トスカーナレストラン - TOSCANA LOCALE

2013/07/20

シエナ『CASTELLO DI FIGHINE HEINZ BECK SEASONS カステッロ・ディ・フィギーネ ハインツ・ベック・シーズンズ 』

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これは少し前になるのですが、なかなかアップできなかったシエナ
のレストラン『カステッロ・ディ・フィギーネ』の記事。
昨年オープンしたばかりの、ローマは3ツ星レストラン『ラ・ペルゴラ』
のシェフハインツ・ベックがプロデュースするレストラン。

はっきり言ってここにたどり着くのは難しかった!
友人T子の運転する車でローマから約3時間。
シエナと言ってもほぼウンブリアとの境、トスカーナの南部に広がる森の
中にあります。
”お城を改装したホテルの中にあるレストラン”と想像していたのですが
いやーそのスケールはまったく別ものでした。
「こんなところに本当にホテルがあるの?」と何度も2人で聞きあいながら
どんどん森の奥深くへ。視野にあるのは永遠に続く細い砂道とそれを囲む
林のみ。シカとかタヌキが今にも飛び出してきそうな森林で、ナビはまった
く頼りにならず。つのる不安の道中で、やっと目の前にお城らしきものが!

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これがフィギーネ城。
”フィギーネ”というのはお城の名前でもありこの小さな”村”の名前
でもあります。
フィギーネ村は中世時代荘園でした。5分もあればこの村すべて
周れるのほどの面積で、ここにはお城、教会、いくつかの元農民の
居館があります。それを南アフリカ出身のイギリス人の現オーナーが
村ごと買取り15年かけて改装しレストランもオープンしたという
歴史があるのです。

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これが教会。今でも結婚式なんかが行われるそう。

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これが元小作人の家を改装したもの。2階建てのヴィッラが
敷地内にいくつかあります。今はレジデンスとして宿泊
施設となっています。各ヴィッラにはプライベートプールも。

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これは昔の共同洗濯場。

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自家農園。ここでできる作物はレストランでも使われています。
そして。

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よかったー。ありました、レストラン。

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今はこの村の宿泊客やそれ以外の一般客も来るレストランですが
2年前まではオーナーの友人達のためのプライベートクラブだったそう。
ディナーまで時間があるので、宿泊するヴィッラへ。

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ヴィッラはちょうどレストランのある道を挟んだ向かい。
3階建てで、キッチンもあり完全に長期滞在型、ファミリー向けの
施設。カップルでも広すぎる感じです。

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窓を開けるとちょうどレストランの入り口が見えました。
オーナーがガーデニングが趣味ということで庭のきれいなこと!

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レストランの庭。
ここでは夜19時ごろからアペリティーボができます。
時期によっては色とりどりのバラが天井に咲き乱れるそう。

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この日は風が強く寒かったので無理でしたが、夏季は
テラス席でディナーが愉しめます。

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まずはBARカウンターのあるお部屋でゆっくりアペリティフ。
タイムスリップしたかのようなこの古い館の雰囲気を存分に
楽しみたかったので、レストランがオープンする19時きっちり
に行きました。

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木のお皿に乗って出てきたのはきゅうりとアボカドをキアニー
ナ牛で巻いたインボルティーニ。そして紫芋のチップスと
チーズのワッフル。

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そしてダイニングルームでのディナーへ。
レストランというよりも誰かの自宅に招かれたようなこじんまり
したお部屋。ソファーでゆったりと食事ができるようになっています。
夜はコースメニューが3種類あります。
3皿のコース(35ユーロ)、5皿のコース(49ユーロ)、7皿のコース
(65ユーロ)。かなりのお手ごろ料金なのです。これはこの”村”に
滞在している宿泊客のレストランでもあるということもあります。

5皿のコースとワインはここの地元ワインである「ヴィーノ・ノービレ
ディ・モンテプルチャーノ」を注文。

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アミューズから。白アスパラガス、トスカーナのポルチーニ茸
紫芋のチップス添え。

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前菜。マグロのカルパッチョ。アーティチョークのチップス
に白ネギ、黒オリーブのパウダー。

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パスタはトマトのトルテッリーニ、エビとグリーンソース。

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セコンドは仔牛のソテー。

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ワインリストはあまり数は多くなく、ヴィーノ・ノービレやキャンティ
などトスカーナワインを中心に揃えてありました。
このAVIGNONESI社の「ロッソ・ディ・ヴィーノ・ノービレ2010 」が
まさに料理を引き立てて、いい仕事してくれました。
このあと同メーカーの「ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチァーノ
2008」もいただいたのですが、断然ロッソの方がよかった。

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そしてデザート。

ゆったりとリラックスしたムードの中で静かに流れていった
いいディナーでした。
シェフのアントニオ氏はアランデュカスや京都菊の井の厨房にも
立ったことがあるという経験を積んだ料理人。「ラ・ペルゴラ」やもうひとつ
のハインツベックのレストラン「カフェ・レ・パイオット」で何年も勤務
した人。

レストランではわたしたちの他に退職後トスカーナに移住している
というオランダ人のグループ、またイタリア人の若いグループもい
ました。
ホテルの建物の中にあるレストランと想像して来たのが、ここは
まるでおとぎの国そのものでした。
この”村”のつくりといい、鳥の声以外は何も聞こえないという静けさ
といい、さらに敷地内ではレストラン以外では誰にも会わない、人
がいない!(実際にはシェフと管理人が2人敷地内に常駐しています)
という映画のセットの中にいるかのような不思議な空間でした。
またこの荘園地区から隣村まで車でも結構距離があるのです。
深々とした森の中にあるこのシュールな荘園。そこにT子と2人。
あまりの現実味のなさに夜ヴィッラで寝るときちょっと怖かったー。

ヴィッラ、レストランともに夏季のみ営業。
大人のテーマパーク「カステッロ・ディ・フィギーネ」、フツーのイタリア
旅行では物足りない人におススメです。

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CASTELLO DI FIGHINE

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2012/03/13

『TAVERNA DEL GRAPPOLO BLU グラッポロ・ブルー』 のモチモチ麺

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モンタルチーノの景色というのは、京都の庭園に通じるわびさ
び的な美しさがあります。シチリアやナポリのいかにも地中海的
な青と緑の派手な色合いの海でもなく、かといってアルプスの圧倒
させるような規模の山々でもなく、ちょっとトーンを落とした銀閣寺
の苔の庭を思い出させるようなしみじみと心にしみる風景があります。

試飲会が終わってそんなモンタルチーノに見とれながらローマ
に帰る前、やっぱりまたあの店へ行こうということになり前日に
夕食をとったレストラン『グラッポロ・ブルー』へ再び。
店主のおじさんも覚えていてくれていて「また来たの。」と満面の笑み
で迎えてくれました。

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ここはモンタルチーノの街中にある小さな小さなレストラン。
何も知らずに偶然入ったお店だったのですが、注文した料理が
すべて絶品で大当たり。

いろんなものを試したい気持ちを差しおいて、結局またまた前日
と同じ料理を注文してしまいました。
まずは前菜のキアニーナ牛のブレサオラ。この色を見て最初は
なんだか固そうだなと思ったのですが、これがしっとりと口当たり
のいい食感でキアニーナの甘みもあり少しバルサミコ酢のかかった
ルーコラとなんともよい相性。

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ここにてワインを飲まないわけにはいきません。
試飲会で気に入った『ファットイ』のロッソ。

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このお店の自慢は手打ち麺。
こちらは栗の粉で打った茶色いタリアテッレ。豚のソーセージ
とポルチーニきのこであえてあります。
栗の香ばしさ、甘みがおいしい歯ごたえのある麺。
『ファットイ』の骨格のあるロッソ・ディ・モンタルチーノがこのパスタ
のおいしさをさらにふくらませてくれます。

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モンタルチーノの忘れがたい思い出となったのはわびさびの景色
とこのモチモチ麺!地元の方言で「PINCI ピンチ」と呼ばれる小麦粉
と水だけで練った卵なしの麺。これはピーチと呼ばれる中部イタリア
の郷土パスタなのですが、このお店のものはこれがもっちもちなの
です。コシがあるのにこの弾力。これは病みつきになりました。
ソースは牛肉と牛のレバー、豚のソーセージをミックスしたラグー。
もちもちの麺によく絡んでまたワインがすすみます。

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最後はほろほろになった牛肉の赤ワイン煮込み。
もう言うことありません。

モンタルチーノならではの独特の料理にワイン。
なんと豊かな村なんでしょうか。
しかもどのレストランもローマでは考えられないくらいに安い!
手の込んだパスタでも大抵のお店で10ユーロ以下。
もちろんワインリストも豊富。
シエナみたいにツーリスト向けのコカコーラ+ピザ=10ユーロ
みたいな英語の派手な看板がそこらじゅうにあるわけでもなく
地元の人が普通にしみじみと生活している感じの町並みもよかったなー。

ローマへ帰る帰途の道、モンタルチーノの夕焼けがまたこの旅
のステキな締めくくりをしてくれました。

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TAVERNA DEL GRAPPOLO BLU
タベルナ・デル・グラッポロ・ブルー

Scale di Via Moglio 1 Montalcino
Tel 0577 847150

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2012/02/28

モンタルチーノ『ENOTECA OSTERIA OSTICCIO エノテカ・オステリア・オスティッチォ』

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ローマから車で北上すること3時間。トスカーナはブルネッロ・ディ
モンタルチーノの生産地で知られるモンタルチーノへ。
毎年恒例のワインイベント「BENVENUTO BRUNELLO」。これはブ
ルネッロ生産者協会主催の新ヴィンテージを発表する業者向け試
飲会。
ローマはすっかり春めいてきたというのに、モンタルチーノの砂漠の
ようになめらかな丘陵には、ところどころにまだたっぷりと雪が残って
いました。
そしてその残雪も含め、この地方の美しさといったらなんといったらいい
のか、目が洗われるどころかその景色を眺めているうちに体中が
清められているような感じがするほど。モスグリーンとベージュのグラ
デーションがどこまでもゆるやかに続き、その中にぽつりぽつりと中世
の石造りの館が静かにたたずんでいます。うっすらと霧がかかっ
ているものなんだか神秘的。何時間でも眺めていられるこの景色。
目を大きく開いてどこまで見渡しても、一切その景色に関係のない色や
形の建物や看板がない。もちろん都市建築の規制があるのでしょうが
これほどまでに一人の画家が描いた絵を実現したような完璧な景色は
一種の奇跡のように思えました。

ちょうどお昼時間にモンタルチーノの街に到着。
試飲会会場に行く前にまずは腹ごしらえ。
広場近くにある人気店『オスティッチョ』へ。
ワインリストの充実ぶりはもちろん、なんと行ってもこのパノラマを目の前
に食事ができるのです。

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さて、このレストラン。イベント期間中誰もが話題にしていました。
その景色のよさはさておいて、ジャーナリストたちが口々にこの
お店の名前を出していたのは、実は今回のブルネロ生産協会
の大試飲会に参加しなかった生産者が続出。
そのワイナリーたちがこのお店に自分たちのワインをおいて無料
試飲コーナーをつくっていたのでした。
それというのも、本当にうんざりするほどよくある話なのですが、やは
りここモンタルチーノでもブルネロ生産協会内は結構うちわもめが多く
生産協会のやり方に賛成しないワイナリーは世界中からインポーター
やジャーナリストが集まるこんな貴重なイベントでも出展しない方針を
とっているのでした。
そんな彼らが自分たちのワインを飲んでもらおうということで試飲
コーナーを作ったのがこのお店。
ということで、試飲会前というのにランチに行ったこのレストランで
さっそくグラスワインでいろいろなワイナリーの『ロッソ・ディ・モンタルチ
ーノ』、『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』、『リセルバ』をティスティング。
中でも印象に残ったのは、生産者協会のブースには参加していなかった
『PODERE SALICUTTI ポデーレ・サリクッティ』のブルネッロ2007。
もちろん飲み頃としては早いものの、将来性を感じさせるしっかりした
酸とタンニン、バランスすべて見事なでき。
市場に出たばかりの2007年ヴィンテージのブルネッロ。
一口一口目を閉じてゆったりと堪能しました。

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午後は何時間もテイスティングになるので腹ごしらえのため
カボチャとペコリーノチーズのリゾットを注文。
6社のロッソとブルネッロとこってりしたリゾットをあわせて。
背景にはブドウ畑広がる晴天のパノラマ!!!ワオー!
モンタルチーノに来たよろこびがじわじわふくらんでくるのでした。

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ENOTECA OSTERIA OSTICCIO
エノテカ・オステリア・オスティッチョ

Via Matteotti 23 ,Montalcino Siena
Tel 0577 848271

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2011/12/14

シエナ『IL CANTO- HOTEL CERTOSA DI AMGGIO イル・カント ホテル・チェルトーザ・ディ・マッジョ』

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それは「後にも先にもこんな体験はない」と思った貴重なディナー
でした。イタリア中のレストランをまわった中で一番衝撃的なレストラン
はシエナの『IL CANTO イル・カント』。
イタリアに遊びに来たシンガポール在住の幼馴染とモンタルチーノ
のワイナリーを訪問、ディナーは前から行きたかったこのレストラン
を予約していました。
シエナの旧市街から車で15分ほどのところにある、1300年代の
修道院を改装した5つ星ホテル「HOTEL CERTOSA DI MAGGIO」
の中にある一流レストラン。
イタリアのレストランガイド、ガンベロロッソ、エスプレッソの過去2年
の総合評価では、全国トップ100店の中で12位という輝かしい
評価。シェフ、パオロ・ロプリオーレ氏の独自のクリエイティブ
な料理がいろいろな雑誌でも評価されていたので前からぜひ行
きたいと思っていたのです。
夢かなって、はるばるシエナ郊外まで行ったその晩餐は「まずい」と
いうものではなく「食べられない」というある意味忘れがたい食事となった
のでした。

その修道院はトスカーナ独特の重厚な内装が素晴らしく、厳か。心の
中で「ステキすぎー!来てよかったー!」とワクワク感が最大に。
そして席に案内され、渡されたメニューはまったく解読不明。
コースメニューは9品からなるのですが、一品一品メニューの名前が
記載してあるのではなく”今日”という単語が9ヶ国語でならんでいました。
それもフランス語、とか日本語ではなく、どこの言葉かわからないような
マイナーな言語で。カメリエーレ曰く「シェフのインスピレーションで決める
のでメニューには料理を載せていない」とのこと。アラカルトメニューは
もっと理解不明だったのと、せっかくなのでシェフのインスピレーションを
楽しもうということでコース(130ユーロ/人)を注文。

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こちらはアペリティフのフランチャコルタとともに運ばれてきたモダン
アートみたいな一品。右からかぼちゃの種のパウダー、左はドライ
紫たまねぎ、下はアンチョビとお酢のタルト。

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で、ワインはせっかくシエナということでブルネッロを注文しようとしたところ
「コースメニューなら発砲酒か白ワインをおススメします。赤はちょっと合い
ませんね。」とのこと。でもせっかくモンタルチーノに行ってきたのでやっぱり
ということで、伝統的な造りの「FUGLINI フリーニ」のブルネッロ2000を注文。
ちょうど飲み頃で、あまりの飲みやすさに驚き。スイスイ飲めてブルゴー
ニュを思わせるエレガントさ。

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アミューズです。
グラスの底にはちょこっとパイナップルのカクテルが、上には
仔牛のロースとの串刺し。これを一緒に食べるということなので
すがイマイチ味わいのハーモニーがまったく不調和。
このあたりから?が脳裏に。

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これはこのディナーを象徴するちょっと衝撃的な料理でした。
「わかめ、香草、根菜のサラダ」
上にのっているのは日本人おなじみの刻み海苔。ざるそば
の上にのっているあれです。
その下にいろいろな種類の香草があるのですが、ハーブという
より薬草で、もうリキュールとかビールの原材料にするような強い
独特の後味のある葉っぱばかり。これで完全に舌がしびれて
しまいました。そしてさらに下にはガリ(甘酢に漬けたしょうがの
薄切り)に「どうみてもS&Bチューブ入りだよね」と思われるわざびが
お皿に塗りつけてありました。オリーブオイルやドレッシングはなし。
これらをなぜか「手で食べてください」とのこと。
さて、これらの素材の味の組み合わせを想像してみてください。
のど薬みたいな苦い薬草にガリとわさび、口の中でわさわさする
刻み海苔。。。
一緒に食べていた友達も舌がしびれて、この料理からワインの味
がわからなくなってしまいました。

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「チコリのラビオリ4種」
苦味のある菜野菜チコリを練りこんだ緑色の碁石みたいな小さな詰
ものパスタが4つ。中の具は1個ずつ4種類で、オリーブオイル
バルサミコ酢、アンチョビ、パルミッジャーノでした。
アイデアは面白く丁寧につくってあったのですが、でもこれが
強烈に塩辛い。塩入れずぎ!ワインは飲めず水、水、水。

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コースの中で唯一まともな料理だったのがこれ。
「鯛のソテー、アーティチョークのソース」
でもこれもどうってことはなく、ローマのトラットリアレベル。

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これもなんとも不思議な素材の組み合わせ。
「チーマ・ディ・ラーパ、ニシンの卵、レモンのキャビアに白
トリュフ添え」
苦いチーマ・ディ・ラーパに、酸味の強いキャビアの形をした
レモン、これまた苦辛いニシンの卵。またまた苦味と酸味。それに白
トリュフ。デリケートなトリュフの味が完全に消されてしまい残念。

この後は写真を撮り忘れたのですが「鳩のソテー、キクイモ添え」
水でなくやっとワインが飲めるようになった一品。

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ほとんどを残してしまった「冬の表現 土の中へ」というメニュー。
一緒に行った友達との間でその後もずっと笑い話というか
語り草になった料理です。
カメリエーレが何が入っているのか説明してくれたのですがい
まだにわかりません。お皿全体が茶色のグラデーションの食材で
盛られているのですが、食べられない素材ばかりでした。
タバコの葉とか燻製した何々の葉、とか何とか品種のカカオ
の塊など、口に入れても吐き出してしまうほどの苦味のオン
パレード。まさにタバコの葉とかシガーをかじっているような感じ。
ひとつでも甘いもの、もしくはバターのようなものがあればまだまし
だったのですが、全部が苦いかものすごく苦いのどちらか。
友達も完全に残していました。

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「コーヒーのタルトとサンブーカのムース」
もうここでは知恵がついていて、ちょこんとフォークに米粒くらい
をすくい、まずは食べられるかどうか味見。
ムリ!!!むり!無理!
強烈な苦味。
そしてこの白いムースも超すっぱーい。後味強すぎ。

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このチョコレートのローズ風味も

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香草とチョコレートのデザート盛り合わせももう食べませんでした。

この日唯一満足したのはワインでした。でも皮肉なことにこんなシエナ
の最高のワイン名産地にありながら、赤ワインどころかおススメされ
た白も発砲ワインも何もかも絶対に合わない料理なのでした。これほ
ど極端な料理を提供するのであれば、やはり飲み物もそれなりに日本酒
とかカクテルなんかを提案すべきと思いました。

そんなこともあわせて、どういうコンセプトのもとにこれらの料理が作ら
れているのか、あまりの不思議さにシェフのコメントというのを聞きたく
なってきました。怒りとか批評するというのではなく、単純にどんな人が
どんな想いで作っているのか聞いてみたかったのです。
この日来客は私たち2人だけだったのですが、料理が運ばれてくるたび
にシェフがこちらを遠くから私たちの様子を観察していました。
サービスしてくれたカメリエーレたちも料理の名前だけを告げてテーブルを
さっさと去るような対応だったのでシェフに聞くしかなかったのですがダメでした。

そしてカメリエーレにシェフを呼んでもらうようにお願いしたその返事は
「シェフは明日朝早い仕事があるので帰宅しました」。
ちょっとこれ最悪。どんなにセンスが悪くとも、せめてこんな料理を出す
のであれば自分の料理哲学を語ってほしかったです。わりとまだ早い
時間だったので本当に帰ってしまったのかな、実はキッチンにいるのかな
と思ってしまいました。
そんなわけでシェフとお話をすることができずにハテナをかかえたままレス
トランを後に。
2009年にミシュランの1つ星を取り上げられたものの、いまだ最高
のレストランとして名の知れるこのお店、オーナーはこの料理をどう思って
いるのか、イタリア人がこんな料理を堪能できるのか、またレストラン

ガイドの審査員で高評価をした人は何を食べたのか、ほんとにハテナは
いっぱい続くのでした。

以上すべてあくまで個人的な私と友達の2人の感想ですが「苦味と酸味と塩

の実験」みたいな趣味の世界でした。お金をとって出すプロの料理

ではないですね。でもこの先もこのレストランのことは忘れられないと思える

ある意味とっても楽しめた衝撃的体験でした。





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