« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

2012/09/21

『FESTA DEL FUOCO STROMBOLI』 炎の祭 ストロンボリ 

Dscn4636_640x478

9月にエオリア諸島に来る楽しみのひとつは、この時期伝統的なお祭り

やイベントが見られること。サリーナ島から船に乗ってストロンボリ島へ。

ここで毎年恒例の炎の祭りが開催される。午後6時に出発、3時間かけストロンボリへ。

ストロンボリは全長12,2km。人口400人の島。ちょうどご飯茶碗をさかさに置いた

ような形の島。人口400人。現在でも噴火し続けている900メートル以上もの高さのある活火山で

サリーナのホテルからも毎日ストロンボリの上に白い曇りがもくもくと出ているのが見える。

最初は山の上に入道雲がのっかっているのだと思っていたら、それが煙だった。

1949年制作イングリット・バーグマン主演の『STOROMBOLI ストロンボリ』というこの島

を舞台にした白黒映画がある。

Dscn4651_640x480

ストロンボリ島に向かう船から見えるリーパリとパナレア島。

船員たちが運がよければイルカが見えると言う。船の横について自分たちの

泳ぎをみせびらかすように同じ速度でついてくるそう。この日はそんな幸運にはみまわれ

なかったけど、海の上に広がる夕焼けは息の止まるすばらしさ。小さな島々が切絵の

ように遠くに見える。

Dscn4655_640x480_2

太陽は海に近づくごとに赤く燃え上がり、落ちるスピードも早くなる。海面に太陽が

くっつくとその部分だけ火が海に燃え移ったかのように海も真っ赤になった。

ストロンボリに近づいてくると、火山のふもとにある町ジノストラが見える。町といっても

集落のような感じなのだが、ここは昔マフィアや政治犯などで公に逮捕できない人を

島流しにし送り込むのに使われていたそう。この集落には道がない。ここ

から脱出する方法は、900メートル級の道なき火山を越えるか、隣の島まで泳ぐかだ。

といっても集落には海岸がないので高い絶壁から死を覚悟で身をなげるしかない。

助かったところで一番近い隣の島パナレアまでは高速船で30分もかかる距離。

残りの人生はここで送るしかない。安部公房の『砂の女』を彷彿とさせる島。

Dscn4659_640x431

そんな怖い話とは裏腹に船の中では夕食の準備でざわざわにぎわっていた。この小さな船には

小さいけれど手作りの厨房がついていてここで乗客たちの夕食を船員たちがつくってくれる。

それもこの旅の楽しみのひとつ。

Dscn4665_640x466

ゆれる船の中に手作りで調理場をつくり、乗客全員に漁師の手料理をふるまおう

というこの心意気が面白い。ここでは”安全第一”よりも食いしん坊第一。

コンロにはパスタをゆでる大なべがゆれによってズレないようにしっかり固定器具

がついている。

Dscn4666_640x463_2

今夜のメニューはスルメイカのパスタ。がっつり冷えたテーブルワインも

出てきた。まかないをみんなで食べるみたいな雰囲気だったけれど、これはもう

まずいわけがなかった。

Dscn4670_466x640_2_2

食事が終わり、船からストロンボリ島におりたのは21時を過ぎたころ。

島は真っ暗。炎の祭りを引き立てるためにわざと明かりをつけていない

ということだったが暗くて歩けない。携帯電話で足元を照らしながらなんとか広場へ。

Dscn4685_640x480

炎の祭りは毎年世界中から火を使う大道芸人が集まる。中にはシルクドソレイユの

アーチストも参加するそう。なかなか面白かったが今年はこのお祭りのための経費が

集まらず例年に比べ参加アーチストも少なく、素人みたいな芸人もでてきてパフォーマンス

中にヤケドしたりしてこちらが冷や汗をかいた。期待していたよりしょぼかったけど、この

お祭りは島の税金でなく市民が集める資金で開催されている。この不景気に炎のお祭り

に投資するお金なんかあるわけがない。そのことを考えるとこの島の人たちの意気込みに感謝。

Dscn4707_640x480

お祭りが終わったのは夜中12時。港で待っていた船に戻りまた3時間かけて

サリーナ島へ。かなり疲労したけれど、帰りに船の中からみた星空は一生忘れら

れない光景だった。星空は見上げた真上だけにあるのではなく、海面まで広がって

いて、海というよりも星空の間を泳いでいるような錯覚になるほど。黒い紙の

上にざっと白い砂をまいたような膨大な量の星。天の川もきれいに見えた。

疲れと船酔いで星を見ながら船の上で眠ってしまい、気がついたらサリーナの港に到着していた。

海、夕焼け、炎、星。ここではとてつもない広大なもの、はてしのないものに包まれ

人間の小ささ、自分の存在のはかなさをつくづく体感させられる。

**************************************

FESTA DEL FUOCO STROMBOLI

**************************************

|

2012/09/17

『CHIOSCHETTO DI SILVIO』キオスケット・ディ・シルヴィオのグラニータ

Dscn4533_3_640x473

「やはりダ・アルフレードのグラニータはうまかったなー」という話をしていたら、地元の

おじさんに「それではまだまだ修行が足りぬ」と連れていってもらったサリーナで最高の

グラニータの店。シルヴィオさんの経営するキヨスク。サリーナ島の一番大きな港サンタ・

マリーナ港の広場にある。今でこそこの広場のまわりにはたくさんのバールがあるけれど

喫茶店といえば昔はここ一軒しかなかったそうな。ダ・アルフレードのようなハデハデ看板もないので

わかりにくいけれど、ここのグラニータははっきり言ってダ・アルフレードのものは比べ

ものにならないおいしさだった。

Dscn4524_446x640

桃のグラニータ。桃が大好きなのでいつも桃を注文してしまうのだが、この店に

連れてきてくれたおじさんは「断然スイカがうまい。」と言い切っている。でも桃を注文。

あのダ・アルフレードのものよりもさらりとした食感で、上品な仕上がり。桃はおいしかった

けどおじさんが注文したスイカ味はもっともっとおいしかった。

Dscn4526_452x640

スイカのグラニータはなにか水っぽい味わいをイメージしていたのだけれど、これは

想像を超えていた。果実のスイカのまんなか、つまり一番甘いところを冷やして

食べているようなフレッシュな風味で、またきめの細かさといったら、どうやって

このような食感がつくりだせるのか。砂糖の甘さ、氷の水っぽさは一切

ない。こんな小さなキヨスクでこれほどレベルの高いグラニータをなにげに売っている

のもすごい。1杯2,5ユーロなり。何杯でもおかわりしたい!

Dscn4521_640x480_640x480_2

ブリオッシュとよばれるパンにグラニータをはさむという食べ方もある。

こちらはパンナ(生クリーム)のせで。

これもおいしかったけれどスイカにはかなわなかった。

グラニータというスイーツにこれほど感動したのははじめて。こんなレベルの高い

デザートを出しているイタリアのレストランを思いつかない。

|

2012/09/16

『GRANITE DA ALFREDO』アルフレドのグラニータ

Dscn4400_461x640

サリーナの名物にグラニータがあることはあまり知られていない。

グラニータといえばシチリア本土の方が有名だが、サリーナのグラニータ専門店

『ダ・アルフレード』によってこの冷菓がこの島の名物として知られるようになったと

言っても過言でない。氷を加えずに季節の旬の果物だけを原材料としている。

この時期のフレーバーは桃、イチゴ、イチジク、すいか、アーモンド、メロン。

過去に日本の雑誌にも取り上げられたことのなるこの小さなBARは”LINGUAリングア”

というサリーナ島でも海岸沿いの村にある。

Dscn4406_456x640

こちらが桃とアーモンドのグラニータ。

驚いたことに過去に各地で食べたグラニータとはまったく違う食感。

ローマやシチリアで食べたものはかき氷の氷をかなり細かく砕いたもの

でフルーツシャーベットに近いものがあったのだが、これはもっとクリーミー。

もちろん乳化剤など一切添加物ははいっていないのだけれどこのなめらかな

舌触りははじめての味。果実がかなり熟したものを使っているのかどれも

濃厚で食べ応えがある。水っぽさがまったくなく氷を加えていないというのも納得。

アーモンドのグラニータもアーモンドがかなり細かく粒粒になっていてアーモンド

ミルクのやさしい味にうっとり。

Dscn4408_480x640_480x640

こちらは白イチジクとアーモンド。この白イチジクもとろっとしている。

そして甘い。砂糖の甘さではなく果物が熟した甘さ。

食べ応えはあるけれど決して甘すぎることなく、凍らせたイチジクそのものを

かじっている感覚。

海水浴のあとに食べるとほてった体が生き返るようなおいしさ。お店の前で

日光浴をしたあと水着のままグラニータをかきこむ人でいつもにぎわっている。

***********************************

DA ALFREDO    ダ・アルフレド

***********************************

|

2012/09/15

マルバシアの収穫

Dscn4446_480x640

ちょうどこの時期島ではいっせいにマルバシアの収穫中。

白ブドウのマルバシアとコリントネーロとよばれる赤ブドウの2種類があります。

エオリア諸島で紀元前500年前には造られていたというワイン『マルバシア・ディ・リーパリ』

に使われる在来品種です。

今年は昨年より10%収穫量が多いそう。畑では早朝から1日中収穫がすすめられています。

Dscn4441_463x640_2


大体15日間ほど収穫が続き、ワイナリーに持ち込まれたブドウはCANNUZZIカンヌッツィと

よばれる”すのこ”のような木の枠の板に並べられさらに15日間天日干しにされます。

イタリアのパッシートは各地で造られていますが扇風機を設置した室内干しという方法が多い中

風の島サリーナでは天日干しです。

ここでは海からくる風と太陽によってブドウの一粒一粒が腐ることなくゆっくりと凝縮されていきます。

どんなに太陽に照らされても汗をかかない体験をしてみると、この地方のワインつくりを体で理解

できるのです。

Dscn4460_640x474

もうすぐ始まる天日干しの作業のため高々と積み上げられたカンヌッツィ。

このあとサリーナのワイナリー訪問へ!

|

2012/09/14

サリーナの魚屋

Dscn4503_3_480x640

ここしばらく風が強く波が高い日が続いたので漁ができなかったので久しぶりにやってきた

魚屋さん。サリーナ島のマルファ村の広場に3輪でやってきます。魚屋さんがやってくるか

どうかは広場に行ってみないことにはわからないので、朝8時ごろから広場に釣れたての

魚をめざして島の人が集まってきます。大体9時ごろまで待ってこなければ漁ができなかった

ということでみんななーんだという感じでちりじりに帰っていきます。

この朝は新鮮なスルメイカが大きさ違いで3種類。イカの目もキラキラ輝いていて活きのよさ

がわかります。

Dscn4497_2_640x479_3

身のしまったイカを手に入れてなぜか日本人の血が騒ぎ、醤油でつけてから炭火焼きに。

山椒をかけて食べたサリーナのスルメイカはプッリプリ。ゲソの1本も無駄にすることなく

地元の白ワインで流し込みました。

|

2012/09/13

風の島サリーナ

Dscn5042_640x480

エオリア諸島の名前の由来、それはギリシャ神話に出てくる風の神”EOLO”。

海底の火山層がボン!と大爆発して誕生した7つの島はギリシャ神話の神様がいまだに

宿っています。1日中そよ風がふいている日もあれば暴風の日もあるのですが、とにかく毎日

1日中風がふいています。ここに滞在して驚くのは気温が30度を超す日でもまったく

汗をかかないこと。日差しはローマのそれより強く、日に日にすごい速さで肌の色が変わって

いくのですが、それでも汗はまったくでません。だから暑くとも体が疲れない。これは不思議な

体験です。なぜか夜も深く快眠でき、この島に来た人みんな自分の体調に驚きます。

たしかに夏のローマや京都でじっとりと汗をかいて疲労していた自分の体が別人のよう。

エオリア諸島のどの島でも島の人々の生活はその日の天気で大きく変わります。

だから島の人々は朝起きたらまずは海と空を見て、それからその日の予定を決めます。

明日の予定は明日に決める。今この時間を生きる。そういう生活です。

水をはじめとして島の生活物資はすべてシチリアから船で運ばれます。強風がある日は

波が高くなるので船はでません。それが何日も続くと水不足になります。島の人の生活は

風次第です。

写真は今滞在しているエオリア諸島の中で2つ目に大きな島サリーナ。人口2300人。

島の長さは26,4km、この小さな島の中には3つの火山があります。こんな小さな場所に

900メートル級の山があるので実際の数字以上に高く見えます。その山の傾斜の最後は

海につながっているので、広い平地はほとんどありません。諸島の中でももっとも

緑の多いこの島では、ブドウやオリーブの栽培がさかんです。甘口ワインの『マルバシア・ディ・

リーパリ』やケイパーなどいろいろな名産品があります。

1994年に制作されアカデミー賞外国映画賞を受賞したイタリア映画『IL POSTINO イル・

ポスティーノ』が撮影された島でもあります。

Imagesca3vhksw_3


|

2012/09/10

ISOLA SALINA サリーナ島へ

Mika

イタリア本土とシチリア島のあいだに散らばる小さな7つの島エオリア諸島。

世界自然遺産の楽園、サリーナ島へ。

ローマからシチリアのカターニャまでは飛行機で、その後カターニャからミラッツォ港へ

車を走らせ、ミラッツォ港からサリーナ島へは高速船で移動。アフリカからの強風で波が

高くサリーナ島へ船がたどりつくかどうかわからないという前噂。こういうのは出港時に

は判断できないため、とりあえず行ってみてサリーナへの入港が無理であれば引き返す

ことになります、という船長のアナウンス。酔い止めをゴクッとのんで乗り込む。運よく

途中で天候が変化して、夕方問題なくサリーナ島に到着。

肌をなでるそよ風にのって匂うジャスミンの香り。波と鳥の声以外になにも音のない世界。

やっとサリーナに来れたことを実感。

Dscn4709_2_478x640

|

2012/09/02

『LA CANTINA DI SPELLO ラ・カンティーナ・ディ・スペッロ』スペッロ

1608_122_1

ウンブリアの旅で絶対にはずせないレストランはココ『ラ・カンティーナ
ディ・スペッロ』。ウンブリアを知りつくす料理人サルバトーレが”一番
オススメ”といって紹介してくれたスペッロ村にある小さなお店。

古木を組み合わせた高い天井に、ろうそくのほんわりした明かりが渋い
色合いのアンティーク家具を照らしています。

1608_123_1_2  1608_121

どのアングルを見てもインテリア雑誌から抜け出たようで、この
空間にいるだけでワクワクしてくるのです。お皿やカトラリーも独特です。
料理だけでなくこういうのもレストランの醍醐味なのに、なかなかここまで
センスのいいお店は少ないのです。

1608_126_1

地元白ワインのグレケットを注文してから、まずはサルバトーレから
「これは絶対に食べて!」と言われていた黒トリュフのオムレツ。
おそらく人生で食べたオムレツで一番おいしいと思われた一品。
ふわふわ、でもしっかりとした卵の味もさることながら、上にのっている
サマートリュフのソースがすばらしかった。一見よく食材屋さんに売って
いる瓶詰めのトリュフのペーストに見えるのですが、そうではなくトリュフ
を細かく刻んでありガリガリとした食感がありオリーブオイルと絡まった芳香が
感動もの。これはサルバトーレの言葉通り絶品でした。

1608_127_1

キッチンにある炭焼き釜で焼いた地鶏。単純に焼いただけなのに
このジューシーさと香ばしさ。シンプルな料理でしたが満足。

1608_130_1

ちょっと珍しいメニューだったので興味本位で注文したのがコレ。
小タマネギの甘辛煮。お酢と砂糖で煮込んだような料理でした。
ちょっと味が濃すぎましたが、それでもこういった他店にはない
メニューをいれているのは二重丸。
このお店のメニューは毎日変わるので紙1枚にコピーしただけのも
のなのですが、独特性のあるおもしろい料理ばかり。いい仕事してます。
イタリアのレストランは一般的にメニューが定番ものばかりなので
こういう店は「オッ」と思わせるのです。

1608_131_1

最後にカスタードプリン。これも美味。

ディナーを終え外に出ると人が並んでいました。
やはりいいお店のことはみんな知ってるのですね。

1608_133_1_2

それにしてもスペッロはいまだに中世の空気が流れていてタイム
マシンでスリップしたような錯覚になるほど。
石造りの家が並んでその壁沿いにいろいろな木々や花々が生き生き
と咲いています。
レストランからブラブラ歩いているとこんな光景が。
外で涼みながらおしゃべりしているおばさん2人とその番犬をしている
かしこいワンコ。
これほどステキな街なのに観光客であふれているわけでもなく、ツーリ
スト向けメニューがあるわけでもなく、地元の人が普通に生活しています。
こういうところもウンブリアならではでよい!
また秋にも絶対に来たい場所。

**********************************

LA CANTINA DI SPELLO
ラ・カンティーナ・ディ・スペッロ

Via Cavour 2  06038 Spello Umbria
Tel 0742651775

**********************************




|

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »