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2013/09/03

ワインでも日本酒でもない『グラヴナー』という美酒

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イタリアで、そして日本でも熱烈なマニア、コレクターが存在
するフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアのワイナリー『GRAVNERグラヴナー』。
地下に埋め込んだグルジア産のアンフォラ(テラコッタの壺)で
ブドウの皮ごと発酵、熟成するという、唯一無二の醸造法で造ら
れたワイン。試飲会に参加したとき、造り手のヨスコさんは、一見
穏やかで礼儀正しいお坊さんみたいな印象でしたが、話が進む
につれ、凡人ではない精神と体力が備わっているのがじわじわ伝
わってきました。
シャンパーニュやブルゴーニュ、もちろんイタリアの同業者からも
尊敬される造り手で、おそらく自然派イタリアワインの中でも
高級ワインとしてここまで地位を確立させた人はいないと思います。
と、感服しながら、実はいつも心の中で「で、このワインに合う料理って
あるのかな。」という大きなハテナがありました。あまりにワイン自体
の存在感が重すぎて、どんな料理にもしっくりこないどころか、台無し
にしてしまう気がして、”酒”としてバーで飲むようなワインというイメー
ジを持っていました。
個人的には、”いつの間にかボトルが空になっていた”というワイン
が好きなので、レストランで飲むグラヴナーのワインはなんだか
難しいお経を読まされているような堅苦しささえ感じていたのです。

一時帰国中、京都祇園の「なかむら」へ。
京都の生き字引的な存在のメランジェの経営者松宮さんにご案内いただいた
日本酒とワイン、炭焼きのお店。
ここへ松宮さんが持ち込みされたのがグラヴナーの「アンフォラ2006」。

ヨスコさんが自ら開発されたという専用グラスも持ち込み。さすが松宮さん。
3つのくぼみがあり、ここに指を入れて持つようになっています。
普通のワイングラスよりも手が当たる面積が少なく、口も大きく
なっています。
グラヴナーのワインを飲むべく熟考された器。

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濃いサーモンピンクと黄金が混じったようなロゼよりも濃いブランデー色
のリボッラが注がれます。

そして目からウロコ!
なんと、この「なかむら」の料理、つまり和食なのですがこれがアン
フォラと絶妙な調和で、今までずっと料理に合わないワインと思っていた
のが”気がついたら空になっていた”というワインに様変わりしているのでした。
イタリア料理には酸味のある果実ブドウからできたワインが合い、和食
には米の甘みのある日本酒が合うというのが一般的な倫理ですが
アンフォラはまったくこのロジックに反した反応をしているのでした。
なかでも宮崎産の尾崎牛の炭焼きとはもうこれ以上の組み
合わせは世の中に存在しないというほどのおいしさで、スイスイとワインが
すすみました。肉もまたアンフォラに絡まれることによってさらにその肉感

とうまみが強調されていました。
グラヴナーのワインを”飲みやすいおいしさ”と言うとかなりのイタリア人
に否定されると思いますが、それが過言ではないほど印象が変わったのです。
アンフォラを造っているリボッラ品種がどこでどうなったのか、これを
もし世界中の酒と一緒にブラインドテイスティングしたとしたら、多くの人が
ワインと思わないのではないでしょうか。紹興酒と思う人がいるかもしれ
ません。{ワイン}でもなく{日本酒}でもなく{紹興酒}でもない。
『グラヴナー』というどんなカテゴリーにも属しない驚くべく美酒を一口一口
最後の残り香まで堪能。
グラヴナーの聖地フリウリからはるか離れた京都にて、グラヴナーの驚異
を体感したのでした。

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GRAVNER

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