
イタリアではすっかり地ビールブームが定着した感があるけ
れど、それでもまだどんどん新しい小さなビール生産者が誕生
しています。地ビール専門店もかなり増えました。
こちらはテスタッチョ地区にあるビレリアで飲んだトレヴィーゾ
(ヴェネツィアよりも北部にある県)の生産者「カーザ・ヴェッキア」
の『フォルメントン』。15ユーロなり。
オレンジピールで風味付けした白ビール(小麦ビール)で
グラスに注いだとたん、「ウワッー」っていうほど柑橘やバナナの
香りが漂って、においからしておいしそー!苦味はほとんどなくほど
よい酸味と甘みがあってフレッシュ感あふれるのど越し。アルコール
度数は4,8%と低め。
スープみたいに濃いビールや真っ黒の苦いビールは苦手なのです
がこれはおいしかった!1本すぐに空きました。
「カーザ・ヴェッキア」はイヴァーノさんが一人でコツコツ造っていて
メーカーというより職人業。2009年ごろから友達3人と趣味でビール
つくりをはじめ、昨年にビールメーカーとして3種類のビールを初リリ
ースしたという新しい生産者。
”ビール職人”というと、ヒゲをはやしていて太っちょで、ライダーみたい
な黒いTシャツとブーツのイカツイおじさんを想像してしまいますが
イヴァーノさんはそのまんま!身長183cm体重130kg。愛用のバイク
はBMW K1200R。好きなことは、女、料理、正直さ、豚ロースの炭焼。
で、この人のウェブサイトがおもしろい。自己紹介が仕事のことからプライ
ヴェートまで詳しく自伝のように載っています。
この人もともと料理人なんですね。HPにはビールの紹介以上においしそうな
地元料理のレシピがわんさか。
そして彼のこんな詩がありました。
La Cucina è il centro della mia casa.
台所は僕の家の中心だ。
E’ maestosa ed imponenete, e fa sentire tutto il resto piccolo.
それは貫禄があって堂々としている。
それ以外のことなんかすべてちっぽけなことに思わせてくれる。
Qui si riunisce la mia famiglia, il mio amore, i miei amici.
ここには僕の家族、愛、友達が集る。
Qui si discute, ci si arrabia, e ci si riappacifica.
ここで話しあい、怒りあい、許しあう。
Spesso ho cucinato per persone differenti sedute allo stesso tavolo,
僕は何度も同じひとつのテーブルに座っているさまざまな人に料理をした。
per poi accorgermi che tanto diverse non erano.
そして最後には彼らの間には差がないということに気がつく。
La Cucina è davvero il centro della mia casa.
台所は本当に僕にとって中心にあるものなんだ。
Ivano il Cuoco,
Mente Libera … in un Corpo Statico.
健康体に自由な心をもつ料理人イヴァーノより
Dedicata all’Alida e al mio piccolo Leo.
アイーダと僕の小さなレオに捧げる。
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MICRO BIRRIFICIO CASA VECCHIO
IVAN BORSATO BIRRAIO
ミクロ・ビリフィーチョ・カーザ・ヴェッキオ
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