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2012年3月

2012/03/29

『VINITALY 2012』

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毎年ヴェローナで行われるイタリア最大のワイン見本市『ヴィーニタリー』へ。
昨年までは木曜から5日間だったところを、今年から日曜から4日間と
期間をちぢめ、平日に重点をおくという今までにはない開催設定。
結果的にこれはよかった!
今までは土日に行くと、乳母車をひく家族連れや、酔っ払い目的の若者の
グループまでがすごい人ごみをつくっていて試飲もままらない状況だったの
ですが、今回はこの新しい試みのおかげでビジネス目的以外で訪れる人々
がだいぶ減ったようでした。
ただまだボトリングするにはこの時期は早すぎるというワインも多く、試飲時
にワイナリーの人から「おとといボトリングして持ってきた」とか「3ヶ月後にボ
トリングするワインだからそれを考慮して」とか、どこのスタンドでも毎度毎度
同じことを言われました。

それにしても世の中にはいくつのワインが存在するのでしょうか。
この会場で試飲していると宇宙のブラックホールの中で星を一つ一つ観察
しているようなそら恐ろしい気分になるのはわたしだけでしょうか。
自分で事前に訪問ワイナリーのリストをつくってきたにもかかわらず、やたら
行列ができているスタンドがあったり、話題のワイナリーがあったり、あれも
これもあれもこれも全部飲んでみたーい!とデパートのおもちゃ売り場
の子供みたいな心境になってしまいました。
新しいワイナリーや新商品、話題のワインの発表にはこの見本市にまさる
機会はなく、ワイナリーの白熱した意気込みが感じられてやっぱりめちゃ
めちゃおもしろかった!!!

そして会場では何年ぶりに日本から来た懐かしい人に会ったり、昔輸出し
ていたワイナリーのおじさんに再会したり。
自分の過去を思い出す、そんな出会いもあった小宇宙の旅でした。

では今日からしばらく酒抜きで。。。

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VINITALY 2012

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2012/03/22

「MICRO BIRRIFICIO CASA VECCHIA」の白ビール『FORMENTONフォルメントン』

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イタリアではすっかり地ビールブームが定着した感があるけ
れど、それでもまだどんどん新しい小さなビール生産者が誕生
しています。地ビール専門店もかなり増えました。
こちらはテスタッチョ地区にあるビレリアで飲んだトレヴィーゾ
(ヴェネツィアよりも北部にある県)の生産者「カーザ・ヴェッキア」
の『フォルメントン』。15ユーロなり。
オレンジピールで風味付けした白ビール(小麦ビール)で
グラスに注いだとたん、「ウワッー」っていうほど柑橘やバナナの
香りが漂って、においからしておいしそー!苦味はほとんどなくほど
よい酸味と甘みがあってフレッシュ感あふれるのど越し。アルコール
度数は4,8%と低め。
スープみたいに濃いビールや真っ黒の苦いビールは苦手なのです

がこれはおいしかった!1本すぐに空きました。

「カーザ・ヴェッキア」はイヴァーノさんが一人でコツコツ造っていて
メーカーというより職人業。2009年ごろから友達3人と趣味でビール
つくりをはじめ、昨年にビールメーカーとして3種類のビールを初リリ
ースしたという新しい生産者。
”ビール職人”というと、ヒゲをはやしていて太っちょで、ライダーみたい
な黒いTシャツとブーツのイカツイおじさんを想像してしまいますが
イヴァーノさんはそのまんま!身長183cm体重130kg。愛用のバイク
はBMW K1200R。好きなことは、女、料理、正直さ、豚ロースの炭焼。
で、この人のウェブサイトがおもしろい。自己紹介が仕事のことからプライ
ヴェートまで詳しく自伝のように載っています。
この人もともと料理人なんですね。HPにはビールの紹介以上においしそうな
地元料理のレシピがわんさか。

そして彼のこんな詩がありました。

La Cucina è il centro della mia casa.
台所は僕の家の中心だ。

E’ maestosa ed imponenete, e fa sentire tutto il resto piccolo.
それは貫禄があって堂々としている。
それ以外のことなんかすべてちっぽけなことに思わせてくれる。
Qui si riunisce la mia famiglia, il mio amore, i miei amici.
ここには僕の家族、愛、友達が集る。
Qui si discute, ci si arrabia, e ci si riappacifica.
ここで話しあい、怒りあい、許しあう。

Spesso ho cucinato per persone differenti sedute allo stesso tavolo,
僕は何度も同じひとつのテーブルに座っているさまざまな人に料理をした。

per poi accorgermi che tanto diverse non erano.
そして最後には彼らの間には差がないということに気がつく。

La Cucina è davvero il centro della mia casa.
台所は本当に僕にとって中心にあるものなんだ。

Ivano il Cuoco, Mente Libera … in un Corpo Statico.
健康体に自由な心をもつ
料理人イヴァーノより
Dedicata all’Alida e al mio piccolo Leo.

アイーダと僕の小さなレオに捧げる。

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MICRO BIRRIFICIO CASA VECCHIO
IVAN BORSATO BIRRAIO

ミクロ・ビリフィーチョ・カーザ・ヴェッキオ

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2012/03/20

『CAVOLO BROTONS 』ブロトンスキャベツ

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今週末はサマータイムの切り替え。
並木道にピンクの梅の花が咲き出していよいよ春の匂いが
漂ってきました。
この時期、青空市場の野菜の品揃えも少しずつ変わりはじめ
ます。ローマのヴィットリオ広場のマーケットでちょっと面白い
野菜を見つけ思わず買ってしまったのがこれ。
菜野菜に見えるけど、茎も葉もがっちり固い。
八百屋のおじさんに聞いてみるとキャベツの仲間とのこと。
「えーこれがー?」と驚いていると「かじってみな」と味見させて
くれました。確かにキャベツの味!
家に帰って早速検索。
するとスローフードのサイトに『BROTONSブロトンス』キャベツ
の一種と紹介されていました。

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京都下鴨のおばんざい教室、松永先生にいただいた
高級割烹用ねりゴマ『絹羽二重』で迷わずゴマあえに。
味わいはキャベツなのですが茎の部分も葉もポリポリとした歯
ごたえあり。これはイケル!
にんにくとペペロンチーノで炒めてパスタの具にもよさそうな。
新しい野菜は味わう楽しさ、またそれをどうやって料理するかも
実験的なおもしろさあり。

新しい野菜といえば家庭菜園をしている人におススメがこれ。

日本の気候・土壌にあったイタリア野菜の栽培が日本で始めて
可能になったトキタ種苗のイタリア野菜の種『グストイタリアシリーズ』。
ロマネスコやフィノッキオ、ラディッキオ・ロッソなどなどあらゆる

イタリア野菜の種が通販で入手できます。これらを和風にするも

よし、イタリアンにするもよし。お試しあれ!









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2012/03/13

『TAVERNA DEL GRAPPOLO BLU グラッポロ・ブルー』 のモチモチ麺

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モンタルチーノの景色というのは、京都の庭園に通じるわびさ
び的な美しさがあります。シチリアやナポリのいかにも地中海的
な青と緑の派手な色合いの海でもなく、かといってアルプスの圧倒
させるような規模の山々でもなく、ちょっとトーンを落とした銀閣寺
の苔の庭を思い出させるようなしみじみと心にしみる風景があります。

試飲会が終わってそんなモンタルチーノに見とれながらローマ
に帰る前、やっぱりまたあの店へ行こうということになり前日に
夕食をとったレストラン『グラッポロ・ブルー』へ再び。
店主のおじさんも覚えていてくれていて「また来たの。」と満面の笑み
で迎えてくれました。

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ここはモンタルチーノの街中にある小さな小さなレストラン。
何も知らずに偶然入ったお店だったのですが、注文した料理が
すべて絶品で大当たり。

いろんなものを試したい気持ちを差しおいて、結局またまた前日
と同じ料理を注文してしまいました。
まずは前菜のキアニーナ牛のブレサオラ。この色を見て最初は
なんだか固そうだなと思ったのですが、これがしっとりと口当たり
のいい食感でキアニーナの甘みもあり少しバルサミコ酢のかかった
ルーコラとなんともよい相性。

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ここにてワインを飲まないわけにはいきません。
試飲会で気に入った『ファットイ』のロッソ。

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このお店の自慢は手打ち麺。
こちらは栗の粉で打った茶色いタリアテッレ。豚のソーセージ
とポルチーニきのこであえてあります。
栗の香ばしさ、甘みがおいしい歯ごたえのある麺。
『ファットイ』の骨格のあるロッソ・ディ・モンタルチーノがこのパスタ
のおいしさをさらにふくらませてくれます。

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モンタルチーノの忘れがたい思い出となったのはわびさびの景色
とこのモチモチ麺!地元の方言で「PINCI ピンチ」と呼ばれる小麦粉
と水だけで練った卵なしの麺。これはピーチと呼ばれる中部イタリア
の郷土パスタなのですが、このお店のものはこれがもっちもちなの
です。コシがあるのにこの弾力。これは病みつきになりました。
ソースは牛肉と牛のレバー、豚のソーセージをミックスしたラグー。
もちもちの麺によく絡んでまたワインがすすみます。

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最後はほろほろになった牛肉の赤ワイン煮込み。
もう言うことありません。

モンタルチーノならではの独特の料理にワイン。
なんと豊かな村なんでしょうか。
しかもどのレストランもローマでは考えられないくらいに安い!
手の込んだパスタでも大抵のお店で10ユーロ以下。
もちろんワインリストも豊富。
シエナみたいにツーリスト向けのコカコーラ+ピザ=10ユーロ
みたいな英語の派手な看板がそこらじゅうにあるわけでもなく
地元の人が普通にしみじみと生活している感じの町並みもよかったなー。

ローマへ帰る帰途の道、モンタルチーノの夕焼けがまたこの旅
のステキな締めくくりをしてくれました。

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TAVERNA DEL GRAPPOLO BLU
タベルナ・デル・グラッポロ・ブルー

Scale di Via Moglio 1 Montalcino
Tel 0577 847150

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2012/03/10

モンタルチーノのハチ公猫

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試飲会場を出てランチに行く前のこと。
モンタルチーノの町並みをブラブラ歩いていると、突然
前からシュールな光景が目に飛び込んできました。
それは犬を散歩させているおじさん。
飼い主と一緒にスタッスタッと歩いてくる犬。

でも何かがおかしい!
その何かとは、犬だと思っていたのが猫だったのです。
そのニャンコは猫らしくあっちにいったりこっちにいったり
することはなく、規則正しく飼い主のおじさんの横にぴったり
ついてまっすぐに、飼いならされた柴犬のように歩いて
いるのです。それだけでもびっくりなのですが、あるホテル
の前に着くとおじさんがなにやらニャンコに話しかけている
ではありませんか。

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さらなる驚きは、このニャンコ、おじさんがホテルに入って
いったあと、陶器の置物の猫みたいになって身動き一つ
せずずーっと飼い主のおじさんが出てくるのを待っている
のでした。「チッチッ」と舌を鳴らしたりして呼んでみたので
すがそれでも耳一つ動かさずこのポーズ。名犬ラッシー
のようなりりしい姿勢。なんと愛しい姿ではありませんかー。
ありえないー!!!

何度も振り返って本当にこの場から動かないか確かめま
したが、ずーっとこのまんま。

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30分ほどしてホテルの前に戻るともういなくなっていたので
やっぱりヤツも気ままな猫だったかー、好きなところに遊びに行った
かなーと思ったら、なんのなんの。ホテル入り口横の植木の下
にいました。結構車が通る道なので安全な場所に移動して
いたのですね。
こんな丸くかわいい姿でご主人をひたすら待つニャンコ。
誘拐したい欲でブルブル震えながらこの場を後にしました。






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2012/03/04

『BENVENUTO BRUNELLO 2012』

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ランチのあとは本来の目的である『BENVENUTO BRUNELLO
2012』試飲会へ。

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ティスティングワインはブルネッロ・ディ・モンタルチーノ生産者協会

加盟ワイナリーの下記の新ヴィンテージ。

①ロッソ・ディ・モンタルチーノ2010
②ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2007
③ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リセルバ2006
④モスカデッロ・ディ・モンタルチーノ
⑤サンタ・アンティモ

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会場は村の中心部にあるモンタルチーノ修道院。
半分以上が外国人記者というプレス向けティスティング
ルームで試飲開始。

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着席するとまずはこのようなワイナリーリストが配られます。
試飲したいワインをソムリエに告げるとボトルごとテーブルまで持っ
てきてくれます。

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このようにしてテーブルに着席したまま自由にいろいろなワインを
自分のリズムでティスティングできるようになっています。

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参加ワイナリーの数が141軒。それぞれのメーカーがブルネッロ
ブルネッロ・リセルバ、ロッソ・ディ・モンタルチーノなど数種類出して
いるので目をつけていたワイナリーのものからどんどん試飲してい
きます。半日間試飲し続けましたが、それでも時間足りず。

さて今年のブルネッロですが、ジャーナリストの友人たちやワイナ
リーの話を一言にまとめると「ブルネッロ2007年ビンテージは前年
よりも若干劣るが(2006はグレートビンテージ)それでも優良年の
素晴らしいでき」「特に2010のロッソ・ディ・モンタルチーノは歴代の
の中でも格別」というコメントで同感。
それにしてもこれほどの数の同じ規制のもとに作られた同じビンテージ
のワインを飲んでみて思うのは、造り手ごとにワインのできが「まさか!」
と唸るほど異なるということ。
全く深みのない薄っぺらいワインもあれば、酸味もタンニンもしっかり
含まれ、フルーツ味からスパイシーさに変わるグラデーションが見事なワ
インもある。ロッソでも他社のブルネッロ以上の風格があったり、リセル
バというのに骨格が貧弱であったり。。。
たしかにたくさんの優良生産者が今や大反対している生産者協会が設
定するヴィンテージチャート(ヴィンテージの良し悪しを1から5までの星
の数で評価する)が何かとても無理やりな、マーケティング的な、とっても
不自然なものに感じずにいられませんでした。ちなみに2007年ビンテー
ジは最高の5つ星。
もともと”じっぱひとからげ”が大嫌いなイタリア人。しかもこだわりの生産
者たちの評価を一同に星の数でまとめてしまうなんて確かにこれはない
よなーと納得するほど、メーカーによって激しい品質の差が。グラスを持ち
上げる度に、いい意味でも悪い意味でも「これが同じワインなのか!?」
と驚きの連続でした。

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こちらは翌日の同会場。プレスルームはなくなり3日目以降は飲食店
や酒屋などの業者向けだったのですが、これがものすごい人人人。
バーゲン会場の熱気!これは場所が悪いですねー。海外からもたくさん
のプロが来ていたのに集中して試飲できない環境が残念。
また前の記事でも書いたように今年はこのイベントに参加しなかった
大御所ワイナリーが続出。
ざっと思い出すだけでも「ビオンディ・サンティ」、「チェルバイオーナ」
「カーザノーヴァ・ディ・ネーリ」、「サリクッティ」、「ビオンディ・サンティ」
「ポッジョ・ディ・ソット」などなど。それぞれに生産者協会ともめている
ようなのですが、わざわざここまでやってきた海外からのジャーナリスト
や業者のことも考えてもこれは改善してほしいなと思いました。

それにしても、ブルネッロというワインはイタリアのほかのワインに比べ
語ることがなんとも多いワインです。イタリアワインというとどちらかというと
生産された年、もしくは数年後までが飲み頃というものが大半ですが
ブルネッロは10年、20年後まで美味しく飲めるワイン。ワインの評価
もどのようにこのワインが年月を経て成長するのか、当然のようにその
将来性を含めた見解が重要になってきます。
10年、20年後の変化を想像しながら飲むワイン。
それでもなかなかこれは難しいものがあります。
たとえば2005年のブルネッロ。誰もが最悪の年と懸念していたにもかか
わらず優良生産者のそれは、グレートビンテージのもの以上に見事な変化
を遂げているものが多いのです。ブルネッロの成長ぶりはマラソンと似て
います。まさに2005年のビンテージはやせているけれど持続性には優れ
ているマラソン選手のようなのです。ボディビルダーのようなワインは一瞬
華やかですが、すぐに息切れてしまいます。
とはいえ、やはりしっかりとしたブドウができてこそ偉大なブルネッロが
生まれるのであってそこはメーカーがどのようなブドウつくりをしているか
これが基本です。

ティスティングを終え、2007年ビンテージのブルネッロ、20年後にはどんな
変化をしているのかなーという話を同僚にしたところ「2027年の自分を想像
するのが怖い。」という返事。アラ!確かにあたってる!20年後のワインを
想像するのは楽しいけれど、20年後の自分は想像したくないよー!

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CONSORZIO DEL VINO BRUNELLO DI MONTALCINO

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン生産者協会

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