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2012年2月

2012/02/28

モンタルチーノ『ENOTECA OSTERIA OSTICCIO エノテカ・オステリア・オスティッチォ』

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ローマから車で北上すること3時間。トスカーナはブルネッロ・ディ
モンタルチーノの生産地で知られるモンタルチーノへ。
毎年恒例のワインイベント「BENVENUTO BRUNELLO」。これはブ
ルネッロ生産者協会主催の新ヴィンテージを発表する業者向け試
飲会。
ローマはすっかり春めいてきたというのに、モンタルチーノの砂漠の
ようになめらかな丘陵には、ところどころにまだたっぷりと雪が残って
いました。
そしてその残雪も含め、この地方の美しさといったらなんといったらいい
のか、目が洗われるどころかその景色を眺めているうちに体中が
清められているような感じがするほど。モスグリーンとベージュのグラ
デーションがどこまでもゆるやかに続き、その中にぽつりぽつりと中世
の石造りの館が静かにたたずんでいます。うっすらと霧がかかっ
ているものなんだか神秘的。何時間でも眺めていられるこの景色。
目を大きく開いてどこまで見渡しても、一切その景色に関係のない色や
形の建物や看板がない。もちろん都市建築の規制があるのでしょうが
これほどまでに一人の画家が描いた絵を実現したような完璧な景色は
一種の奇跡のように思えました。

ちょうどお昼時間にモンタルチーノの街に到着。
試飲会会場に行く前にまずは腹ごしらえ。
広場近くにある人気店『オスティッチョ』へ。
ワインリストの充実ぶりはもちろん、なんと行ってもこのパノラマを目の前
に食事ができるのです。

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さて、このレストラン。イベント期間中誰もが話題にしていました。
その景色のよさはさておいて、ジャーナリストたちが口々にこの
お店の名前を出していたのは、実は今回のブルネロ生産協会
の大試飲会に参加しなかった生産者が続出。
そのワイナリーたちがこのお店に自分たちのワインをおいて無料
試飲コーナーをつくっていたのでした。
それというのも、本当にうんざりするほどよくある話なのですが、やは
りここモンタルチーノでもブルネロ生産協会内は結構うちわもめが多く
生産協会のやり方に賛成しないワイナリーは世界中からインポーター
やジャーナリストが集まるこんな貴重なイベントでも出展しない方針を
とっているのでした。
そんな彼らが自分たちのワインを飲んでもらおうということで試飲
コーナーを作ったのがこのお店。
ということで、試飲会前というのにランチに行ったこのレストランで
さっそくグラスワインでいろいろなワイナリーの『ロッソ・ディ・モンタルチ
ーノ』、『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』、『リセルバ』をティスティング。
中でも印象に残ったのは、生産者協会のブースには参加していなかった
『PODERE SALICUTTI ポデーレ・サリクッティ』のブルネッロ2007。
もちろん飲み頃としては早いものの、将来性を感じさせるしっかりした
酸とタンニン、バランスすべて見事なでき。
市場に出たばかりの2007年ヴィンテージのブルネッロ。
一口一口目を閉じてゆったりと堪能しました。

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午後は何時間もテイスティングになるので腹ごしらえのため
カボチャとペコリーノチーズのリゾットを注文。
6社のロッソとブルネッロとこってりしたリゾットをあわせて。
背景にはブドウ畑広がる晴天のパノラマ!!!ワオー!
モンタルチーノに来たよろこびがじわじわふくらんでくるのでした。

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ENOTECA OSTERIA OSTICCIO
エノテカ・オステリア・オスティッチョ

Via Matteotti 23 ,Montalcino Siena
Tel 0577 848271

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2012/02/22

自然派ワイン試飲会『VINI NATIRALI 2012』

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毎年恒例のローマでの自然派ワイン試飲会。
先週末に行われることになっていたのが30年ぶりの積雪で18-19日
の週末に延期。急な日程変更にもかかわらず50社のビオ/ビオディナ
ミワインの生産者が「ホテル・コロンブス」に集結。

試飲した中でいくつかよかったものをピックアップ。
まずは会場で出会ったプロたちが絶賛していたのがここ『CA'DE NOCI
カ・デ・ノーチ』。ランブルスコの産地レッジョ・エミリアの生産者。
それまではブドウをワイナリーに販売する農家だったのが、1993年に
自社ワインを初リリース。所有畑5ヘクタール。

まずは「RISERVA DEI FRATELLI 2008 」から。
シャンパーニュ法でつくった発泡酒。3年間瓶内で熟成。
ドサージュ・ゼロの辛口。
面白かったのがこのスペルゴラというめずらしい土着品種。このブドウ
皮が薄く、酸味がありアロマは少ないのが特徴。
皮つきのままマセラシオンをしているので発泡酒なのにタンニンが
しっかりありまた泡の細かさ力強さも素晴らしい。
生産量1200本。

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SOTTOBOSCO 2009
ランブルスコです。
大抵このワインのブドウは平野で
生産されていますが、この造り手のものは高い丘にある畑で栽培
されたブドウを使用。ボトル内で自然発酵。
辛口ですっきりとした飲み口。かなりエレガントでランブルスコという
ことを忘れてしまう。

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ARESCO 2008
樹齢30年のブドウからできたデザートワイン、パッシート。
ブドウはモスカート、マルバシア、スペルゴラ。
18ヶ月大樽で、12ヶ月トンノーにて熟成。
このワインは独特でした。デザートワインなのに「えーこれほど?」
というほどさっぱりすっきりしていてタンニンがしっかりある。
甘いけど辛口ワインの飲み心地、みたいな面白いワインでした。

このメーカーは他にも、スペルゴラ100%の赤ワインのようなタンニン
のしっかりした白や、3年10年越しのトンノーで熟成したカベルネ・ソー
ビニオン/マルボ・ジェンティーレなどがあり、ちょっと他社とは一線を
引いた個性的というか独特のワインだった。ただ赤はちょっと自然派
ワインによくある臭みがあり、個人的には白のほうがよかっ
たかな。

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スイスとイタリアの国境あたりソンドリオに11ヘクタールの畑
を持つ『AR.PE.PE.アル・ぺ・ぺ』。
こちらもブースの前は常に人だかりでなかなか人気があった。

SASSELLA ULTIMI RAGGI 2004
標高600mtの畑のネッビオーロから。
スフォルツァートという収獲したブドウを麦わらの上にのせ
干しブドウ状にしてから醸造するアマローネのようなこの地方の
ワインがありますがそれとは違い、遅摘みのブドウから造られたもの。
11月末まで収獲を待ち、木にブドウをつけたまま糖を凝縮させる。
香りといい味わいといい口いっぱいに広がる木苺やチェリーが
すごい迫力。金魚鉢みたいな大きなグラスでその変化を楽しみた
いワイン。

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最北のソンドリオからサルデニア島へ。
この島を代表するワイナリー『TENUTA DETTORI デットーリ』。
ブースには見たこともないラベルのワインが!
こちらはカンノナウ品種100%DETTORI」が2006ヴィンテージがよく
なかったために名前をかえてリリースしたもの。ただし醸造は同じ。
これは面白いですね。あまりよいヴィンテージでなくとも気にせず
販売するワイナリーが大半で、逆にかなりの高級ワインに
なるとそのヴィンテージのワインは生産しないというのもあります。
DETTORI」の品質を下げないためにも名前を変えて違うワイン
として出すという珍しいケース。
かえってこれでワイナリーの信用度を上げたのではないでしょうか。
しかしこの「RENOSU 2006」ダウングレードといってもバランス

よくこのワイナリーの実力を感じました。

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自然派ワインの大御所『LA BIANCARAラ・ビアンカーラ』のアンジョリーノ

マウレ氏。今回は息子さんも連れて参加。11月に日本でワインセミナー

を行ったという話をいろいろ。和食が大好きでイタリアの自宅に帰った

ときにいつもの自分の料理をもうおいしく感じなくなったほど、という

エピソードや日本人の礼儀正しさ、遠慮深さなど、日本大好き!という話

を試飲しているイタリア人業者にまで熱く語っていました。自然派ワイナリー

の中でも先頭に立って活動している人で、新しい作り手が多い中、老舗の風格。

MASIERI 2011 」「SASSAIA 2007」「TAIBANE 2008」を試飲。

本日の試飲の最後は銘酒中の銘酒ガルガーネガ100%の「 RECIOTO」。

この他、フリウリ州はスロヴェニアとの国境に位置する『ZIDARICHIジダリッチ』

のソーヴィニオン、ヴィトスカ、マルバシアを混醸した「PRULKE 2009」も

素晴らしかった。このワイナリーのワインを飲むとすっかりヴィトスカファンに

なります。

この試飲会でいろいろな業者と話していて感じたのは、イタリアでも自然派

ワインだからおいしいorまずいという偏見はもう薄れ、カテゴリーの枠に

とらわれない造り手、飲み手も増えているということ。
自然派ワインはもう日本市場でも根付いていますが、実は2001年の地点
では自然派ワインの輸入量は80%がフランス産でした。
それが昨年のデータでは80%がイタリア産。10年後に逆転したというわけ
です。全体のワイン総輸入量としてはフランスワインが昔から未だ群を抜い
てトップですが、なんと自然派ワインではイタリアが活躍していたのですね。

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VINI NATURALI  ROMA

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2012/02/10

ワインと記憶

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今までのイタリア人生にて一体どれくらいの本数のワインを
空けたのか、とたまに考えるときがあります。
日本に帰って健康診断を受けたときも、診断結果に”アルコール
を控えること”というコメントあり、その時もふと今までの自分の
ワイン摂取量というのをおそるおそる思い浮かべてみました。
大抵毎日飲んで、さらに試飲会や見本市などでは半端でない
量を飲みます。

10年以上、星の数ほどワインを飲みましたが、その中でも
いくつか忘れられないワインがあります。
「おいしいから」記憶に残るものもちろんありますが、それ以上
にそのワインを取り巻くシーンが心に残っていてそのために自分に
とって貴重なワインというのがあります。
先日セルジョの店で空けたこの1本がまさにそれ。
プーリアのCANDIDOカンディド社の「CAPPELLO DI PRETE」です。
プーリアの伝統品種ネグロ・アマーロ100%。
初めて私がイタリアで一番好きなオステリア『CIBUS』を訪れた時
オーナーのリッリーノが「これがプーリアのワインだ!」と出してきて
くれたのがこれ。
もう13年も前のこと。
その時はこんな南の果てのワインなんか知らなかったので、あまり
いい印象がなかったのですが飲んだ時「なんだこのおいしさは!!!」
と心底感動したのを覚えています。
ポドリコ牛の炭焼きやカーチョカヴァッロと呼ばれるチーズ、チェーリエ
メッサーピカの郷土料理を食べながらがぶ飲みしました。
その『CIBUS』にもそれ以来、もう何度も何度も通っていますが、初めて
訪れた時は、あまりのショッキングなこのお店とこのワインの発見に自分
の中で洪水が氾濫していました。その後のプーリア料理&ワインへの愛着
もこの1本から始まったような気がします。
昔から変わらないデザインのラベル、CAPPELLO DI PRETE=牧師の帽子
というネーミングも大好きです。
このワインを飲むたびにリッリーノがグローブみたいな大きな手でチーズを
切るところや、炭焼きの匂いがするキッチンに座って時を忘れたように
編み物をしているリッリーノの80歳のお母さんを思い出すのです。

という話をセルジョに飲みながらしていたら「じゃこれ見せてあげるよ。」
と言って店の奥からなにやら古い埃をかぶったワインガイドを出してき
ました。

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1988年のガンベロロッソワインガイド!
ちょうど87年に初版が出たのでその翌年です。
表紙のデザインも今よりずっとステキ!

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24年前のワインガイドのプーリアワインはセルジョが審査したそうで
そのコメントをうれしそうに声をあげて読んでくれました。

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「CAPPELLO DEI PRETE」の80年ヴィンテージ。2ビッキエーリの
マーク。なかなか高評価!

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審査員の名簿まであり(今は記載していない)、この店の常連の
名前が何人があって、その時の彼らとのくだらないエピソードに
一人で爆笑するセルジョ。
それを見て、セルジョもあーこのワインが好きなんだなー、いろいろ
昔のことを想い出してるんだなーと胸いっぱいになりました。
ワインって音楽みたいにそのメロディーを聴いただけで
時を越えた昔のこと、そこにいた人たち、その時の自分の状況なんか
を鮮明に思い出させてくれる効果があるのですね。
セルジョの店で12ユーロのこのワイン、昔の思い出も一緒に飲み干しました。

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AZIENDA AGRICOLA FRANCESCO CANDIDO

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