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2014年12月

2014/12/28

イタリア一美しいボルゴ アブルッツォ「サント・ステファノ・ディ・セッサーニオ」

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イタリアには中世時代などの昔の集落がそのまま残っている地方があります。
その極少の村を”ボルゴ”と呼びますが、イタリアで最も美しいといわれる
アブルッツォ州のボルゴ「サント・ステファノ・ディ・セッサーニオ」という村へ
行ってきました。人口は120人未満。
もちろん電車は通っていません。雪が降りませんようにと祈りながら

ローマから車を走らせること2時間。

雄大なアッペンニーニ山脈の少し雪のつもった山々の間に、隠れるかの
ようにこの集落があります。
全てが石作りで一瞬映画のセットかと思わせるような美しさ。

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10分もあれば全部回れるほど小さな集落。

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ここがボルゴの中心地。教会とタバッキがあります。
小さな広場でもクリスマスデコレーションはお見事。
2009年に近郊の町アクイラで地震があり、被害を受けたこの村も
未だに修復があちこちで行なわれていました。

このボルゴにある、某ホテルに泊まったのですが、これがホテルという
建物があるのではなく、集落に存在する元馬小屋や古い住居を改装した
ミニアパートに宿泊する形になっています。このホテルはボルゴ内にいくつか
のアパートと、さらにレストラン、ワインバー、ティールームを経営しています。
この地方の伝統工芸が行なわれている昔ながらの職人工房も買い取り
工芸品の生産を継続しています。

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アパートの木製ドアの開け閉めはこのカギで。
最初はなかなか使いなれません。

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毛布はこの村に伝わる伝統工芸の織物です。全ての部屋にこの織物
の毛布が使われています。ベットのマットレスまで手製。

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ホテルからウエルカムドリンクはワインを煮詰めたちょっと甘いリキュール
『VIN COTTO』。水もペットボトルでなくステキなボトルとアンティークグラス。

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ホテルの石鹸やシャンプーは全て手造りのもの。オリーブオイルから
作られています。ホテルではこれらの製品の販売もしています。

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ボルゴ内にあるティールーム『TISANERIA』へ。

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こちらではハーブティー、自家製の郷土菓子、リキュールが
愉しめます。ここで生産している毛布や石鹸の伝統工芸品の販売
コーナーも。

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これはホテルで使われている毛布の機織機。
実際にここで織っています。

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こちらはワインバー『CANTINONE カンティノーネ』。

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ワインバーの後はレストランへ。

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翌朝-。

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朝食は桃や洋梨のジュースにブドウのジャム、ヨーグルト、焼き菓子全て自家製。
さらにできたてのリコッタチーズに山の生ハム。どんな5ツ星ホテルのブレック

ファーストよりも豪華!

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今までもいくつかこういったボルゴと呼ばれる集落を訪れたことがあるのですが
ここほど徹底して中世のまま保っているところは初めて。
車も、信号も、横断歩道も、蛍光灯も、看板も、ゴミ箱も、電信柱も何もないのです。
あるのは薄暗いオレンジ色の電灯と石畳の小道と壁。何の音もないのもまたシュールな
空間を完璧なものにしています。
隣町までも結構あるので、ここにいるとちょっと閉じ込められたような気分になります。
WIFIはありますが、ネットやメールをするところではありません。

朝目を覚ましたとき「さあ、これから羊の乳でもしぼりに行くか」という気に
なったほど完全に中世の農民になっていた自分。
何もかも忘れて本当に自分をリセットしたい人、大切な人とじっくり話し合いたい人
にはもってこいですが、仮面夫婦や家族は地獄のような退屈さに襲
われて帰り道は別々に、とうことにもなるかもしれません。

そんな心のリトマス試験紙のようなこのボルゴ。普段は考えないことを詩想したり
知らない自分や友達を発見したりしにまた訪れたい場所なのです。




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2014/12/21

死者を慕うシチリア菓子『MARTORANA マルトラーナ』

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12月8日の聖母受胎祭、12月25日のクリスマス、26日聖ステファノの日と
イタリアのキリスト教にまつわる祝日が重なる12月には、日本のお正月のように
家族がみんな集まって、伝統料理と伝統菓子を食べる習慣があります。
イタリアでも独特の歴史と銘菓が存在するのがシチリアのパレルモ。

もうクリスマスというのに先週まで海水浴をする人がいたほど生暖かい
パレルモへ行ってきました。

この写真は市内の老舗菓子店『COSTA コスタ』。先月のJAL機内誌に掲載された
そうで、オーナーがお店に入るなりそのページを誇らしげに見せてくれました。
このショーケースにケーキとともに並ぶ果物。これは実はアーモンド菓子なのです。
その名も「FRUTTA MARTORANAフルッタマルトラーナ」。マジパンでできています。
中はやわらかく、とにかくものすごく甘い。喉が痛くなるくらい甘い。
それにしてもさすがシチリアの菓子職人、お店によっては本物の果物と全く
見分けが付かないほど見事なものがあります。

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このお菓子の由来は古く、1143年に建てられたパレルモ中心地にあるマル
トラーナ教会の修道女が当時のローマ法王訪問のときに捧げるために発案し
たもの。アーモンドもシチリアの名物なので、身近にある材料を使い斬新な
お菓子を考えたということでしょうか。昔の修道女さんは今どきのモダン
キュイジーンシェフのごとくクリエイティブだったのかもしれません。
この協会ではその後、修道女達がこのマルトラーナ菓子作りに励み、ここから
パレルモや近郊の町にも広がったといわれています。

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マルトラーナ菓子には騎士や人の形をしたものもあります。
フルーツのマルトラーナと共に、このお菓子は死者を思い起こすために
使われるようになりました。
11月1日は聖人の日といって、聖人となった人を祭る祝日で、お墓参りに行く
習慣があります。この日からクリスマスにかけての冬の期間、小さな
こども達のいる家庭ではこのマルトラーナ菓子をあちこちに隠します。
こども達がマルトラーナを発見すると、よいこにしていたから天国のおば
あちゃんとおじいちゃんがお菓子をくれたのだよと言い、また来年の
この日までよい子でいるんですよ、と教育していたそうです。
こども達に亡くなったおばあちゃんがいつもどこかで見ていると身近に
感じさせるのです。
パレルモのある菓子店のオーナーは「自分の家では今でもこども達のために
人型のマルトラーナを家のあちこちに隠して、宝探しのように遊びながら亡く
なったおばあちゃんの話をみんなでしているよ。」と話してくれました。

マルトラーナを食べておばあちゃんを想い出す。
マルトラーナはだからこんなに甘いのかもしれません。







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2014/12/17

イタリアペット事情

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カラブリアのある農家にて。
道路をさまよっていたところをある農家に拾われたジョヴァンナ。
新しい飼い主に見つけられたその1週間後、7匹のフワフワの仔犬が生まれました。

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白が3匹と黒7匹。お母さんのミルクをもらいにコロコロ転がりながら

やってきて吸いついていました。みんな必死!

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ジョヴァンナの餌皿には大量のトマトソースのパスタが盛られていました。

残飯はご飯じゃなくてパスタ。そりゃそうだ。

ジョバンナは虐待されていたのか、最初のころは人が近づくと恐がって
いたそうです。今は安心しきって飼い主に自分の子供たちをゆだねていました。

その平和な光景を見ながら、もしジョヴァンナがこの農家に拾われていなかったら

と思いぞっとしました。

イタリアでは犬を飼う人も多いのですが、捨てる人も多いのです。

動物好きのこの農家に発見されたのは、ジョヴァンナと仔犬たちの運命だった

のかもしれません。黒く光るやさしい目の奥を見つめながらそう思いました。

この国の深刻な不景気が人だけでなくペットにも影響しています。




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2014/12/15

カラブリア州ポリステルナ村『DONNA NELA ドンナ・ネーラ』

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イタリア半島をブーツの形に例えたなら、つま先の部分にあたるのがカラブリア州。

この地方は、すばらしい食材の宝庫なのですが、なかなか外には出ない傾向に

あります。地元だけでほとんど消費されている感じです。

すぐ南に下がったシチリア州は、EU共同体の投資地方の1つで、その支援により

柑橘果実やオリーブオイルなど数々の”シチリア名物”を世界で販売しています。

シチリアワインの品質向上も輸出量拡大もその恩恵にあやかっています。それと

同じ肥沃な土壌、豊かな農作物に恵まれているにもかかわらず、売り出すノウハウ

を持たない(興味がない?!)のがカラブリア。だからこそまだまだ知られていない

隠れた面白い食材がごろごろあります。

カラブリア州南部の内陸部、ポリステルナという村にあるワインバー・レストラン
『ドンナ・ネーラ』へ。こんな村にお店が存在するのかな?と思わせられる、もの

すごい田舎の村に突如現る小さなお店。

まずはカラブリア産ハム、サラミの盛り合わせ。
生ハムというとパルマやサンダニエレのものが知られていますが、カラブリアにも
黒豚などのいろいろな種類の生ハムがあるんです。

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こちらはカラブリア州南部レッジョ・カラブリア地方の郷土パスタ『STRONCATURA
ストロンカトゥーラ』。デュラムセモリナ粉麦の全粒粉を原材料としたリングイネの
形の茶色いパスタです。酸味、雑味のある麺。
これにトマトソース、アンチョビ、オリーブそして忘れてはならないペペロンチーノを
たっぷりからめ、最後にモッリーカと呼ばれるトーストしたパン粉をかけたもの。
料理自体はシンプルなのですが、これが辛い辛い!

トウガラシはカラブリアの名物で消費量も全国一。
韓国みたいに、どんな料理にもトウガラシが入っているのです。
特に年配層の中には必ずポケットにトウガラシを持ち歩いていて、トラットリア
なんかでもさりげなく取り出して、マイトウガラシをかけるという人も多々存在する
そう。一緒に食事をしたカラブリア人の知人も「この味がないと料理に”シマリ”が
ない」と言ってました。ウワー。

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こちらは『CORTECCE コルテッチェ』という名の手打ちパスタ。木の皮という
意味の通りのフォームをしています。これがモッチリとしていてコシもあり、いい
食感なんです。ちょっと虜になりました。
ひよこ豆とパンチェッタがよくあいます。

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ワインはワイナリーODOARDI オドアルディの赤『TERRA DAMIA』ガリオッポ
マリオッポ、ネレッロ・カプッチョなどなどカラブリア在来品種の混醸ワインです。
ひとこと”濃い”のですが、地元料理を食べるとワインもこれくらいの存在感がない
とつりあわないのがわかります。うまくバランスのとれたワインで、思ったより
飲みやすく、パスタのトウガラシ辛いのも手伝ってすぐ1本空になりました。

レストランの横には店舗と同じ広さのワインセラーあり。こんな小さなお店に

ぎっしりとカラブリアワインが置かれていました。

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それにしても、どうしてカラブリアではこんなにペペロンチーノを使うのか真相を
解明してみたいものです。

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DONNA NELA ドンナ・ネーラ

Corso Mazzini 23
Polistena - Reggio Calabria
Tel 0966 932943

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2014/12/08

『SENSI BY HEINZ BECK センシ・バイ・ハインツベック』でパスタ愛炸裂

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ジュゼッペ・モラーロ、ナポリ出身。
『センシ・バイ・ハインツベック SENSI BY HEINZ BECK』のシェフ。
15歳のときにはすでにファミリーの経営するレストランで働いていたそう。
ナポリの料理専門学校そして、スローフード協会のピッツァ
職人コースを卒業。

地元ナポリから飛び出し、北アイルランドのレストラン、そしてスペインの3ツ星
『エル・ロコ・デ・カンファべス』に勤務。ハインツベック率いるローマの『ラ・ペルゴラ』
同じくぺスカーラの『カフェ・レ・パイオット』、ポルトガルコンラッドホテルの
『グスト・バイ・ハインツベック』を経て東京へ。

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ナポリ出身にしては寡黙で、コツコツと仕事をこなす職人肌。
「国籍の違うスタッフと一緒に仕事をするのが好き。自分はどこの国でも
働ける。」というジュゼッペ。どこの国でも独学で言葉を学び、スペイン語
ポルトガル語も、英語でも問題なく仕事をこなせる機用な料理人。

『センシ・バイ・ハインツベック』のパスタは特にレコメンド!

この寒い季節には”鴨のトルテッリ グラナパダーノと黒トリュフのソース”。
長い仕込時間をかけてつくられる、鴨の胸肉と腿肉をあわせ、リコッタチーズと
香草を練りこんだ具を包んだ自家製トルテッリです。

”海老とズッキーニ、ライムと生姜のスパゲッティー”も具材の組み合わせが面白く
おいしかったなー。クリーミーなのにフレッシュ。

”カボチャのクリームとチーズのニョッキ 砕いたアマレッティ添え”も真珠くらいの

大きさの小粒ニョッキもなんとも心地よい食感。ニョッキ=餅のような重たいパスタ

という今までの概念が覆される一品。

イタリアでもこんなパスタはなかなかめぐり合えないのです。

パスタマニアのみなさま、ぜひお試しください。

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SENSI BY HEINZ BECK

東京都千代田区丸の内1-1-3
                  日本生命 丸の内ガーデンタワー1F
Tel 03-32840020

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2014/12/04

『料理通信12月号 THE CUISINE MAGAZINE DICEMBER』

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現在発売中の料理通信12月号ワールドトピックスのページに
イタリアの最新情報を寄稿しています。
お見逃しなく!

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料理通信

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2014/12/03

『WITALY COOKING FOR ART MILANO 若手パティシェコンクール2015 』

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昨日12月1日に行なわれた【クッキング・フォー・アート主催若手パティシェ
コンクール2015】にてグランプリを獲得したファブリツィオ・フィオラーニ。
このコンクールは、「ツーリングクラブイタリアホテル&レストランガイド」や
「レスプレッソレストランガイド」の監修を勤める著名ジャーナリスト
ルイジ・クレモーナ氏率いるWITALYという団体が主催しているもので
今年初めて開催されるイベント。

ファブリッツィオはローマ出身の28歳。
すでにパティシェとして12年のキャリアを持つ凄腕です。
20歳からはローマのミシュラン1ツ星『ラ・ポスタ・ヴェッキア』、トスカーナの
『イル・ペッリカーノ』、ミシュラン3ツ星『エノテカ・ピンキオーリ』、ローマの
『ラ・ペルゴラ』とイタリア銘店での経験を経て、現在東京の『ハインツベック
レストラン』のシェフパティシェとして活躍しています。

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東京は「目が飛び出るような面白いものがいっぱい!」と大のお気に入り。
同僚のイタリア人の中で誰よりもおしゃべりのファブリッツィオですが、ドルチェ
を作るときは顔つきが変わります。

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”柿のクリームと栗のアイスクリーム アルバ産の白トリュフ添え”

柿をレストランで熟成させ、自身の密でトロリとなった完熟柿をしき
その上には香ばしい栗のアイスクリーム。
ひらりと乗せられた白トリュフの独特の芳香がたまりません。
秋味のグラデーションが鼻腔と口の中で見事に広がります。
ファブリッツィオが仕上げる極上の冬のデザート、ハインツベック
東京にて愉しめます。

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WITALY

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