« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »

2013年4月

2013/04/25

女将さんは修道女。秘密の地下食堂『FRATERNA DOMUS フラテルナ ドムス』

Dscn7428

その入り口はこんな感じ。
人の家におじゃまするかのようにブザーを押して入ります。
これがトラットリアとは、知らなければ絶対わかりません。

Dscn7427

中に入ると急に空気がひんやりとした静寂なロビーが。
「ちょっとここ本当にトラットリア?!」とあせってしまうほど神聖な雰囲気。
ここはローマの街中でもど真ん中、ちょうどナボーナ広場とサンタンジェロ城
の間、観光スポットがたくさん集結している地域。それがこの建物に一歩入
ると、田舎の静かな修道院に入り込んだかのような別世界。

Dscn7406

そしてなにやら地下に続く細い階段を下りると、笑顔でシスターが
迎えてくれました。わー何これ?!十字架がいっぱい!宗教画が
いっぱい!これはまぎれもなく普通のトラットリアじゃない!
「写真を撮ってもいいですか?」聞くと「あ、ちょっと待って」と急いで
テーブルの花瓶に駆けより花のむきをカメラの方に直すシスター。
自分じゃなくて花。心洗われましたー。

実はこの人がこの店の女将さん。
修道女とはいえ、満面の笑顔でてきぱきと客やカメリエーレを仕切
り、なにやら客の神父さん達からもやたらとしたわれていた彼女。

店内はかなり広く、地下に何部屋にも分かれています。
白壁に木のテーブル。そして十字架が各部屋に。
客層はといえば圧倒的に神父さん達。
バチカンのあるローマはなんといっても聖職者が多く、その意味ではこの
店は顧客確保は完璧。あとは近所に勤める法関係の人たち。向かいに
ちょうど最高裁判所もあるのです。立地条件最高。
大部屋には修学旅行などの団体の子供達もいました。
とにかくこの広い食堂は見事に満席。

Dscn7410

メニューはその日の献立があり、プリモもセコンドも2種類ずつ
テーブルまで持ってきてくれ、どちらか選ぶ、もしくは両方もらうというシ
ステムになっています。カメリエーレの男性達は神父さんになる
べく勉強をするためにローマに滞在しているアルバイトだそう。
このほほえみとその独特の服装がなんだか物語っています。

本日のプリモはミネストローネ(野菜や豆を煮込んだスープ)と
リガトーニのラグーソース(ミートソース)。

Dscn7413

正直絶品とは言えないけど、普通においしかった。
まさに大衆食堂の味。
テーブルワインはこれまた典型的な安ワインのちょいと酸化
した味。

Dscn7412

このカメリエーラの服装もなんだか好きだな。
紺色のタイトスカートにさりげなく巻いた白いエプロンがステキ。
もちろん彼女もシスターです。

Dscn7416

セコンドは仔牛の煮込みと豚バラの骨付きロースト。
2種類両方いただきました。
十字架の前で肉がっつり。神父さんも肉がっつり。

Dscn7418

さらにフライドポテトまで。
神父さんたちみんな食べる食べる。

Dscn7419

最後にさっぱりとシンプルなサラダ。
デザートにはオレンジとりんごが丸ごと出てきました。
これで1人10ユーロなり。

夜も7時半から開いていますが9時までに入店しないと入れてくれないそう。
ディナーもこんな感じのメニューで15ユーロほどとのこと。これはローマ
ではかなり安い。
この食堂は地下にありますが、上階はB&Bになっているそう。
だから宿泊客もここで食べられるようになっています。
味に関して問われると、そこまでおススメできる店ではあり
ませんが、なかなかヒューマンウオッチングが楽しめる空間でした。
今まで数々の風変わりなお店を訪れましたが、ここもなかなか
異色を放ってました。世の中いろんな店があるものです。

それにしても、シスター女将は商売上手と見た。

定休日がなぜか木曜で、もっと不思議なのが日曜日も営業していること。

でも日曜って、キリスト教では祈りの日では?と思ったのですが、もしや

日曜はローマに各地から聖職者が集まるのでかき入れ日?

さすが女将。商売わかってます。

各テーブルを周って常連にしていたしゃべりがこれまたうまい。
食べ終わって店を出ようとする若い神父達が帰りがけ、列を
つくって彼女に熱烈なハグをしているのでした。

アーメン。

Dscn7422









|

2013/04/20

マナーよくてアナーキー。老舗立ち飲み屋『IL VINAIETTO DI MARCO E GIANCARLO』

Dscn7361

カンポ・ディ・フィオーリ広場にあるワインバー『ロショリ』は今や
90%の客が日本人観光客ではないかと思われるほど、ガイドブック
片手に1杯10ユーロのワイングラスを傾ける日本人でにぎわっています。
その有名店『ロショリ』から徒歩1分の裏道にあるのがこの立ち飲み屋。

店の名前が掲げてあるわけでなし、テーブル席があるわけでなし
キャッシャーがあるわけでなし、酒屋なのか、ワインバーなのかビレリア
なのか、外からは何の店なのかわからないのが特徴。
ちょうど今くらいの季節、春めいて暖かくなりだすと夕方から店の前の道路
はビールやワイングラス片手の酒飲みであふれかえります。

最初は誰かに連れてきてもらわないとちょっと入りにくい店。
ところが一度訪れると誰もが常連になってしまうのもこの店の特徴。
まずは安い。今どきワインが1杯3ユーロほど。高くても5ユーロ。
種類もいっぱい。言うまでもなくビールはもっと安い。
取り扱い免許がないのか食べ物のメニューはなし。
でも袋入りのポテトチップスやビスケットが売っていてそれを買って店内
で食べるのはOK。

夜のカンポ・ディ・フイオーリ広場は行儀の悪い若者の溜り場となって
警察沙汰になるようなけんかや、飲み散らかしたゴミで何度も新聞にも
取り上げられているけれど、ここでは道路でも誰一人大きな声を出すこと
なくほがらかな宵がくりひろげられているのです。

Dscn7366 Dscn7367
Dscn7368 Dscn7370

店内に一歩入るとたくさんの写真やポスター。よく見るとチェケバラや
”NO AUTO BLU”(公用車反対)など、左よりの匂いが。
一つ一つのオブジェに店主の政治思想・主張がこめられていて見て
いて飽きない壁、壁、壁。

食べるもののメニューはないのですが、店の常連がテイクアウトピザ
を持ってきて、店内でみんなに配ったり、どこからか茹で卵が出てきたり
ちょっと法外な”何でもあり感”が普通にまかり通っていてまたいいのです。

Dscn7224

気軽な立ち飲み屋と見せておきながら、実はワインの品揃えがまたすごい。
「おッ!やるねえー。」と思わせるローマではこの店にしか置いていないよう
ような小さな希少ワイナリーのセレクト。
最近はかなり価格を上げているワイン屋が多い中、おそらくこれほどコスト
パフォーマンスがいい店は、ここかクール・デ・サックぐらい。

Dscn7360

そのバイヤーをしているのがこのパオロさん。
ローマのワイン界にもうんざりするようなウンチク野郎が多いけど
この人ほど嫌味なく押し付けがましくなく、さりげなくワインをすすめ
てくれる人はいません。

Dscn7371

こんな大きな冷蔵庫に入っているワインが全部頭の中にあるパオロ
さん。冷蔵庫からどんどんいろいろなワインを開けてくれます。

Dscn7356

PAVESE ERMES」というヴァッレ・ダ・アオスタの小さな小さな
ワイナリーの白。
『BLANC DE MORGEX ET DE SALLE DOP 2011』
イタリア語でないワインの名前からも想像できるように、ちょうど
イタリアとスイスとフランスの3国の境のあるのがこのワイナリー。
畑はアルプスのふもと標高1000メートルもの高さ。
ブドウはPRIE' BLANC100%。
香りは甘い洋ナシやほのかなコショウなどで、口に含むと
わりとボリューム感あり、そしてミネラルというよりも塩っけが。
なんとおもしろいブドウ品種でしょうか!
そして何よりも気に入ったのがこのボトルとラベル。
フランスのチーズやバターの箱もそうだけど、こういう子供のおとぎ話の絵本
みたいなのがかわいい!

Dscn7232

これは最近飲んだワインの中でも大ヒット!
アブルッツォのロゼ。
NICOLA DI SIPIO 」の『CERASUOLO 2008 』。
VALENTINIのチェラスオーロにはかないませんが、いやはや
かなりのレベルで驚かされました。
このワイナリーもまた無名ですが、過去に飲んだロゼの中で
3本の指に入るおいしさ。
パオロさんは「同ワイナリーの白『TREBBIANO』もあるけど
断然このロゼの方がおいしい」と断言。
何本か買って帰りたかったけど、これが最後の1本で残念。

Dscn7216

今イタリアでちょっとブーム?のルケ。
ピエモンテ州はアスティのDOCG赤ワイン。
なんというか、独特のバラや木苺のかわいい香りで、ほのかな甘さ
あり、一言で言うと女性らしいワイン。
LUCA FERRARIS』というワイナリーのもの。

Dscn7213

こちらもピエモンテの赤。今度は大好きなネッビオーロ。
これが1本12ユーロとかなりのお買い得価格。
「MAINERDO」という100年近い歴史のあるバルバレスコを生産
するワイナリー。
バルバレスコと同じブドウネッビオーロ100%の『NEBBIOLO D'ALBA
2008』。7ヶ月大樽で熟成。
ネッビオーロでも一般の酒屋で20ユーロ以上のものが多い
ですがこれは12ユーロでも伝統的な風格ありかなりおいしかった。

Dscn7336

最後にアルト・アディジェのピノ・ノワール。『PINOT NOIR 2009 』。
ワイナリーはボルツァーノより北部にある「MASRINUSHOF」。
なかなかイタリアに納得できるピノノワールはありませんが、これ
パオロさんのおススメだけあって、確かにかなり高いレベルをいって
ます。ラベルもステキ。

知らないワイナリーのワインがいっぱい飲めて楽しかったー。
そして家用にも4本ゲット。ここの値段なら気軽に買えます。
そしてこれだけ飲ませてもらった会計にまたびっくり。
いい店だなー。
それにしても「これだけ大勢の人が店の外で立ち飲みして飲み逃げ
する人はいないの?」とパオロさんに聞くと、「ほとんどが常連だから
誰もしないよ。もしするヤツがいたとしたら、そいつが悲しいヤツなだけ
であって店にとっては何も問題ないんだよ。」との返事。なるほどねー。

Dscn7372

飲み屋にもかかわらず毎晩23時半とか24時にはきっちり店のシャッター
が下りる。周囲の店でも一番早い。アナーキーな客層なわりにだらだらと
いつまでも飲んだくれる人がいないのもこのお店の特徴。
『ロショリ』もいいけど今のおススメは断然コチラ!

******************************

IL VINAIETTO イル・ヴィナイエット

Via del Monte della Farina 37

****************************




|

2013/04/01

ピエモンテ白『VIGNA MASSA DERTHONA 2009 ヴィーニャ・マッサ デルトーナ』

Dscn7124

この土日で夏時間になったイタリア。
あいにく雨模様の復活祭3連休にもかかわらず、新しいローマ法王を
一目見ようと、通年より20%以上もの観光客がローマに押し寄せている
そう。確かにこのところ街中を歩いていると南米系のツーリストを多く
見かけます。フランチェスコ法王の一挙一動は毎日TVや新聞で報道
され今や押しも押されぬ大スターです。
そんなバチカン市国に手が届きそうなところにあるにもかかわらず
観光客よりも地元の常連でにぎわっていた週末のセルジョの店で。

なぜか赤よりも白ワインが飲みたい気分になっていたところに、友達がお
ススメしてくれたピエモンテの白。これがおいしかったー!
『ヴィーニャ・マッサ』というワイナリーの”TIMORASSO ティモラッソ”という
珍しい品種のワイン。
生産地はピエモンテでもバローロやバルバレスコのある地方ではなく、もっと
南部のロンバルディアに近いアレッサンドリア県。
おいしいピエモンテワインってこういう黄金色をしていますが、なぜなん
でしょうね。トロピカルっぽいかわいさに始まり、ちょーっとほろ苦い後味。
注文したモッツァレラと生ハムとも最高!
復活際を祝う常連の人ごみの中で最後の一滴まで堪能しました。














|

« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »