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2011/10/16

農業離れでワイナリーが頭を抱えるブドウ収穫作業

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シチリア西部マルサラへワイナリー訪問の旅。ローマからは最近
トラパニ行きの直行便のフライトがあるため以前のようにパレルモ
空港からはるばる車を飛ばさずとも近くなったマルサラ。トラパニの
空港はもともと軍事専用のものだったのが、一般にも開放された
ためかなり便利になりました。ただ唯一の航空会社ライアンエアー
というのが、非人間的なサービス(1日1便で不便な時間、荷物制限が
異常に厳しく機内の席は早い者勝ち)で、これが難ですがローマから
1時間でマルサラに到着できるのは何にも変えがたいものがあります。

マルサラではワイナリーはどこも収穫が終わり、ちょうど今ワインの発酵
がすすめられていました。
日本と同じく農業離れがもうこれ以上ない!というほどに進んでいるイタリア。
シチリアだけでなくワインの国イタリアで、ワインメーカーを今最も苦しめている
のが収穫時の人手不足。中世までは地元の人々が力をあわせ行っていた
ものが、現代のイタリア人は3Kの仕事はなんでもかんでも移民に任せる
ようになったため、全国的に作物の収穫は主にアフリカ人ががんばっていると
いう実態。ところが最近は各地で不法労働が取りしまわれたり移民達の低賃
金労働に対する暴動が起こったりと、なかなか難航しています。
ある南イタリアワイナリーのオーナーが「今もし1人のイタリア人を収穫作業に
8時間雇ったとしたら、80ユーロ(約8500円)かかる。これだったらワインの
値段をいくら上げてもたりないよね。商売にならないよ。」と言っていました。
またブドウの収穫は時期が限られた季節労働になるので、その時だけヒマな
人たちもあまりいないとのこと。ブドウ畑が急斜面になっているところもありこれは
かなりの重労働です。
かといって収穫しなければワインもできないので、各地でいろいろな新方法が
展開されています。
今回訪れたシチリアはすごかったのがヨーロッパ共同体の資金投資による
機械化。シチリアはヨーロッパの経済開発地域の一つに指定されているため
シチリア州を通してあらゆる農業組合や個人農家のレベルまで多額な
援助を受けています。そのため今回もこれはイタリア、いやヨーロッパで最新
ではないか?!というようなすごいテクノロジーを備えたワイナリーがありました。
その一つが収穫の機械でブドウの木をゆるくゆすってブドウの実には一切触れず
傷をつけずに収穫するという方法。マシンもどんどん小型になって、荒い手摘み
よりもマシンによるソフト収穫の方がよいと断言するところも。これなら広大な畑
を持つワイナリーでも本当に少人数のスタッフで作業できるというシステム。
また、中部イタリアや北イタリアで面白かったのがワインツーリズムに来る観光客
に手伝わせるというもの。もちろんしっかり収穫作業の指導をし、作業中も
ワイナリーのスタッフがコントロールしながらブドウ摘みをさせるのです。
アルバイト代はないけれど宿泊代はタダにします、というところもありました。
さらに学生たちを課外授業として招待し、地域ぐるみで手伝わせるというもの。
みんな知恵を絞っていろいろトライしているようですが、今の日本も同じ状況。
イタリアのアイデアを参考にするのもいいかもしれません。

ただやはり収穫はワインのおいしさを左右する貴重な作業。
ワインはただの飲み物でなく、イタリアを代表する文化であり、地方経済の基盤
だからこそ、今後イタリア人がこの問題がどう解決していくのか興味深いものです。




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