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2013/04/20

マナーよくてアナーキー。老舗立ち飲み屋『IL VINAIETTO DI MARCO E GIANCARLO』

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カンポ・ディ・フィオーリ広場にあるワインバー『ロショリ』は今や
90%の客が日本人観光客ではないかと思われるほど、ガイドブック
片手に1杯10ユーロのワイングラスを傾ける日本人でにぎわっています。
その有名店『ロショリ』から徒歩1分の裏道にあるのがこの立ち飲み屋。

店の名前が掲げてあるわけでなし、テーブル席があるわけでなし
キャッシャーがあるわけでなし、酒屋なのか、ワインバーなのかビレリア
なのか、外からは何の店なのかわからないのが特徴。
ちょうど今くらいの季節、春めいて暖かくなりだすと夕方から店の前の道路
はビールやワイングラス片手の酒飲みであふれかえります。

最初は誰かに連れてきてもらわないとちょっと入りにくい店。
ところが一度訪れると誰もが常連になってしまうのもこの店の特徴。
まずは安い。今どきワインが1杯3ユーロほど。高くても5ユーロ。
種類もいっぱい。言うまでもなくビールはもっと安い。
取り扱い免許がないのか食べ物のメニューはなし。
でも袋入りのポテトチップスやビスケットが売っていてそれを買って店内
で食べるのはOK。

夜のカンポ・ディ・フイオーリ広場は行儀の悪い若者の溜り場となって
警察沙汰になるようなけんかや、飲み散らかしたゴミで何度も新聞にも
取り上げられているけれど、ここでは道路でも誰一人大きな声を出すこと
なくほがらかな宵がくりひろげられているのです。

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店内に一歩入るとたくさんの写真やポスター。よく見るとチェケバラや
”NO AUTO BLU”(公用車反対)など、左よりの匂いが。
一つ一つのオブジェに店主の政治思想・主張がこめられていて見て
いて飽きない壁、壁、壁。

食べるもののメニューはないのですが、店の常連がテイクアウトピザ
を持ってきて、店内でみんなに配ったり、どこからか茹で卵が出てきたり
ちょっと法外な”何でもあり感”が普通にまかり通っていてまたいいのです。

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気軽な立ち飲み屋と見せておきながら、実はワインの品揃えがまたすごい。
「おッ!やるねえー。」と思わせるローマではこの店にしか置いていないよう
ような小さな希少ワイナリーのセレクト。
最近はかなり価格を上げているワイン屋が多い中、おそらくこれほどコスト
パフォーマンスがいい店は、ここかクール・デ・サックぐらい。

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そのバイヤーをしているのがこのパオロさん。
ローマのワイン界にもうんざりするようなウンチク野郎が多いけど
この人ほど嫌味なく押し付けがましくなく、さりげなくワインをすすめ
てくれる人はいません。

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こんな大きな冷蔵庫に入っているワインが全部頭の中にあるパオロ
さん。冷蔵庫からどんどんいろいろなワインを開けてくれます。

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PAVESE ERMES」というヴァッレ・ダ・アオスタの小さな小さな
ワイナリーの白。
『BLANC DE MORGEX ET DE SALLE DOP 2011』
イタリア語でないワインの名前からも想像できるように、ちょうど
イタリアとスイスとフランスの3国の境のあるのがこのワイナリー。
畑はアルプスのふもと標高1000メートルもの高さ。
ブドウはPRIE' BLANC100%。
香りは甘い洋ナシやほのかなコショウなどで、口に含むと
わりとボリューム感あり、そしてミネラルというよりも塩っけが。
なんとおもしろいブドウ品種でしょうか!
そして何よりも気に入ったのがこのボトルとラベル。
フランスのチーズやバターの箱もそうだけど、こういう子供のおとぎ話の絵本
みたいなのがかわいい!

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これは最近飲んだワインの中でも大ヒット!
アブルッツォのロゼ。
NICOLA DI SIPIO 」の『CERASUOLO 2008 』。
VALENTINIのチェラスオーロにはかないませんが、いやはや
かなりのレベルで驚かされました。
このワイナリーもまた無名ですが、過去に飲んだロゼの中で
3本の指に入るおいしさ。
パオロさんは「同ワイナリーの白『TREBBIANO』もあるけど
断然このロゼの方がおいしい」と断言。
何本か買って帰りたかったけど、これが最後の1本で残念。

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今イタリアでちょっとブーム?のルケ。
ピエモンテ州はアスティのDOCG赤ワイン。
なんというか、独特のバラや木苺のかわいい香りで、ほのかな甘さ
あり、一言で言うと女性らしいワイン。
LUCA FERRARIS』というワイナリーのもの。

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こちらもピエモンテの赤。今度は大好きなネッビオーロ。
これが1本12ユーロとかなりのお買い得価格。
「MAINERDO」という100年近い歴史のあるバルバレスコを生産
するワイナリー。
バルバレスコと同じブドウネッビオーロ100%の『NEBBIOLO D'ALBA
2008』。7ヶ月大樽で熟成。
ネッビオーロでも一般の酒屋で20ユーロ以上のものが多い
ですがこれは12ユーロでも伝統的な風格ありかなりおいしかった。

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最後にアルト・アディジェのピノ・ノワール。『PINOT NOIR 2009 』。
ワイナリーはボルツァーノより北部にある「MASRINUSHOF」。
なかなかイタリアに納得できるピノノワールはありませんが、これ
パオロさんのおススメだけあって、確かにかなり高いレベルをいって
ます。ラベルもステキ。

知らないワイナリーのワインがいっぱい飲めて楽しかったー。
そして家用にも4本ゲット。ここの値段なら気軽に買えます。
そしてこれだけ飲ませてもらった会計にまたびっくり。
いい店だなー。
それにしても「これだけ大勢の人が店の外で立ち飲みして飲み逃げ
する人はいないの?」とパオロさんに聞くと、「ほとんどが常連だから
誰もしないよ。もしするヤツがいたとしたら、そいつが悲しいヤツなだけ
であって店にとっては何も問題ないんだよ。」との返事。なるほどねー。

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飲み屋にもかかわらず毎晩23時半とか24時にはきっちり店のシャッター
が下りる。周囲の店でも一番早い。アナーキーな客層なわりにだらだらと
いつまでも飲んだくれる人がいないのもこのお店の特徴。
『ロショリ』もいいけど今のおススメは断然コチラ!

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IL VINAIETTO イル・ヴィナイエット

Via del Monte della Farina 37

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