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2012/09/21

『FESTA DEL FUOCO STROMBOLI』 炎の祭 ストロンボリ 

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9月にエオリア諸島に来る楽しみのひとつは、この時期伝統的なお祭り

やイベントが見られること。サリーナ島から船に乗ってストロンボリ島へ。

ここで毎年恒例の炎の祭りが開催される。午後6時に出発、3時間かけストロンボリへ。

ストロンボリは全長12,2km。人口400人の島。ちょうどご飯茶碗をさかさに置いた

ような形の島。人口400人。現在でも噴火し続けている900メートル以上もの高さのある活火山で

サリーナのホテルからも毎日ストロンボリの上に白い曇りがもくもくと出ているのが見える。

最初は山の上に入道雲がのっかっているのだと思っていたら、それが煙だった。

1949年制作イングリット・バーグマン主演の『STOROMBOLI ストロンボリ』というこの島

を舞台にした白黒映画がある。

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ストロンボリ島に向かう船から見えるリーパリとパナレア島。

船員たちが運がよければイルカが見えると言う。船の横について自分たちの

泳ぎをみせびらかすように同じ速度でついてくるそう。この日はそんな幸運にはみまわれ

なかったけど、海の上に広がる夕焼けは息の止まるすばらしさ。小さな島々が切絵の

ように遠くに見える。

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太陽は海に近づくごとに赤く燃え上がり、落ちるスピードも早くなる。海面に太陽が

くっつくとその部分だけ火が海に燃え移ったかのように海も真っ赤になった。

ストロンボリに近づいてくると、火山のふもとにある町ジノストラが見える。町といっても

集落のような感じなのだが、ここは昔マフィアや政治犯などで公に逮捕できない人を

島流しにし送り込むのに使われていたそう。この集落には道がない。ここ

から脱出する方法は、900メートル級の道なき火山を越えるか、隣の島まで泳ぐかだ。

といっても集落には海岸がないので高い絶壁から死を覚悟で身をなげるしかない。

助かったところで一番近い隣の島パナレアまでは高速船で30分もかかる距離。

残りの人生はここで送るしかない。安部公房の『砂の女』を彷彿とさせる島。

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そんな怖い話とは裏腹に船の中では夕食の準備でざわざわにぎわっていた。この小さな船には

小さいけれど手作りの厨房がついていてここで乗客たちの夕食を船員たちがつくってくれる。

それもこの旅の楽しみのひとつ。

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ゆれる船の中に手作りで調理場をつくり、乗客全員に漁師の手料理をふるまおう

というこの心意気が面白い。ここでは”安全第一”よりも食いしん坊第一。

コンロにはパスタをゆでる大なべがゆれによってズレないようにしっかり固定器具

がついている。

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今夜のメニューはスルメイカのパスタ。がっつり冷えたテーブルワインも

出てきた。まかないをみんなで食べるみたいな雰囲気だったけれど、これはもう

まずいわけがなかった。

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食事が終わり、船からストロンボリ島におりたのは21時を過ぎたころ。

島は真っ暗。炎の祭りを引き立てるためにわざと明かりをつけていない

ということだったが暗くて歩けない。携帯電話で足元を照らしながらなんとか広場へ。

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炎の祭りは毎年世界中から火を使う大道芸人が集まる。中にはシルクドソレイユの

アーチストも参加するそう。なかなか面白かったが今年はこのお祭りのための経費が

集まらず例年に比べ参加アーチストも少なく、素人みたいな芸人もでてきてパフォーマンス

中にヤケドしたりしてこちらが冷や汗をかいた。期待していたよりしょぼかったけど、この

お祭りは島の税金でなく市民が集める資金で開催されている。この不景気に炎のお祭り

に投資するお金なんかあるわけがない。そのことを考えるとこの島の人たちの意気込みに感謝。

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お祭りが終わったのは夜中12時。港で待っていた船に戻りまた3時間かけて

サリーナ島へ。かなり疲労したけれど、帰りに船の中からみた星空は一生忘れら

れない光景だった。星空は見上げた真上だけにあるのではなく、海面まで広がって

いて、海というよりも星空の間を泳いでいるような錯覚になるほど。黒い紙の

上にざっと白い砂をまいたような膨大な量の星。天の川もきれいに見えた。

疲れと船酔いで星を見ながら船の上で眠ってしまい、気がついたらサリーナの港に到着していた。

海、夕焼け、炎、星。ここではとてつもない広大なもの、はてしのないものに包まれ

人間の小ささ、自分の存在のはかなさをつくづく体感させられる。

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FESTA DEL FUOCO STROMBOLI

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