヴィチェとはラテンアメリカ料理で魚介のマリネですが、それを
ロイ流にアレンジしたもの。コリアンダーやいろいろな香草とレモンが

よいアクセント。量もちょうどいいですね。
イタリア料理の粋から外れてきました。

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自家製パン。お腹がふれるから始めから食べすぎてはダメダメ
と言い聞かせながらも、ついつい手がでてしまうおいしさ。

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これはこの店の名物の1つ、モッツァレッラ&ほうれん草。
一瞬「抹茶がかかっている?!」と思ったのですが、この鮮やかな
グリーンはほうれん草。モッツァレラを割ると中にはパンとトマトが。
ロイ流ブルスケッタというわけですね。
なんという発想でしょうか!

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まだ前菜が続きます。
何これ?!
メニュー名は、”麦の葉 マグロとハーブ”。
メートルが「手で食べてください」とのこと。

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葉を裏返すとこのようになっています。
葉っぱごと中身をくるりと巻いたまま、手巻き寿司を食べるようにかぶりつきます。
ちょっとこれには度肝を抜かれました。
この酸味とハーブのハーモニー、マグロの絶妙な食感と、なんという
新しい味わい!!!中にはソースがかかっていましたが何が
はいっていたのかわからなかったもののラテンアメリカの味を思い起こさせました。

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このお料理にはワインでなく、カクテルをあわせます。
柑橘のカクテルで、この一皿に合わせバーテンダーが用意してくれました。
なんという粋なアイデアでしょうか。
前菜にカクテルを合わせるのはイタリアでもここだけではないでしょうか。

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これです!ロイ流カルボナーラ。
手前が卵とチーズのクリーム、後ろに見えるのがカリカリにドライ処理
されたパスタが1個とグアンチャーレの油の部分。

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このカリカリのパスタとグアンチャーレをこのお皿の中でつぶしながら
卵といっしょに食べるのです。
こってりしていますが、ぜんぜん重さは感じません。
グアンチャーレをガリガリにドライしていること、卵が凝固されていない

こと、これらのことが胃に負担をかけないようになっているんですね。

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食器はローマのボッテーガPOTSのもの。
このレストランのメニューにあわせて焼かれた陶器たちです。

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これもこのレストランを代表するメニュー。
RISO-ROSSO-CREMOSO。
一面に生ハムを並べたように見えるのですが、この赤いのは
ピエモンテのファッソーナ牛、その下にはBLU DEL MONVISOという
これもピエモンテ産のクリーミーなチーズで仕上げられたリゾットが。
スプーンで切れるくらいお肉はやわらかく、クリーミーなリゾットと一緒に
いただきます。

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フランチャコルタ『MONTE ROSSA』、マルケ『MONACESCA 
VERDICCHIO』に続いて、3本目はフリウリは自然派ワインBRESSANの
『VERDUZZO2010』。5年越しの長熟型のこの白ワイン、赤に勝る見事
な広がり。

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オマールのグリル。このマヨネーズのようなソースもオマールのうまみ
を殺すことなくうまく引き立てていました。

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イベリコ豚のロースト、プルーンとチポトレ(メキシコのトウガラシを原料と
するスパイス)、ジャガイモとトーストした海草。
このお肉が絶品でした。その周りの甘酸っぱい脇役たちがまたいい
コンビネーションを繰り広げていました。

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イノヴェーションといわれるカテゴリーの料理はこのところイタリアでも
増えつつありますが、ラテンアメリカの香り漂うモダンイタリアンは
ここだけでしょう。
イノヴェーションでもあいまいな料理が多い中、しっかりとしたテーマ
とストーリーがあり、完成度の高いものばかりでした。
また全てのメニューに1つも味のブレがなかったこと、塩加減もよくコント
ロールされていました。またサービスも次の料理を出すタイミングなども
間違いがなく説明もしっかりしてくれて、全体を通して見事なディナーでした。

お店の名前”メタモルフォシ”とは、イタリア語で”変身”とか”変形”という
意味。まさにローマ郷土料理やイタリアのいつも見る食材がロイシェフの
感性によって見事に変貌していました。

新しいスタイル、新しい味、新しい組み合わせ。新鮮な刺激を与えてくれた

ロイシェフのお料理が心に響き渡った宵でした。

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METAMORFOSI RESTAURANT

Via Giovanni Antonelli 30/32 Roma
Tel 06 8076839

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2015/03/16

ミラノの新興地区『PORTA NUOVA ポルタ・ヌオーヴァ』

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ミラノ世界EXPO2015開催まであと47日。

「万博までに会場が完成するかどうか?!」ということがいろいろな
ところでささやかれています。開催に間に合わなくとも、未完成部分は
万博中に同時進行で引き続き工事が行われるというような、この国では
よくあるパターンかな、と想像していたのですが、実際にミラノを訪れると
ワー本当にあちこち工事だらけ。中心地から離れたところにあるEXPO
会場はもちろんのこと、中央駅から市内中心地まで右を見ても左を見
てもクレーンだらけ。この街を訪れるたびにその様相がすごいスピード
で変わっていくのには驚かされます。こんなことってイタリアのほかの街
では起こりようのないこと。

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1ヶ月前にミラノを訪れたときのこと。
ミラノ中央駅から5分のところにあるレプブリカ広場の裏に建設中の
新興地区『PORTA NUOVA』に立ち寄ってみました。
新興地区建設プロジェクトがこうして市民にもわかりやすく掲示されています。

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この『PORTA NUOVA』の中には、住宅レジデンス、オフィスビル、飲食店
スーパーマーケット、公園があります。まだレジデンスもオフィスビルの入居
もありませんが、緑がいっぱいで、ミラノというよりなんか北欧の町を旅
しているいような錯覚に陥ります。

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ここどこ?!イタリアにいると思えない高層オフィスビル。3Dレンダリングの

中を歩いているよう。

「おーいイタリアよ!本当にここはイタリアか?」

20年のイタリア生活でこんな風景初めて見ました。やっぱりEXPO開催する
ってすごいことなんだなーと実感。

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レプブリカ広場からどんどん歩き進んでいくと、面白い建物を建設
していました。木とガラスの不思議な建物。これは何になるのでしょうか。

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近くで見るとすごい迫力です。
そしてさらに歩き進むと、こんな人口池と噴水のある広場に出ました。

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池の周りにはカフェやレストラン、グロムのジェラテリアそして、無印良品も。

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そしてこの広場の地下はスーパーマーケット『エッセルンガ』と駐車場に
なっています。このエッセルンガの品揃えがまたすごい。

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ミラノ世界万博2015のテーマは【食】ですが、建築の分野から見てもかなり
面白いことになってます。
ミラノといえばファッションの街というイメージでしたが、そこからさらに発展し
たモダンデザインの街ミラノがありました。
万博に纏わる政治家の賄賂やEXPO後の会場の使い道問題などの、ドロドロ劇
を横目に見ながらも、訪れるたびにどんどん様相を変えるこの街の”勢い”みた
いなものにすっかり心奪われました。
まだまだ変貌中のミラノ、この先どんな街ができあがるのか楽しみです。

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EXPO MILANO 2015

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