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2011/09/04

マンドゥーリア『ATTANASIO アッタナーシオ PRIMITIVO DI MANDURIA - DOLCE NATURALE 2008』

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ギリシャ植民地時代の面影残すマンドゥリアへ。
プーリアの観光ブームが急速に広がるも、このあたりはほとんど
地元人しかいない比較的地味な村。

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住宅街には椅子を玄関前に出して1日中道行く人をみている
おじさんたちや、自分の畑でとれた野菜を広げて売っている人
公園でトランプ遊びにふける子供たち。ちょっと30年ほど昔に
タイムスリップしたような街。

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マンドゥリアの銘酒「PRIMITIVO DI MANDURIA プリミティーヴォ
ディ・マンドゥリア」のワイナリー『ATTANASIO アッタナーシオ』へ。
ワイナリーの入り口に飾られたテラコッタ(粘土の焼き物)のアンフォラ
とよばれるつぼが。
粘土質の土に恵まれたこの地では紀元前から焼き物の技術が発達
していました。この大きなつぼはワインやオイルを保存する容器として
使われていたもの。地中海でもかなり熱帯で夏は温度があがるため
ワインなどを入れたこのつぼごと地下に埋めていたといいます。
今でこそ北イタリアやトスカーナでビオディナミのワイナリーがこのつぼ
を変形した容器でワインの発酵、熟成を行っていますがプーリアのこの地
でははるか紀元前から使われていたのです。

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つぼの下には穴が1つ、その斜め下に突き出した口のようなもの
があります。これなんでしょう?と世界ふしぎ発見!みたいに質問
したくなるのですが、答えは上の穴がワインなどの液体を出す口で
普段はコルクで詮がしてあります。下の突き出たものはつぼを移動
させるときの持ち手となります。

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このように動かします。うーんでも難しそう。つぼだけでも重いのに
この中に液体が入っていたとしたら。。。。
昔の人って力持ちだったんですね。

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このワイナリー『アッタナーシオ』のすごいのはなんといっても畑
にあります。80年の寿命を持つ木がたくさんあります。
その幹はブドウというよりもほとんどオリーブの木のような驚くべき
太さ。この幹が根っこから土壌の栄養素をどんどん吸い上げるのです。
ここのワインのおいしさはこの木が証明しています。

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『アッタナーシオ』ではマンドゥリア独特の品種プリミティーヴォのみ
を栽培し、このブドウから3種類のワインを生産しています。
プリミティーヴォは”最初の”という意味がありますが、その言葉通り
イタリアの赤ブドウの中で最も早く収穫できるブドウです。
ちょうど訪問時は収穫が始まっていました。つまり8月末からもう摘み
出します。この8月末に収穫したブドウから作ったのが「プリミティーヴォ
セッコ」写真左。そしてそれより1ヶ月遅く収穫した同ブドウから作るのが
「プリミティーヴォ・ドルチェ・ナトゥラーレ」。ナトゥラーレは”自然の”という
意味があり、簡単に言えば収穫を遅らすことによりブドウが木の上で少し
干しブドウ状態になってから摘む甘口のワイン。これは収穫時に雨が
降るとブドウの発酵が始まってしまうため、その年には1本も生産できない
1年の仕事が台無しになるというほんとに賭け事みたいなワインなのです。
この品種はブドウの皮がとても薄いという特徴があるので、すぐにブドウが
腐ってしまいます。たとえば実際、2009年は1本も生産されませんでした。
天候に恵まれた年でも年間生産量が1000本たらずという貴重なワイン。
写真右がブドウを摘んでから15日~20日ほど室内で干した「プリミティー
ヴォ・パッシート」。こちらも生産量は1000本。

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6へクタールというこの地方では考えられないほど小さな規模の畑
で栽培したブドウから作られたワインたちがひんやりした
小さな熟成室で静かに寝かされていました。

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10月出荷予定の「ドルチェ・ナトゥラーレ」2008を試飲。アルコール19%。
甘口のワインはちょっと苦手で、という人は多いと思います。
そんな人たちがここのワインを飲むとかなり驚きます。
木の上で干すことにより果実の糖度を凝縮しているので、もちろん
普通のワインより甘いですが、甘さだけが増えているのではなく
それに増して香り、酸味、ミネラル感、全てが膨らみを持ってでき
ているので単純に”甘口”と呼ぶにはあてはまらないワインです。
グラスに注いだとたんミルクのやさしい香りがしたかと思うと今度
はシナモンの茶色い匂い。そしてプルーンのジャムの甘さ。
そんなあらゆる香りがすごい勢いで打ち上げ花火みたいに上って
きます。一口飲んで口の中が一瞬にして赤い果樹園になりました。
プーリアのチーズ、カーチョカヴァッロの熟成したものなどにあわせ
るともうこれほどの相性はないというほど最高の組み合わせ。
あらゆるメーカーのプリミティーヴォを試しましたがここのワインに勝る
ものは未だ出会っていません。

試飲の時にオーナーのルカ氏がワインを捨てる入れ物に使っていたのが
これまたプーリア名産の陶器。普通はステンレス製のものが一般的
ですが、この陶器が素敵だったので聞いてみたら、これはその昔
この地方の郷土料理、ナスのオイル漬けを作るのに使っていたものだそう。
そういえば、ぬか漬けにも使えそうな大きさ。花瓶としてもいい大きさ
なので1つ欲しいなと思っていると「でももうひとつ大事な使い方があった
んだ。」とニヤニヤしているルカ。 
夜中の子供用の尿瓶だったそう!

そんなこの地方のおもしろい習慣の話の間にも、「ドルチェ・ナトゥラーレ」
は驚く早さで、ますます妖艶な姿に変貌しているのでした。

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GIUSEPPE ATTANASIO
ジュゼッペ・アッタナーシオ

Via Per Oria 13 Manduria (TA)
Tel 0999737121

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