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2012/08/14

『GIOLITTIジョリッティ』の夏の風物詩

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40℃ちかい猛暑がまだ続くローマの今年の夏。
ここまでくると毎日が自分の体力との戦いという感じ。
朝から日差しが強すぎてちょっと歩いているだけで日焼けする
のでテカテカと日焼け止めクリームをぬって出かけるけれど
それももうあまり意味がない。

そんなときにいつも飲みたくなるのが「GIORITTIジョリッティ」の
アイスカプチーノ。先日の全国紙【レプブリカ】にこの店のアイス
コーヒーがローマの”ベストアイスコーヒー”のひとつとして掲載
されていたほどここのカフェ・フレッドはおいしい。まずはグラスに
たっぷりと自家製のエスプレッソのグラニータ(カキ氷のようなもの)
をいれてくれる。その上から冷やしておいた砂糖入りのアイス
コーヒーを入れる。ミルクを入れカプチーノやカフェ・ラッテとなる。
バールごとにこのレシピがあるけれど、この店のはけっこう甘い。
その甘さが子供のときによく飲んでいたアイスミルクコーヒーを
思い出す。古いグラスの形もその冷たいおいしさを引き立ててくれる。
そしてうれしいことにこのバール「GIOLITTIジョリッティ」は私の
自宅のすぐ向かいにある。
もうここに通って10年以上。おいしいコーヒーを飲むのもあるけれど
違う意味で通っている部分もある。
仕事の夕食などで帰りが遅くなっても、自然に体がここに引き寄せ
られる。ラジオで今日のサッカーの試合結果を聞きながらだらだらと
コーヒーを入れ、怒ったり笑ったりしているオーナーのアルマンド
と常連。その様子があまりにも毎日同じなので、それを見ただけで
また元の自分にリセットできる感じ。自分にどんなドラマチック
なでき事が起こった日でも、ここの光景は同じなので、なんだ世の中
何も変わってないわと安心できる。

ある日の夕方ぶらりと「ジョリッティ」に立ち寄ると、店のみんなが真っ赤
に目をはらしていた。「どうしたの?!」と聞くと、常連のティリオが今
さっき亡くなったということだった。ティリオはわりと重い言語障害者で
口を開くことはないけれど、なぜかいつもニコニコしていた。毎日朝から
閉店までお店にいて、明るい性格の彼はみんなのサッカーの話に手を
たたいて笑ったりしていつも楽しそうに参加していた。50歳過ぎで「ジョ
リッティ」のすぐ近くのアパートにひとり暮らし。食事と寝る以外はここで
過ごしていた。
その日はランチのあと彼がお店に来ないので、店の人がおかしいと思い
電話したけれどつながらず、彼のアパートの建物の持ち主に連絡しカギ
をもらい玄関のドアを開けたところ、食卓の上ですでに亡くなっていた。
突然の脳溢血で救急車を呼ぶまでもなかったそう。
第一発見者のバリスタのファビオたちが他都市にいる遠い親戚に連絡し
お葬式の手配までしていた。
ティリオは家族とよべる身内もなく、障害者でひとり暮らしだったけど亡く
なってから1時間も経たずに早期発見された。
今どきの都会では記録的な早さだ。

そんな「ジョリッティ」に閉店するという話があがった。
この物件の所有者が「ジョリッティ」への賃貸契約を更新しないということ
だった。これにはみんなマジであせっていた。アルマンドは極秘と言って
交渉の内容をあかしたくないようたっだけれど、何か進展があれば即
全員に知れわたっていた。サッカーの話はもうあまり盛り上がっていなかった。
そしてソワソワした数ヵ月後アルマンドが物件自体を買い取るということ
に話が落ち着いた。それを聞いたときのうれしさ!
その後すぐに工事が入ってボロボロになっていた天井や壁を塗りなおした
りしてお店はきれいになった。それでも昔のままのテーブルや椅子はその
まま使い込まれていていい色のグラデーションになっている。

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GIOLITTI  ジョリッティ
Via Amerigo Vespucci 35  Roma

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