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2013年3月

2013/03/30

バルバレスコ『ALBINO ROCCA アルビーノ・ロッカ』試飲会

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ピエモンテのバルバレスコ大御所ワイナリー『アルビーノ・ロッカ』の
試飲会へ。昨年の10月に自家用機が墜落し、64歳でこの世を去った
経営者アンジェロ・ロッカ氏の追悼の意味もあり、ローマのATHENEUM
というファブリッツィオ・ルッソ氏率いるワイン団体が主催したもの。
それにしてもワイナリーのオーナーで自家用機やヘリコプターを趣味で
所有いる人は結構多い。ピエモンテだけでも何人かのオーナーに自慢の
品を見せてもらったことが多々あります。確かにあの世界自然遺産
の候補にもあがったバルバレスコやバローロの丘の上空を旋回するの
はさぞかし気持ちよさそうですがその事故の代償はあまりにも大きいもの。

現在はアンジェロ氏の跡に残された3人娘がワイナリーを引き継いでいます。
今回の試飲会には次女のモニカさんによるものでした。
1960年にワイナリーが創立され、彼女で4代目だそう。
23ヘクタールの自社畑から11種類のワインを生産しています。

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出された8種類のワイン、あくまで個人的なコメント。
その前に。残念だったのが、会場に着いた地点でワインが既にグラスに
注がれていたこと。これもあくまで自分の偏向なのですが、注いだ瞬間
のワインからティスティングしたいのです。特にバルバレスコの古いもの
なんかだとその変化の仕方に興奮するのに、その楽しみをちょっと省か
れたような気がしてしまいました。注がれてからどれくらい時間が経った
かはわかりませんでしたが、これは残念!
空気を含ませばっちり飲み頃にされてから飲むよりも、抜栓してすぐの
ワインの素性を知りたくありませんか、みなさん?
前置きはさておき。

①PIEMONTE CORTESES 2012 
ピエモンテ・コルテーゼ

ピエモンテというと赤ワインのイメージですが、この地方の白って
結構好きなんです。ロエロ・アルネイスにしてもこのコルテーゼにしても
意外とトロピカルな味わいで飲みやすく、チャーミングなワインが多いのです。
フリウリやアルト・アディジェの厳格でプライドの高そうな白とはまた違う、親
しみやすさみたいなものがあります。
アルビーノ・ロッカのコルテーゼも例外にもれず。
コルテーゼ種100%。6ヶ月ほど1年越しのバリックにかけていますが
言われない限りほとんど樽香は感じません。
洋ナシ、シトロン、カモミーユ。口に含んだ瞬間、目の前にキラキラした
黄色い星がいっぱい見えました。このトロピカルなおいしさ!心地よい酸味も
あって香り味わいともに余韻も長く言うことなし!これスキッ!
まだ2週間前にボトリングしたばかり。

②BERBERA D'ALBA GEPIN 2011
バルベーラ・ダ・アルバ ジェピン

ワイナリーでは2種類のバルベーラをつくっていますが、こちらはクリュで
50年の樹齢の畑から。
1年半、90%が大樽、10%バリックで熟成しています。

プルーンやブラックチェリー、タバコの葉。ちょっと甘めでモダンタイプの
バルベーラ。きれいなタンニンに包まれています。

③BARBARESCO OVELLO VIGNA LORETO 2008
バルバレスコ オヴェッロ ヴィーニャ ロレート

4種類リリースされているバルバレスコのうちのクリュ畑の1つ。
0.5ヘクタールの35年の樹齢のネッビオーロ種から。

オーストリアとドイツ産の大樽で約2年の熟成。
ブーケやバラの香りがきれいだけどまだ広がりが出るには時間が
かかりそう。口に含むと酸味もだけれどミネラル感がすごい。
2008というヴィンテージだからもあってかトラディショナルで厳格な印象。

BARBARESCO OVELLO VIGNA LORETO 2005

こちらも2年の大樽熟成。
2008よりも香りに少し奥行きが出てブーケ以外にもバルサミコやリクリ
ツィアを感じる。またフレッシュな木イチゴやチェリーも隠れていて香り
のモザイクがきれい。
飲んでみると味わいのほうが2008との差がはっきりしていた。
よりボディー感があって余韻もかなり長い。
タンニンもエレガントになっている。

BARBARESCO OVELLO VIGNA LORETO 2001

ワイナリーでは2004年から大樽をオーストリア・ドイツ産のものに変えています。
そのせいもあってかどちらがいいというわけでもありませんが最初に試飲し
た2種類とは違いがありました。
また2001というヴィンテージがかなりよかったこともあってか、本日試飲した
バルバレスコの中ではダントツによかった1本。
フレッシュな赤い果実に苔や皮、森の中にいるような匂いに酔いました。
何よりも芯のあるミネラル感が他の2つのヴィンテージとはっきり品格に差を
つけていました。タンニンのやわらかさも見事。

⑥BARBARESCO BRICH RONCHI 2009

バルバレスコ ブリック ロンキ

こちらはもうひとつのバルバレスコ。
90%が大樽、10%バリックで2年の熟成。
上記のOVELLOと同じくこちらも2004年以降は大樽のメーカーを変えて
います。
香りが若干弱いわりに味わいは既に飲み頃という感じ。
このヴィンテージはかなり暑い年だったのでそれが影響しているという話。
モダンな印象で飲みやすいが、個人的にはOVELLOのほうが好き。

BARBARESCO BRICH RONCHI 2006

こちらも飲みやすく愛らしいインプレッション。
逆に言うとミステリアスさがない感じ。
ブラックチェリーのタルトを思い出すような甘さに、オレンジの柑橘
系の香りも漂う。

BARBARESCO BRICH RONCHI 1998

これは残念ながら、澱が入りすぎてちょっとわかりにくかった。
フィルターにかかっていないワインはポリフェノールなんかが
歳月が経つとこういうことになるのですが、注ぐ側が気をつければ
まったく問題ないのですが、今回は主催者側からも謝罪があるほど
入っていたのでした。
それでももう変わりのボトルがなかったのでなんとかティスティング。
15年の歳月が経っていましたがかなりフレッシュさを保っていました。
98というのはそこそこよかったヴィンテージ。
赤いフルーツやバルサミコ、苔にキノコの香り。その後しばらくすると
コーヒーやカカオ、クローブに香辛料の茶色い表情に変貌していました。
最初は可憐で清楚な姿を見せたものの、試飲会がお開きになるころ
には妖艶な熟女に七変化。
これは飲みがいがありましたね。
バルバレスコはやはりこういうのがないとちょっと物足りない気がして
しまいます。

アルビーノ・ロッカでは、大樽の種類を変えたり、大樽とバリックの割合
のバリックを少なくしたりと、年々小樽の存在を控えています。
ここ数年かなりのワイナリーが同じことをやっていますが、どの地方でも
伝統的な醸造に帰着している傾向があるようです。

いずれにしてもアンジェロ氏の突然の訃報を聞いたときにはこのワイナリー
って今後どうなるのだろう?と思ったのですが3人姉妹がお父さんの情熱を
しっかり引き継いでいるのを目の当たりに感じてちょっと感動的な試飲会でした。

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AZ. AGR. ALBINO  ROCCA

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2013/03/26

自遊人2013年5月号『オーガニックって何?』

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本日発売自遊人5月号の【世界のオーガニック事情】にイタリアの
オーガニック事情を掲載しています。

イタリアが美食の国であることは今や世界で認知されていますが
実はあまり知られてないのが、この国のオーガニック食材の生産率
+ 普及率。どちらもヨーロッパでダントツ。
有機野菜だけでなく、加工品にしても添加物が入ったものはできるだけ
避けるという意識がかなりの割合で一般の人に浸透しているのではない
でしょうか。
たとえば塩やオリーブオイルに漬けること、熟成、乾燥させることで食材を
長期保存するという昔ながらの方法が、未だに理の当然として守られて
います。食べ物が腐りやすい湿度の高い日本と違い、乾燥した地中海
気候による利点もあると思いますが、こういったことを守ろうとする国民性
にはいつも感心します。シェフや食材取り扱い業者だけでなく一般人の間
で食べ物に対してこういう意識がある。そういうところにイタリアの食の
レベルの高さを感じるのです。おいしいだけでなく、体にいいものを
食べたいというニーズ。
イタリア料理のおいしさの根拠は、そんな消費者の貪欲なまでの食欲
からくるものなのかもしれません。


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2013/03/11

ニューヨークタイムス アートディレクター ニコラス・ブレクマンによるイタリアフードカルチャー考

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ローマの『アメリカン・アカデミー芸術財団』奨学生でニューヨークの
イラストレータ/グラフィックデザイナーニコラス・ブレクマン。(写真左)
ニューヨークタイムスのアートディレクターであり、『NOZONE』という
雑誌の出版者、エディターでもあります。
彼が半年のローマの滞在で、リサーチしながら発見したイタリア独特
の食文化をテーマとした アートワークプレゼンテーションに行ってき
ました。

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これはレッジョ・エミリアのパルミジャーノチーズの生産工程。
デザイン上のカティアさんはチーズ工場では珍しい女性スタッフ
の存在であり、また右上の数字は秒単位でミルクを冷ます時間
が設定されています。こういったニコラスの驚きが伝わってくる
ようなおもしろい発見とともに生産工程がわかりやすくデザイン
で表現されています。右下の豚の顔はホエー(乳清)は豚のえさ
になるという意味。

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こちらはパルマのパスタメーカー『バリラ』の工場。
”ZITIズィーティ”というパスタを生産するマシンはすべてオートマチック
で起動、ひろーい工場内を自転車で移動するスタッフも含めその生産の
大規模さが表現されています。この他にもワイン文化の紹介やレストラン

の話、自分の足で訪ねて味わった彼独自の随想がデザインで紹介されました。

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ニューヨーカーでグラフィックデザイナーのニコラスの目を通して語られる
イタリアの食文化の魅力。
イタリアの食やワインについては通常その筋の専門家、つまりイタリア人の
フードジャーナリストやソムリエによる記述、解説をたくさん見てきましたが
それとはまったく違うニコラスのインプレッション。食の専門家ではないから

こそ感じられた驚きがとても新鮮に伝わってきました。

写真や文章以上にイタリアの食の魅力を伝えるニコラスのイラストデザイン。
あらゆるメディアで紹介してほしいものです。

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ACCADEMIA AMERICANA

NICOLAS BLECHMAN

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2013/03/04

『RIPASSATA DI MIZUNA』水菜のリパッサータ

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ポルトガル、トリノ、アルバ、ミラノ、コモ、etc.etc..と旅続きの2月が
終わり、ちょっと野菜不足気味だった今日この頃。

週末はテスタッチョ地区で開かれる有機農家が集まるBIO市場へ。
そこでみつけたのが水菜!
八百屋のおばさんが「日本のブロッコレッティだよ。」と言っていました。
名前も日本語そのままMIZUNA。
水菜といえば、鍋料理に入れてあのシャキシャキした食感がたまらない
京都の伝統野菜。
それがこんなところに!
ローマ郊外で栽培している農家があるそう。
イタリア人はどうやって食べるのか聞いてみたところ、他の葉野菜と同じく
少し茹でてからオリーブオイルとにんにくと塩で炒めるのが一般的とのこと。

さっそく急ぎ足で家に帰りやってみました。
でもこの水菜、シャキシャキとした感じではなくしんなりしています。
茎のところも日本のものは白いですが、こちらは緑。

少し茹でてからフライパンでニンニクと一緒にジャッといためましたが

結構しっかり火にかけました。

あの”火を通しすぎないように”調理する日本の水菜とはまったく別物。

所変われば品変わるで日本とイタリアで育つ野菜はぜんぜん違うのです。

水菜のリパッサータ、お味はほろ苦味がアクセントになってグッド。
今度ごま和えにでもしてみようかな。

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