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2012/01/22

ほうれん草

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ローマに戻って最初に食べたかったもの。
ほうれん草。

16年前にローマで暮らし始めたころ、イタリアのおいしいもの
=パスタにピザ。という図式が頭の中にありました。
カルボナーラとかマルゲリータがいっぱい食べられるー!と意気
込んでいたのですが、実際に生活をし始めて劇的においしいと気
がついたのが意外にも”野菜”でした。中でもほうれん草のおいし
さといったら想像を超えていて、これに病みつきになりました。
そのころの毎朝の日課は青空市場に行って1キロのほうれん草
を買い、家に帰って2~3時間バケツの水につけること。
いっぱい土がついているので数時間は水につけ、時々水を替える。
そして土が落ちたら水を切って、生のほうれん草にオリーブオイル
と醤油をかけて食べていました。ほうれん草は葉が肉厚で甘く
これ一品をモリモリ食べて満足していました。昼もこれ。夜もこれ。

朝目が覚めると「あーイタリアにいる!」といううれしい実感のあと

「ほうれん草を買いに行こう!」が同時にやってきてなぜか体に

エネルギーがみなぎるのでした。八百屋のおじさんも私を見るなり

自動的に袋にほうれん草をつめてくれていました。

1キロのほうれん草を洗うだけでも半日仕事で、それを昼夜毎日
食べていたのですから今から考えると、よっぽどハマッていたんだと
思います。これを馬鹿のひとつ覚えみたいに1人で毎日毎日2ヶ月

やっていました。今までいろいろな食べ物に病みつきになりましたが

ほうれん草ほど、はまったことはないかもしれません。
イタリアに来てみるみる太っていく友達たちとは正反対に痩せていき
ダイエットをしてるつもりもないのに5キロも体重が落ちたときに、はっと

我にかえって他の料理も食べるようになったのでした。

今は茹でてオリーブオイルとレモン塩であえたりして食べます。
11月の絞りたての高級オリーブオイルがあるときなんかは感動的
な一品になります。
もうさすがに生で1キロは食べませんが、イタリアのほうれん草に
何か格別なおいしさがあるのは16年前から変わりありません。
イタリアの野菜はそれだけで立派なご馳走です。野菜そのものの味

が甘く濃い。だから味付けの強いドレッシングがイタリアに売ってい

ないのも納得です。普通の野菜がこんなにおいしい国ってそれだけで

豊かだなと思います。

京都からローマに戻ってほうれん草を食べながら16年前の自分を

思い出しました。








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