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2011年2月

2011/02/11

『VINI NATURALI ROMA 2011』

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毎年2月、恒例の自然派ワインの試飲会『VINI NATURALI』が今年も
ローマはバチカンの近く、「HOTEL COLUMBUS」で2日間にわたって
行われました。
何十社と集まったワイナリーの中、選りすぐった造り手をざっと紹介。

TENUTE DETTORI - SARDEGNA
モニカ、カンノナウ、ヴェルメンティーノ品種など、サルデニアの
在来品種だけを使った単一品種ワインがずらり。
オーナーのアレッサンドロ。ローマのワイン界でも人気が高く、たくさんの
人が彼の周りを取り囲んでいました。
カンノナウ100%の「DETTORI」とモスカートの「MOSCADEDDU」が
素晴らしい。サルデニアの大地の表現をこれほどまでに誠実にできる
ワイナリー。その実力を見せつけられました。
ちなみにこのメーカーのHPに日本語ぺージがあるのですがすごく
よくできている思います。イタリア語の詩的なワインの紹介を、意味を
くみとって訳すのはものすごく大変です。これだったら載せないほうが
よかったのに、と思わされる訳が多々ある中、これはきれい。

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PODERE LE BONCIE - TOSCANA

ワインの可憐な味わいがそのままラベルに描かれている大好きなワイナリー。
色鉛筆で描かれたラベルの絵を見ていると「子供のじゃないよ、おばあちゃん
が描いた絵だよ」と聞いてもいないのに説明してくれました。
よく飲むキャンティ・クラシコですが、いつも最後の1滴までおいしい。

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GARLIDER - ALTO ADIDE

初めて出会ったアルト・アディジェのワイナリーの単一品種ワインたち。
白がほとんどでしたが、どれも北らしいアロマの広がりが見事。
中でも「VELTLIVER」というオーストリアのブドウ品種の白が印象的。
その特徴はレモンや柑橘のアロマと胡椒を思い起こさせる味わい。
写真右の細長いのは「PINO NERO」の1,5ℓボトル。遠くにいる人の
グラスにもシュッと注げそうです。

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SAN FEREOLO - PIEMONTE

ドルチェットのワイナリー。
「DOGLIANI DOCG 2006」よりも「DOLCETTO DOC 2007」の方が
好みですがどちらにせよ、ドルチェットがこれほどまでにおいしいワイン
だったことを再認識させてくれる造り手。

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GIOVANNO MONTISCI - SARDEGNA

毎年行われるサルデニアの自家製ワインコンクール『ENOROSEI』で
何年か前に優勝した造り手。このコンテストで注目され、商業用に販売
されるようになったのがこれ。
どんなワインとも比較できない、なんとも密度の濃い味わい。
料理にあわせるというよりも、酒としてのワインという感じ。

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EMIDIO PEPE - ABRUZZO

自然派ワイナリーの代表格、このワイナリーなしにイタリアの自然派
ワインは語れません。
2008-2006-2004年の「TREBBIANO D' ABRUZZO」、そして2007-2003
2001-2000-1995-1980年の「MONTE PULCIANO D'ABRUZZO」を縦飲み。
ぺぺはいつも試飲会やセミナーにこのようにオールドヴィンテージを
出してきますが、イヴェントに毎度出しているのを見るとよほどストックが
すごいのだろうなーと思わせられます。
赤の2001-2000の2ヴィンテージが極上。銘酒の中の銘酒。1980はなぜか
梅酒、しょうゆを思わせる和の味が。

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GIUSEPPE RINALDI - PIEMONTE

古典派バローロのカリスマワイナリーといえばここ。
「BAROLO 2006」、「LANGHE FREISA 2009」 「DOLCETTO D'
ALBA 2009」の3本をティスティング。ドルチェットも去ることながら
フレイザが特にブドウのうまみを凄まじく発揮していました。ちなみに
フレイザという品種は結構マイナーなブドウですが、ネッビオーロの
親戚と呼ばれています。
そして、バローロ。間違いなくイタリアワインの最高峰。いやワインと
いうよりも、芸術の域に突入しておりました。

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醸造も、そしてこのラベルデザインも昔のまま残っているのです。
ボトルを見ているだけでシアワセ。

写真には取れませんでしたが、TRENTINOのワイナリー「LA BIANCARA」
もすばらしかったです。3月は日本で試飲会があるそうでオーナーのマウレさん

がうれしそうに話してくれました。和食も大好きとのこと。

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会場で見た人のおまけ写真。
よく見てください。CHATEAU D'YQUEMの刺青が!
イタリアでは刺青をしている人が多く、フィアンセの名前やサッカー
のチーム名を入れている人をかなり見ましたが、ワイナリーの名前
を彫っている人は始めて。でも、なんだかなぁ。

ワインも去ることながら、ワイナリーオーナーのいかにも自然派的な
ルックスも面白かった試飲会。
そういえばこのところ”自然派ワイン”という呼び方、カテゴリーがワイン
業界で賛否両論。今は”自然派ワイン”というくくりでこれらのワインが
ひとまとまりになっていますが、職人的なワイン造りをカテゴリー化
することも不自然で、個人的にはこの先もっともっと新化して多様化
するような気がしています。いずれにせよこの試飲会で出会ったような

いくつかの偉大なワインはこの先もずっとカテゴリーや時世の枠を超えて

生き残っていくと信じています。

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2011/02/09

『SETTEMBRINI CAFE' セッテンブリーニ・カフェ』シチリアワインと料理の夕べ 

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『SET' SPAZIO LIBRELIA』からちょうど向かいに道を渡った『SETTEMBRINI
CAFE'』に場所を移し、今度はサルヴォ氏のシチリアワインとレストランの
シェフ、ルイジ・ナストリ氏のコラボレーションディナー。
サルヴォ氏のワインは7種類。これにどんな料理が出てくるのでしょうか。
このディナーは50ユーロとこの手のイヴェントとしては良心的な値段とあって
か超満席。予定より30分遅れでディナーが始まりました。

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前菜 : 赤海老とパンネッレ
ワイン: ANTE BIANCO 2009
AZIENDA I CUSTODI DELLE VIGNE DELL'ETONA

ひよこ豆をクリーム状にしたものの上に生の赤海老とパレルモの
郷土料理『パンネッラ』=ひよこ豆をペースト状につぶして薄く伸ばし
フライにしたもの。このパンネッラというのは薄い名刺ほどの大きさ
なのですが、この料理ではコロコロした四角形。生の海老とひよこ豆
が意外に面白いハーモニー。
ワインはカリカンテ種100%。酸味強め。後味が驚くほど長い。

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前菜: 野菜と豆類、うさぎのロースの乾いたミネストローネ
ワイン:BIANCO POMICE 2009
TENUTA DI CASTELLARO - LIPARI

料理が1つの絵のように見える1品。春の雰囲気。苦い野菜に甘い豆。
何十奏もの味わいがウサギのロースに絡んでいます。
ワインはマルヴァシア種。エオリア諸島の真っ青な海岸の上に広がる畑
で成熟したブドウ。こちらもミネラル、酸味強し。

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プリモ: パルミジャーノのリゾット
ワイン: VINUDILICE ROSATO 2009
AZ.I VIGNERI DI SALVO FOTI

このリゾット大好き!あまーいセミドライトマトとモッツアレラチーズが
塊でのっていて、リゾットと混ぜながら食べるのですが、おかわりしたく
なる絶品。
標高1300メートルの畑からできたロゼ。
サルヴォ氏のワインはどれも透明感があるのですが、これは濁って
います。香り味わいもちょっと曇りがち。同席した人が同ワインの2008
と味が違うと驚いて、サルヴォ氏に質問したところ、2009はブドウの
糖分が前年に比べ少なかったとのこと。

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セコンド:タラのカーチョ&ぺぺ、アーティチョーク添え
ワイン:I VIGNERI ETNA ROSSO 2009
AZ. I VIGNERI DI SALVO FOTI

ほぼ生のタラがジャガイモのベットに横たわっています。アーティ
チョークにもしっかりした食感、味の主張あり、この3食材の組合わ
は新鮮!
結局のところサルヴォ氏のワインの中でこのI VIGNERIのエトナ・ロ
ッソが個人的には一番好き。2009年はまだ発売まで数ヶ月あると
のことで少し角ばった味わいでしたが、エレガントさあり充分満足度
のある1本。生産量は1000本にも満たないそう。
2006のあのおいしさを思うとこれも今後が楽しみです。

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ワイン: IL CANTANTE ETNA ROSSO 2005
AZ. IL CANTANTE

”CANTANTE”とはイタリア語で”歌手”という意味。
このワイナリーのオーナーは、「SIMPLY RED」のイギリス人ボーカル
ミック・ハックネル。どういう経由でエトナ山のふもとでワイナリーを経営
することになったのか知りませんが、面白いですね。
このヴィンテージからラベルが新しくなりました。
この地方特有のブドウ品種、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。
100年以上も寿命のある木から収穫されています。
I VIGNERIのエトナロッソよりも濃い肉厚感あり。なめらかなタンニン。

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ワイン: NEROSICHILLI NERO 2009
AZ. VITTORIO SAVINO - VENDICARI -NOTO

ネーロ・ダ・アーボラ種にアリカンテ、フラッパート種とエトナ・ロッソ
とは違う地域のブドウから作られたワイン。エトナ・ロッソのあとの
ネーロ・ダ・アーボラはより甘く感じます。炭火で焼いた肉の塊な
んかが食べたくなる存在感のある赤。

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ワイン:SUBER NERO 2008
AZ. DAINO - CALTAGIRONE

ネーロ・ダ・アーボラ種のワイン。バリックで熟成。アルコール度数
14,5%。これはすごい迫力のワイン。
金魚鉢のような大きなグラスで香り味わい、長々と楽しみました。

このあとのデザートはババ。フルーツとクリーム添え。

たまたま同席した5人は銀行員、会計士、競馬場運営など、全く
食業界に関係のないおじさんたち。この人たち全員、すごいワイン通。
そんじょそこらのソムリエ、いやエノロゴでもできないような専門的な
会話が飛び交っていました。中でも隣に座った警視庁に務めるおじさん
は全部のワインのそれぞれの過去のヴィンテージとの味わいの違いまで
説明してくれ、ちょっと唖然。彼は自分の勤める警視庁内の食堂がまずい
と不満をもらしておりました。警視庁に勤務するグルメ。
こんな面白いイタリア人と出会うのも『SETTEMBRINI』だからこそ。

ディナーではサルヴォ氏も同テーブルに来てくれ盛り上がり。
彼の夢は息子が強要せずとも自分の仕事を継いでくれることだそうです。

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SALVO FOTI  Vigna & Vino Adviser
サルヴォ・フォーティ

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SETTEMBRINI CAFE'
セッテンブリーニ・カフェ

Via L.Settembrini 25 - 00195 Roma
Tel 06 -97610325

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2011/02/06

『I VIGNERI - SALVO FOTI イ・ヴィニェーリ サルヴォ・フォーティ』 シチリアワイン試飲会

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自然派シチリアワインの師匠、サルヴォ・フォーティ(写真左)。
1962年カターニャ生まれ。エノロゴとして「BENANTIベナンティ」

や「GULFIグルフィ」などエトナ山近郊のワイナリーで活躍、数々

の銘酒を作り出した人。
大量生産型で地元でしか消費されなかったこの地方のワイン。つい最近
までは無名だったエトナロッソが、高品質ワインとして認識されるようにな
ったのはまさに彼の精力的な仕事の証。
そのサルヴォ氏が自ら経営するワイナリー「I VIGNERI イ・ヴィニェーリ」の
試飲会が週末、ローマのレストラン『SETTEMBRINI セッテンブリーニ』が
1ヶ月前にオープンした、本とワインの店『SET' SPAZIO LIBRERIA』にて
行われました。進行役はセッテンブリーニのソムリエ、ルカ・ボッコリ氏
(写真右)。

イタリアで名の知れるエノロゴと言えばヘリコプターでワイナリーからワイ
ナリーへ移動するようなワイン業界のセレブですが、サルヴォ氏は修行
僧のようなストイックさのある人。試飲会ではワイン作りの話よりも、自分の
畑で働く、20人の職人の話をずっとしていました。
「家具作りの職人でも、その仕事に心底惚れている職人の机は素晴らしい。
それと同じで、ワインの味わいにもワイン造りの職人が本当にその仕事に
情熱をもっているかどうかが出てしまう。科学的に証明はできないけれど
そういうことがワイン作りで一番大切だと思います。」というサルヴォ氏の
ワイナリーでは、定年退職をした人々も現役で畑仕事を続けているそう。
「何千年もこうして人間が行ってきたワイン作りを続けていく上で、時代の流
れで法律が変わったからといって、定年という形で素晴らしい腕を持った職人
を切り捨てることはできないのです。」
サルヴォ氏が一番頭をかかえる問題は、他ワイナリーとの競合ではなく、政府
やEUの規制が昔ながらのワイン作りにどんどん制限をかけていること。そんな
どこまでも伝統的で自然のままのワイン作りがスライドで紹介されました。

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エトナ山の東側にあるこのワイナリーは標高1300メートルに位置し
ヨーロッパでも一番高いブドウ園と言われています。1435年からあった
ブドウ園。ここには古いものだと250年の寿命の木があります。
若い木と古い木が1つの家族、共同体となっているというこの畑。
それぞれが違う味わいのブドウを作り出し、それを混醸することによって
複雑味が出、よりおいしい果汁ができるとのこと。幹の太さを見て納得。
この畑の素晴らしさ一目瞭然。

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1本1本職人が剪定をしているところ。大昔から使われているはさみ
を大切に使っているそう。

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1本1本の木は”グイヨー”ではなく”アルベレッロ”仕立。

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畑を耕す「ジーノ」。ロバです。

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収穫の写真。昔ながらの籐のカゴを使っています。

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エトナ火山の溶岩石の上でブドウを足踏みで潰します。

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これは一度体験してみたい。

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搾ったあとのブドウを圧縮します。こういう道具は大抵ワイン博物館の

ようなところに保管されていますが、ここでは実際に使用しているのです。

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文字通り人の手で作るワイン。肉体労働です。

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ここまでブドウの匂いがしてきそう!

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ほとんどのワイナリーが醸造にはステンレスタンクを使います。
その温度調整がいかに最新機器でコントロールされているか、またタンクを
いかに清潔に洗浄をするかという話をどこのワイナリーでもよくしてくれます
が、ここは世界がちょっと違います。
これはサルヴォ氏による500ℓ入りの木樽での発酵作業。
昔の日本酒作りもこんな感じだったのでしょうか。

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こんな昔ながらの造りからできあがった「I VIGNERI 」の『ETNA ROSSO
エトナロッソDOC』。ヴィンテージは2006年。ネレッロ・マスカレーゼと
ネレッロ・カップチーノという在来品種のブドウを使用。このブドウは同じ
シチリアでも西側の方にはない、まさにこのエトナ山のふもと独特のブドウ
なのです。イーストなし、フィルターなし、月の満ち欠
けのリズムでボトリングしたもの。
こんな説明を聞かされると泥臭い味わいを想像してしまいますが、いわゆる
自然派ワイン的なにごりや独特の匂いはなく、きれいに透き通ったワイン。
グラスに注ぐとフワッとブドウの甘酸っぱい匂いが。溶岩質の畑から来るのか
ミネラル感あり、厚みはあるものの執拗な重さのない明るい味わい。
その香りと味わいの変化の早さ。ブドウのイキイキ感がぐんぐん伝わって
きます。初対面でも性格がとことん明るい人はすぐ周りに伝わるように
このワインにもそんな”明るさ”を感じました。その明るさのせいなのか、口当
たりがよく飲みやすくて試飲した人たちは口々にそのことを感嘆していました。
文字通りの手造りワイン、あれほどの手がかかっているというのに試飲会
に出されたワインはそのおいしさに一瞬にして飲み干されておりました。。。

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試飲会の終わりにサルヴォ・フォーティ氏の本2冊を購入。

この後レストラン『セッテンブリーニ』でサルヴォ氏のワインにあわせたシェフ
ルイジ・ナストリ氏によるシチリア料理のディナーが行われ、こちらにも参加。
続きはお楽しみに!

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I VIGNERI DI SALVO FOTI

イ・ヴィニェーリ・ディ・サルヴォ・フォーティ

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SET' SPAZIO LIBRERIA
Via Ciro Menotti, 38/42 ROMA
Tel. 06.97277242

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2011/02/04

『The Web DaCapo』トスカーナ アクアパンナの水源を訪ねて

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マガジンハウスの『ウェブダカーポ』のグルメコーナーに、先日取材訪問した
トスカーナの天然水「ACQUA PANNA アクアパンナ」の記事が掲載されました。


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