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2012/02/10

ワインと記憶

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今までのイタリア人生にて一体どれくらいの本数のワインを
空けたのか、とたまに考えるときがあります。
日本に帰って健康診断を受けたときも、診断結果に”アルコール
を控えること”というコメントあり、その時もふと今までの自分の
ワイン摂取量というのをおそるおそる思い浮かべてみました。
大抵毎日飲んで、さらに試飲会や見本市などでは半端でない
量を飲みます。

10年以上、星の数ほどワインを飲みましたが、その中でも
いくつか忘れられないワインがあります。
「おいしいから」記憶に残るものもちろんありますが、それ以上
にそのワインを取り巻くシーンが心に残っていてそのために自分に
とって貴重なワインというのがあります。
先日セルジョの店で空けたこの1本がまさにそれ。
プーリアのCANDIDOカンディド社の「CAPPELLO DI PRETE」です。
プーリアの伝統品種ネグロ・アマーロ100%。
初めて私がイタリアで一番好きなオステリア『CIBUS』を訪れた時
オーナーのリッリーノが「これがプーリアのワインだ!」と出してきて
くれたのがこれ。
もう13年も前のこと。
その時はこんな南の果てのワインなんか知らなかったので、あまり
いい印象がなかったのですが飲んだ時「なんだこのおいしさは!!!」
と心底感動したのを覚えています。
ポドリコ牛の炭焼きやカーチョカヴァッロと呼ばれるチーズ、チェーリエ
メッサーピカの郷土料理を食べながらがぶ飲みしました。
その『CIBUS』にもそれ以来、もう何度も何度も通っていますが、初めて
訪れた時は、あまりのショッキングなこのお店とこのワインの発見に自分
の中で洪水が氾濫していました。その後のプーリア料理&ワインへの愛着
もこの1本から始まったような気がします。
昔から変わらないデザインのラベル、CAPPELLO DI PRETE=牧師の帽子
というネーミングも大好きです。
このワインを飲むたびにリッリーノがグローブみたいな大きな手でチーズを
切るところや、炭焼きの匂いがするキッチンに座って時を忘れたように
編み物をしているリッリーノの80歳のお母さんを思い出すのです。

という話をセルジョに飲みながらしていたら「じゃこれ見せてあげるよ。」
と言って店の奥からなにやら古い埃をかぶったワインガイドを出してき
ました。

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1988年のガンベロロッソワインガイド!
ちょうど87年に初版が出たのでその翌年です。
表紙のデザインも今よりずっとステキ!

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24年前のワインガイドのプーリアワインはセルジョが審査したそうで
そのコメントをうれしそうに声をあげて読んでくれました。

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「CAPPELLO DEI PRETE」の80年ヴィンテージ。2ビッキエーリの
マーク。なかなか高評価!

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審査員の名簿まであり(今は記載していない)、この店の常連の
名前が何人があって、その時の彼らとのくだらないエピソードに
一人で爆笑するセルジョ。
それを見て、セルジョもあーこのワインが好きなんだなー、いろいろ
昔のことを想い出してるんだなーと胸いっぱいになりました。
ワインって音楽みたいにそのメロディーを聴いただけで
時を越えた昔のこと、そこにいた人たち、その時の自分の状況なんか
を鮮明に思い出させてくれる効果があるのですね。
セルジョの店で12ユーロのこのワイン、昔の思い出も一緒に飲み干しました。

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AZIENDA AGRICOLA FRANCESCO CANDIDO

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