サルデニア

2010/06/17

さらばサルデニア

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サルデニア最終日。
帰りたくない気持ちにどっぷりつかったまま、滞在していたカルテッリの村
からオルビアの空港へ。
カルテッリ市長が、私が空港まで行くのに役所の運転手に送らせるというので
市庁舎の車でドライバーがホテルに迎えにくるかと思いきや、現れたのは
とんがりブーツのロックンローラーおじさん。
ドライバーとはなんと市役所の受付で働いているおじさんで、自分の愛車
で迎えに来てくれたのでした。
空港まで1時間、インテリアからエンジンまで改造した愛車の自慢話。
おじさんのおかげで出発の時は悲しみにうなだれていたのが楽しいドライブに。

「楽しいことは一瞬にして過ぎる」とはまさにこの旅のことでした。
見るもの食べるもの全てが夢のような日々!!!
そして、なんといってもここで出会った人たちのこと、それは私の人生の財産
になったと言っても過言ではない、忘れがたい想いをプレゼントしてくれました。
もっともっと何度も訪れてこの島を身近に感じたい!

「サルデニアに恋をしないには1つだけ方法がある。それはサルデニアを
訪れないこと」と誰かが言っていました。もう手遅れの自分。

悲しいやらうれしいやら。そんな気持ちでローマに帰途。

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2010/06/16

『ANTICO CONVENTO ASARA アンティーコ・コンヴェント・アサーラ』で100年前のワイナリーへタイプスリップ

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カルテッリ村は小さな小さな田舎の村にもかかわらず、たくさんの
見所があります。
エノロセイ協会の会長トト・ファリス氏が100年も前から存在するという
古いワイン醸造所『ANTICO CONVENTO ASARA アンティーコ・コンヴェント
アサーラ』へ案内してくれました。タイムスリップしたような気になるシュールな
空間。

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その当時使用していた醸造器具やワイン容器のコレクションは見事です。

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ラベルがステキなアンティークボトルたち。
さすがにこの醸造場で作っていることはないのですが、今も隣の建物でワイン
造りをしていて白ワインを試飲させていただきました。
なんのブドウかはわからなかったのですがシェリーのような味でした。
このワイナリーではネッビオーロの赤ワインも生産しているそうです。
ピエモンテのブドウがこんなところで作られているのでしょうか。

トスカーナやウンブリアでも古い醸造機が並べられたワイン博物館を
訪れたことが何度かあります。入場料も設けられ、3ヶ国語のパンフレット
まであり、ドイツ人観光客で溢れていました。ここはそこに比べるとはるか
に田舎ですが、有名博物館よりももっとすごい規模のものがごろごろあって
それがさりげなく存在していました。

サルデニアの楽しさ、それは伝統の中にあったものが現在も生きていて
誰もがそれを手にとって間近で見られるということ。
イタリアの各地で”消えてしまった伝統”、”言葉や文章の中だけに存在する
伝統”をたくさん見てきましたが、サルデニアの地ではそれが現在進行形の
形で息づいているのです。

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ANTICO CONVENTO ASARA

Via Giovanni XXIII 14/16
Caltelli Nuoro
Tel +39 349 4222780

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2010/06/12

ジャズコンサートは山頂の十字架の下で

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昼食のあと、カルテッリ市長とサルデニアのサックス奏者エンツォ
ファヴァータ氏と村で一番高い山の頂上へ。
自家製ワインコンテストのゲストアーチストとして招待されたエンツォ氏は
この夏8月15日に、なんとこの山頂でのJAZZコンサートをカルテッリ村の
主催で企画しているのです。それが実行可能かどうかの下見に行きました。

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この眺め。
ここは夕焼け時が素晴らしいそう。
どこにバンドを並ばせるか、スペース的に何人入れるか、セキュリティ
の問題など、自分の足を運んで検討するカルテッリ村の市長。
それにしても。。。
日本ではこんなところでのコンサートなんか万一の危険を伴うという理由
で企画の地点で即効却下されそうですが真剣に検討する市長。またやはり
ふもとから山頂まで結構距離があり、トイレの問題なんかどうするのかな、とか
くだらないことも気になってしまいましたが、こういう人に夢を与える人はどこま
でもポジティブなのでしょうね。
小さい村の市長だからなのか、この人が特別フットワークがよいのかちょっと
感心しました。

夕焼けの下、もしくは星空の下、こんなコンサート会場で聞くジャズ。
サルデニアって何をとっても規模が違う!ともう何かにつけて感動。

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カルテッリ市長(左)とエンツォ氏(右)。
このサックス奏者は15年ほど前に東京でもコンサートを行ったそう。

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ENZO FAVATA

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2010/06/09

『PURUSEDDU プルセッドゥ』で大饗宴

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授賞式のあとは各村の市長、受賞者、審査員メンバー全員での午餐会。
村から車で15分ほど山を登ったところにある教会で行われました。
ちなみにこの村は右を向いても左を向いても教会だらけ。人口3000人の
村に24つの教会が。ミサに通うことは大半の村の人たちの日課となってい
るのです。

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まずは教会のお庭でのアペリティフ。

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マルバシアの甘口ワインと、またまた豆腐のようなやわらかく
酸味の強いチーズ。普通デザートに飲むマルバシア
のパッシート。ここではアペリティフに。面白い組み合わせ。

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カルテッリの市長に呼ばれて教会の庭の裏に行ってみると。。。
そこには巨大な肉のロースト用の釜が!!!

いい匂いがすると思ったら!
この眺めはちょっと強烈でした。
2ヶ月の子豚2匹と雄のヤギのモモ肉がこんがり。
もう5時間も前からじわじわ火を入れてるとのこと。
これは楽しみです。

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長いテーブルに座り、生産者たちと審査員たちが食事をともにし
いろいろな話で盛り上がりました。審査員メンバーのエノロゴなど
専門家と直接話ができるこの場は生産者たちにとっても貴重な機会。

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まずはおなじみのサルデニアパスタ『MALLODDUS マロドゥス』。
ここでも羊の肉のラグーでした。

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そして『パーネカラサウ』。これは唯一”パスタ”と一緒に食べられる
パンじゃないでしょうか。パンにパスタをのせて食べてる人もいました。

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ヤギのもも肉のローストが焼きあがりました。
臭みがあり、ワイルドな味わい。
やわらかい肉の繊維。

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でました!『プルセッドゥ』!!!
サルデニアのご馳走子豚の丸焼き。

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肉をはさみで切り分けていきます。
香ばしい香りがあたりに漂います。
「子豚は耳も足も、どの部分も捨てることなく全部食べるの」と
キッチンのお姉さん。
慣れた手つきです。

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お皿はサルデニアの名産物コルクです。
2匹の子豚ちゃん、あっという間に無くなりました。

肉はふっくら、皮はカリカリとしておいしかったです。

こんなにおいしい豚をしょっちゅう食べているサルデニアの人。

他の地方では絶対に豚肉料理なんか食べられないだろうなと思いました。

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こちらは第4回エノロセイ自家製ワインコンテストでグランプリを
とったワイン『BARROSU CANNONAU SARDEGNA DOC』
の2007。この生産者『GIOVANNI MONTISCI』は受賞後ワイン
を商業化しました。昨年のヴィンテージからビオディナミ製法。今年
はヴェローナの自然派ワインの展示会にも出展し、このエノロセイ
コンクールをきっかけに市場デヴューした唯一の生産者。
残念ながらブショネで飲めませんでした。。。
私は2005ヴィンテージを持っているので何かの機会に飲んでみたい
と思います。

「食べることとは生きること!」「生きることとは食べること!」みたいな
人間としての教訓を得たような昼食会。
大きなおなかをかかえて教会をあとにしました。

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2010/06/07

『ENOROSEI エノロセイ協会』主催 サルデニア自家製ワインコンテスト - 表彰式編

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いよいよ第7回エノロセイワインコンテストの受賞者発表、表彰式。
グランプリはダニエレ・コッセルウ氏。(写真右)
ヌオーロ県はビッティという人口3500人の小さな村の生産者。
1ヘクタールのブドウ畑を所有し、彼の祖父の代から家族用の自家製
ワインを作っているそう。生産量はたったの3500リットル。
ブドウはカンノナウ種80%、パスカ―レ種15%、そして面白いのが
食用ブドウのモスカート・ダ・アンブルゴという品種が5%使われています。

80歳というお年のダニエレ氏。賞状と賞品のバリック樽1個を受け取り
涙ぐむ姿に広場に集まった村の人々から大きな拍手が。

自分で作ったワインを家族と親戚、仲の良い友人達に配るのが生きがいだそう。
「毎年あっという間になくなって、いつも取り合いになるんだよ。」と自慢げ
に話すダニエレ氏は、イタリアのユネスコ無形遺産である『TENORE BITTI
(TENORE SARDO)テノーレ・ディ・ビッティ』の歌い手でもあります。
羊飼いの服を着、4人組みになってサルデニア語で歌うこの島の民族音楽
です。

カルテッリ村で行われたこの授賞式。
周辺の村々の市長さんや、県知事、商工会の人たち、そして村の人々が
集まり、小さな舞台の上で繰り広げられた笑いあり涙ありの人間味あふれる
表彰式でした。
私も外国人ジャーナリストの審査員という形で賞状を渡したり、さらに言葉を

添えることになり村の人々の前で一言このコンテストの感想を延べました。

こういう形での「村おこしプロジェクト」を間近で見られたのは本当に貴重な
経験でした。このイヴェントのスポンサーとなっている県や市からの出資という
のは聞いたところによると実は驚くほどの小額。このコンクールにかかわ
った人の情熱だけでここまでのプロジェクトを作りあげたエノロセイ協会の会長
TOTO FARRIS トト・ファリス氏の想いというのが市長の演説よりも深く心に残り
ました。

さて授賞式のあとは、この村の山の上の教会へ移動、カルテッリ村の市長が
賞者達を招待し、ランチパーティーです。
どんな料理が出てくるやら!?

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ASSOCIAZIONE ENOROSEI

エノロセイ協会

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2010/06/04

子豚の丸焼き『PURSEDDU プルセッドゥ』

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審査が終了し、外に出るともう1時。
じりじりと肌が痛いほどの太陽が。
「近くのお店を予約してあるからみんなで昼食に行こう!」という
主催者。このかけ声を聞いて「ヤッター!!!」と叫びました(心の中で)。
この時をどんなに待っていたことか!
いよいよ現地のサルデニア料理が!!!

歩いて10分のところにある小さなトラットリア『イル・リトローヴォ』
に到着。審査員メンバー全員だったので長いテーブルが用意されて
いました。

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まずは前菜から。
羊のチーズ『MERCAメルカ』。豆腐のような外観です。
やわらかいクリームチーズでパンに塗って食べます。
強い酸味が印象的。

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アツアツのパンが運ばれてきました。
ムチっとしたフォカッチャなようなパン(上)とサルデニアの典型的
な紙のように薄いパン『PANE CARASAU パーネカラサウ』。他の地方

にはよく似たパンで『CARTA MUSICA カルタムージカ=楽譜』という名

のものがあります。反対側が見えるほど薄いパンです。パリパリと食べ

心地がよく、これにはちょっと病みつきになりました。

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サルデニア産生ハムと『ペコリーノ・サルド』という羊のチーズ。
どれも味が濃い。じわじわと時間差でうまみが広がります。

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こういう料理、好きな人は好きなのでしょうが私は食べられません。
羊の内臓(腸)をグリンピースと煮込んだ料理『ZUTERRO ズテッロ』。

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サルデニアの典型的なパスタ『MALLODDUS マロドゥス』。
原料はセモリナ粉と水。
イタリア語には ”S”で終わる言葉はないのですがサルデニア
にはたくさんの”S”で終わる名前があって、それを耳にするだけ
で楽しいのです。
羊の肉のラグーソースでした。
上にはもちろんこの地方のチーズ『ペコリーノ・サルド』が。

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こちらはジャガイモのラビオリ。
これもラグーが羊肉なのでひとクセあります。

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でましたー!!!
『PURSEDDU プルセッドゥ』。
子豚の丸焼き。
今回のサルデニアの旅で一番感動したのは豚肉のおいしさ。
こちらは生まれて3ヶ月の子豚を丸焼きにしたもの。
サルデニアでは家族・友人が集まる週末ごとに子豚を丸焼きにします。
同じテーブルにいた人たちが、自分んちの豚は特別にうまいとか
やわらかとか口々に自慢していました。この島にはどれだけの子豚
が誕生するのでしょうか。
そして同じテーブルにいた人が面白いことを言っていました。
サルデニアではその昔から豚と共存し、たくさんの豚を食べるため
『PURSEDDU』という苗字の人がたくさんいるそうです。
お皿の上に見える緑はサルデニアのお酒で有名な『MIRTOミルト』
の葉です。

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フォークとナイフをつかってはおいしくありません。手で食べるのが
正当な食べ方。
噛み付いたとたんあふれる肉のエキス。肉質のジューシーさとやわ
らかさは全く初めての体験。香り、風味、食感の素晴らしさ。感無量。

今まで食べていた豚肉は何だったのでしょうか―。
そして皮。カリカリと音がするほど香ばしく、ここが一番おいしい部分!
と言ってみんなパリパリ食べていました。

ちなみにここでは大人の豚は肉が固くなるのでソーセージやハムなど

の加工に使います。

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デザートも独特。
チーズを入れてフライにしたタルト蜂蜜をたっぷりかけた伝統菓子『SEADAS
セアダス』。アツアツのうちに食べます。このチーズにも濃い酸味があります。
レモンやオレンジの皮を風味付けに入れたり、地域によってはプレッツェー
モロ(イタリアンパセリ)のみじん切りを入れるそう。

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大好きになったお菓子『PAPPASSINOパッパシーノ』。
干しブドウとアーモンドの入ったやわらかいクッキー。
素朴ながら忘れがたい味わい。

最後はもちろんミルト酒で締めました。

サルデニアの伝統料理。
なんと楽しい食のワインダーランド。
ひとつひとつの料理に不思議な響きの名前があって、その味わいには
昔から語り継がれてきた農民の歴史がこめられています。
イタリアの各地の郷土料理にはそれぞれの風土が感じられますが
サルデニアのそれはその中でも特殊で際立った存在感がありました。

広大な海のごとく目の前に広がるサルデニア料理の世界。
どぼん!と勢いよく飛び込んだ感動が全身にひしひしと広がりました。

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IL RITROVATO
VIa Nazionale 119
Caltelli Nuoro
Tel 078490680

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